現王者の返り討ちか前王者のリベンジか
オッズは9対4でチャーロ有利

  • 2020/01/10

 この両者は18年12月に今回とは逆の立場で拳を交え、挑戦者だったトニー・ハリソン(29=アメリカ)が12回判定勝ち、8対1で有利と見られていたジャーメル・チャーロ(29=アメリカ)のV4を阻止して戴冠を果たした。しかし、スコアこそ115対113(二者)、116対112の3-0だったが、ファンや関係者のなかには「チャーロが勝っていたのでは?」と判定に疑義を呈する者もいた。もちろん敗れたチャーロ本人にとっては不本意な王座陥落といえた。
 いったんは半年後に再戦が組まれたが、ハリソンが足首を痛めたため先送りになった経緯がある。そうした因縁含みのリマッチだけに双方の感情が露骨に出る試合になる可能性は十分にある。返り討ちを狙うハリソン、雪辱を果たして王座奪回を目論むチャーロ。序盤から激しい攻防が見られそうだ。
 50年代から70年代初頭にかけてミドル級やライト・ヘビー級で活躍した元世界ランカーのヘンリー・ハンク(本名ジョセフ・ハリソン=96戦62勝40KO30敗4分)を祖父、80年代にウェルター級で18戦(11勝5KO7敗)したアリ・サラームを父に持つハリソンは、いわば良血ボクサーといえる。アマチュアを経て11年7月にプロデビュー。当時は5階級制覇王者のトーマス・ハーンズ(アメリカ)らを育てたエマヌエル・スチュワード・トレーナーに師事していたが、同氏が12年に亡くなったあとは父親とコンビを組んでいる。戦績は30戦28勝(21KO)2敗。戴冠を果たしたチャーロとの初戦以外にも元世界王者のブロンコ・マッカート(アメリカ)やイシェ・スミス(アメリカ)、世界ランカーのシアレイ・ラブチャンカ(ベラルーシ)らに勝っており、世界王者としての力量は十分にある。185センチの長身から繰り出す強打が最大の武器で、13年から15年にかけて10連続KO勝ちをマークしたこともある。その一方、2度の敗北はいずれもダウンを喫したすえのTKO負けで、耐久力に課題を抱えている。
 挑戦者としてハリソンの対角コーナーに陣取ることになったチャーロは現WBC世界ミドル級王者、ジャーマル・チャーロの双子の弟で、兄弟で同時期にベルトを保持していたこともある。アマチュアで64戦(56勝8敗)を経験後の07年12月にプロ転向を果たし、12年間で33戦32勝(16KO)1敗の戦績を残している。もちろん唯一の敗北はハリソンに喫したものだ。兄のジャーマルはハードパンチャーとして鳴らしているが、弟のジャーメルは技巧派寄りのタイプといえる。しかし、直近の7戦に限定すれば6勝(5KO)1敗と高いKO率を誇る。チャールズ・ハトレイ(アメリカ)、エリクソン・ルビン(アメリカ)らを斬って落とした試合などを見るとパンチャー型に変身した感もあった。ただ、その一方で空回りする傾向もあり、試合運びが大雑把になる傾向も見られる。ハリソンとの初戦ではそのあたりを突かれたといえるかもしれない。
 ふたりは12ラウンドにわたって拳を交えているだけに、互いに手の内は分かっているはず。総合力にも大きな差がないため、ともに主導権を握ろうと序盤から速いペースで入る可能性が高い。まずはレーダーの役割を持つ左ジャブの差し合いに注目したい。そのうえでペースを掌握した方が断然有利な立場になるはずだ。ダウンなど確実なダメージを与えるシーンがない場合は今回も競った状態のまま中盤、終盤まで勝負がもつれそうだ。オッズは9対4、チャーロ有利と出ている。

スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :ジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)
WBA    :エリスランディ・ララ(キューバ/アメリカ)
WBC    :トニー・ハリソン(アメリカ)
IBF    :ジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)
WBO    :パトリック・テイシェイラ(ブラジル)

