元2階級制覇王者に大きなアドバンテージ
レドカッチは左狙いか

  • 2020/01/31

 スーパー・ライト級時代にWBC王座とWBA王座を獲得し、ウェルター級進出後の16年1月にはWBCで最高位についた経験を持つダニー・ガルシア(31=アメリカ)が、「エル・テリブル(恐怖の男)」のニックネームを持つサウスポー、イバン・レドカッチ(33=ウクライナ)と対戦する。試合はWBCの挑戦者決定戦として挙行される。エロール・スペンス(30=アメリカ)への挑戦切符を手にするのは――。
 ガルシアはアマチュアで120戦107勝13敗の戦績を残して07年11月にプロに転向。12年3月にエリック・モラレス(メキシコ)を下してWBC世界スーパー・ライト級王座を獲得し、4ヵ月後にはアミール・カーン(イギリス)に4回TKO勝ちを収めてWBAスーパー王座も手中にした。通算5度の防衛後に両王座を返上してウェルター級に転向。新階級ではロバート・ゲレロ(アメリカ)との決定戦を制して戴冠を果たした。しかし、1年2ヵ月後、WBA王者のキース・サーマン(アメリカ)との統一戦で惜敗。ベルトを手放すとともにプロキャリアで初の挫折を味わった。18年9月、再び戴冠のチャンスが訪れたが、ショーン・ポーター(アメリカ)に12回判定で敗れ返り咲きを拒まれた。その後、再起戦を経て今回のレドカッチ戦を迎える。
 「SWIFT(俊敏)」というニックネームを持つガルシアは37戦35勝(21KO)2敗とKO率は60パーセントに届かないが、左フックには一撃KOの威力がある。2年前には元王者のブランドン・リオス(アメリカ)を右一撃で夢の国に送り込み、直近の試合ではタフで鳴らしたアドリアン・グラナドス(アメリカ)から計3度のダウンを奪って7回KO勝ちを収めるなど攻撃の幅を広げつつある。
サウスポーとの対戦は決して多くはないガルシアだが、スピードのあるザブ・ジュダー(アメリカ)、手数の多いロバート・ゲレロ(アメリカ)に勝っており、苦手意識はなさそうだ。
 レドカッチはウクライナの北部に位置するショストカの生まれだが、09年11月のプロデビュー戦から29試合(23勝18KO4敗1分1無効試合)すべてをアメリカで戦ってきた。もともとはライト級の選手で、5年前にはWBCの挑戦者決定戦に出場したが、デヤン・ズラティカニン(モンテネグロ)に4回TKOで敗れている。再起後、のちに世界王者になるテビン・ファーマー(アメリカ)と元世界王者のアルへニス・メンデス(ドミニカ共和国)に10回判定負け。世界挑戦経験のあるジョン・モリナ(アメリカ)には4回KOで敗れた。しかし、18年以降は3連勝(2KO)と息を吹き返した感がある。特に直近の試合となる昨年6月のデボン・アレキサンダー(アメリカ)戦では、右アッパーを決めて元世界2階級制覇王者を倒し、さらに2度のダウンを追加して6回KOで下している。
元世界3階級制覇王者のシェーン・モズリー・トレーナー(アメリカ)とコンビを組んだことと体重を上げたことが吉と出たようだ。
 経験に加え左フックという絶対的な切り札を持つガルシアに分のあるカードといえる。右の破壊力も増しており、相手に与える脅威は大きいものがあるはずだ。ましてレドカッチは打たれ強いタイプではないだけに、これらのパンチがクリーンヒットした場合は早めの決着も考えられる。レドカッチとしては右のリードブローから緩い角度で巻き込むように打ち込む左で勝負をかけたいところだ。これが絶妙のタイミングで決まれば番狂わせの可能性は膨らむが、ガルシアがそう簡単に被弾するとも思えない。中盤あたりには実力差がKOという形で表面化しそうだ。

ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :マニー・パッキャオ(フィリピン)
WBA    :アレクサンデル・ペスプーチン(ロシア)
WBC    :エロール・スペンス(アメリカ)
IBF    :エロール・スペンス(アメリカ)
WBO    :テレンス・クロフォード(アメリカ)

 力のあるスター選手が揃った充実のクラスといえる。老舗の専門誌「リング・マガジン」のパウンド・フォー・パウンド・ランキングでは、4位にテレンス・クロフォード(32=アメリカ)、6位にエロール・スペンス(30=アメリカ)、10位にマニー・パッキャオ(41=フィリピン)と階級を代表する3人が10傑入りしているほどだ。実績では6階級制覇のパッキャオを筆頭に3階級制覇のクロフォード、そしてスペンスという順になるが、年齢を加味した潜在能力という点ではスペンスとクロフォードが並び、3番目にパッキャオと順位が入れ替わる。ただし、昨年10月に交通事故を起こしたスペンスは次戦が初夏になりそうな気配で、後遺症がないかどうか一抹の不安は残る。
 この「3強」のうちパッキャオとスペンスはPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)との契約下にあり、統一戦は決して難しい状況ではない。一方、クロフォードは競合するトップランク社&ESPN系の選手ということもあり、スーパーファイトの実現のためには越えなくてはならない高い壁があるのが現状だ。
 この3人を追うのがショーン・ポーター(32=アメリカ)、ダニー・ガルシア(31=アメリカ)、キース・サーマン(31=アメリカ)の王者経験者たちだ。故障がちなサーマンは戦線復帰が少し先になりそうな気配だが、ガルシアは今回のイバン・レドカッチ(33=ウクライナ)戦で存在感を示しておきたいところ。ポーターもクロフォードへの挑戦プランが浮上していると伝えられるだけに、今後のニュースを待ちたい。

元2団体王者ハードの再起戦
タフガイを倒し切れるか

 17年2月から19年5月にかけてスーパー・ウェルター級のIBF王座とWBAスーパー王座に君臨した実績を持つジャレット・ハード(29=アメリカ)の再起戦。タフネスに定評のある元世界ランカー、フランシスコ・サンタナ(33=アメリカ)を倒して次に繋げることができるか。
 ハードは身長185センチ、リーチ194センチと大柄で、好意的な表現をするならばダイナミック、マイナス面を強調するならば大雑把な選手といえる。10回戦に上がってからは5度の世界戦を含めて8戦7勝(6KO)1敗だが、KOの多くは中盤から終盤にかけてのものだ。体格と馬力で相手を追い込み、弱らせて仕留めるパターンが多い。2年前の王座統一戦でエリスランディ・ララ(キューバ/アメリカ)から最終回にダウンを奪って逆転の判定勝ちを収めた試合が典型といえる。戦績は24戦23勝(16KO)1敗。
 サンタナは15年のプロキャリアを持つベテランで、若手のころにはジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)、ジャーメル・チャーロ(アメリカ)といったのちの世界王者と手合わせした経験を持つ。
新人時代(11年5月)とはいえ、ハードから2団体王座を奪ったウィリアムスと引き分けていることはアピール・ポイントといえよう。
サンタナは12年から15年にかけて10連勝(5KO)を収め、このころに世界10傑入りも果たしている。その後はサダム・アリ(アメリカ)、ホセ・ベナビデス(アメリカ)らに敗れたが、2年前には08年北京五輪金メダリストで世界挑戦経験もあるフェリックス・ディアス(ドミニカ共和国)に10回判定勝ちの殊勲をあげ、このときも世界挑戦圏内にランクされている。戦績は33戦25勝(12KO)7敗1分。KO負けは1度だけだ。
 馬力で勝るハードがプレッシャーをかけ、サンタナが左右フックで応戦するパターンが予想される。中近距離で持ち味を発揮するサンタナだが、身長で10センチ、リーチで11センチ劣っており、どこまで抵抗できるかは疑問だ。ハードが強引に攻め立て、中盤あたりで屈服させてしまうのではないだろうか。

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