 ハイメ・ムンギア(23=メキシコ)がWBO王座を返上してミドル級に転向したいま、スーパー・ウェルター級は本命のいない混戦状態のクラスといえる。実績面でトップにいるのはWBAレギュラー王者のエリスランディ・ララ(36=キューバ/アメリカ)だが、直近の3戦は1勝1敗1分と必ずしも芳しい数字とはいえない。4月に37歳になることを考えると多くを望むのは酷というものだろう。
 ジャレット・ハード(29=アメリカ)を破って2団体の王座を手に入れたジュリアン・ウィリアムス(29=アメリカ)は地力のある好選手だが、まだ王者としての評価を定める段階とはいえない。かつてジャーマル・チャーロ(現WBC世界ミドル級王者)に3度のダウンを喫して5回KO負けの過去があるだけに、そのイメージを払拭するには時間がかかりそうだ。
 同様のことはWBC王者のトニー・ハリソン(29=アメリカ)、WBO王者のパトリック・テイシェイラ(29=ブラジル)にもいえる。ハリソンはIBF王座決定戦でハードに倒されており、テイシェイラはかつてカーティス・スティーブンス(34=アメリカ)に2回TKOで敗れている。ふたりともその印象を取り払うためには圧倒的な勝利を重ねる必要がありそうだ。
 4王者はいずれも初防衛戦をこなしていないが、それこそがこの階級の混戦状態を如実に表している。
 王者と同等の力量を持つ選手としては前WBAスーパー王者&IBF王者のハード、前WBA王者のブライアン・カスターニョ(30=アルゼンチン)、前WBC王者のジャーメル・チャーロ(29=アメリカ)らがいる。さらにチャーロに1回KO負け後に4連勝(3KO)と復調しているエリクソン・ルビン(24=アメリカ)も力がある。

V6王座を返上してS・フェザー級転向のバルデス
代役ロペスは5連勝中

 オスカル・バルデス(28=メキシコ)は6度防衛したWBO世界フェザー級王座を返上、2階級制覇を目指してスーパー・フェザー級に転向した。標的はWBC王者のミゲール・ベルチェルト(メキシコ)だ。すでに過去の実績が評価されてWBC1位にランクされているが、今回のアダム・ロペス(23=メキシコ)戦をクリアして指名挑戦権を手に入れることができるか。
 バルデスは08年北京大会、12年ロンドン大会と2度の五輪出場後にプロ転向し、7年間に26戦全勝(20KO)の戦績を収めている。16年7月に獲得したWBO世界フェザー級王座は3年間に6度の防衛に成功。さらなる栄光を求めて4ポンド(約1.8キロ)上のクラスに転向した。身長は166センチと大きくはないが、両ガードを高めに置いた構えで圧力をかけ、飛び込みながら左フック、右ストレート、アッパー系のパンチを繋いで仕留めるスタイルを確立している。やや攻撃偏重傾向があるため被弾も少なくはないが、その分、試合はスリリングだ。
 当初、バルデスはWBC5位のアンドレ・グティエレス(メキシコ)と対戦するはずだったが、グティエレスが前日計量で11ポンド(約4.98キロ)も体重オーバーだったため失格。そのため前座に出場予定だったロペスにチャンスが巡ってくることになった。
 このロペスはキャリア3年半、戦績は14戦13勝(6KO)1敗と特別目立つ数字ではないが、175センチと長身でスピードがある。
KO率は43パーセントと高くはないが、打ち下ろすような右ストレートはタイミングが良く、返しの左フックも巧い。17年12月に現世界ランカーのスティーブン・フルトン(アメリカ)に小差の8回判定負けを喫してからは5連勝(3KO)と好調だ。
 攻撃力と経験値で勝るバルデス有利は絶対的なものといえる。順当にいけば、懐に入ってボディから顔面に左右の強打をヒットして中盤までにけりをつけてしまうはずだ。ただし、攻め急いでディフェンスが甘くなるようだとロペスの体格と打ち下ろしの右に苦しむ可能性もある。

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