29戦全勝の王者のV3戦
KOで「ハリケーン」を撃退か

  • 2020/01/06

 双子のボクサーとして知られるチャーロ兄弟の兄、ジャーマル・チャーロ(29=アメリカ)が同級5位にランクされるタフガイ、デニス・ホーガン(34=アイルランド)を相手に3度目の防衛戦に臨む。実力差を見せつけたうえ、KOでベルトを守りそうだ。
 チャーロはアマチュアで71戦65勝6敗の戦績を残し、08年9月にプロデビュー。14連続KO勝ちを収めるなどしてトップ戦線に浮上し、15年9月にはIBF世界スーパー・ウェルター級王座を獲得した。元王者のオースティン・トラウト(アメリカ)、のちに世界王者になるジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)らを退けて3度の防衛を果たしたあと王座を返上し、スター選手が揃うミドル級に殴り込みをかけた。18年2月の決定戦でウーゴ・センティノ(アメリカ)に2回KO勝ちを収めてWBC暫定世界ミドル級王座を獲得し、2階級制覇を達成。19年6月のV2戦直前、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)が「フランチャイズ(特権)王者」にスライドしたことにともない正王者に昇格した。
 29戦全勝(21KO)と綻びのないレコードを誇るチャーロは身長183センチ、リーチ187センチで、数字上はWBA王者の村田諒太(帝拳)とほぼ同じだ。その恵まれた体からスピードに乗った左ジャブを繰り出して牽制し、好機とみれば右ストレートに繋げる。さらに左フックやアッパーなど攻撃は多彩で、それらのパンチは破壊力がある。ただ、このところ2試合続けて判定勝ちに留まっており、強打は湿りがち傾向にある。比例して評価も停滞気味だ。存在感をアピールするためにも今回は豪快なKO防衛がノルマといえる。
 挑戦者のホーガンはアイルランド出身で、アマチュアで150戦以上(勝敗数は不明)を経験後の11年4月にオーストラリアでプロ転向を果たした。身長173センチ、リーチ174センチという体格ながらデビュー当初はライト・ヘビー級だった。その後、スーパー・ミドル級、ミドル級、さらにスーパー・ウェルター級と体重を下げ、15年12月と19年4月には世界戦のリングにも上がった。2度とも12回判定負けという結果に終わったが、直近のハイメ・ムンギア(メキシコ)戦では「ホーガンが勝っていたのではないか」という見方もあったほどだった。ムンギア戦後にミドル級への転向を決め、再起戦で大舞台に上がることになった。戦績は31戦28勝(7KO)2敗1分。戦績が示すようにパワーを売りにする選手ではなく、執拗に食い下がって相手の持ち味を封じながら競り勝つタイプといえる。「ハリケーン」というニックネームほどの迫力はないが、侮って暴風域に巻き込まれると厄介なことになる。
 体格、スピード、パンチ力、経験値で大きく勝るチャーロ有利は絶対的なものといえる。ホーガンが粘りを発揮したとしてもチャーロの牙城を崩すことは難しそうだ。王者が左ジャブで相手を弾いておいて右ストレートからパワフルで回転の速いコンビネーションで仕留めてしまう可能性が高い。

ミドル級トップ戦線の現状

WBA SC :サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBA    :村田諒太(帝拳)
WBA 暫定 :クリス・ユーバンク・ジュニア(イギリス)
WBC FC :サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBC    :ジャーマル・チャーロ(アメリカ)
IBF    :ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)
WBO    :デメトリアス・アンドレイド(アメリカ)

 長いことミドル級のトップメンバーだった元WBA、IBF王者のダニエル・ジェイコブス(32=アメリカ)と前WBO王者のビリー・ジョー・サンダース(30=イギリス)がスーパー・ミドル級に転向したが、それでもスター選手が揃って注目度の高いクラスといえる。主役はサウル・カネロ・アルバレス(29=メキシコ)だ。スーパー・ミドル級のWBA王座も保持しているアルバレスは1試合で40億円前後を稼ぐボクシング界の象徴的存在で、WBA王者の村田諒太(33=帝拳)やIBF王者のゲンナディ・ゴロフキン(37=カザフスタン)が対戦を熱望している。WBC王者のジャーマル・チャーロ(29=アメリカ)、WBO王者のデメトリアス・アンドレイド(31=アメリカ)も同様だ。
 こうしたなか強打が売りのゴロフキンはIBFが指名するカミル・シェルメタ(30=ポーランド)との義務防衛戦をこなすことになりそうだ。長身サウスポーの技巧派、アンドレイドはルーク・キーラー(32=アイルランド)とのV3戦が決まっている。ここは両王者がベルトを守りそうだ。
 王者級の力を持つセルゲイ・デレビャンチェンコ(34=ウクライナ)はジェイコブス、ゴロフキンと互角に近い戦いをしたが、ともに初回に喫したダウンが響いて戴冠を逃している。どの王座を狙うのか、今後の動きが気になる選手といえる。
 12年ロンドン五輪ミドル級決勝で村田に惜敗したエスキーバ・ファルカン(30=ブラジル)も25戦全勝(17KO)と元気だ。

18戦全勝のアダメスに戴冠の好機
テイシェイラはブラジル「5人目」を狙う

 WBO世界スーパー・ウェルター級王者のハイメ・ムンギア(メキシコ)がミドル級への転向を計画しているために設けられる暫定王座の決定戦。1位にランクされる18戦全勝(14KO)のカルロス・アダメス(25=ドミニカ共和国)と、2位に名前を連ねる31戦30勝(22KO)1敗のパトリック・テイシェイラ(28=ブラジル)。9対1でアダメス有利というオッズが出ているが、序盤から緊迫した戦いが見られそうだ。
 アダメスは13年世界選手権に出場するなどアマチュアで活躍後、15年7月にプロ転向を果たし、4年間で18個の白星を重ねてきた。
WBA中南米王座やNABA北米王座獲得のほか、元世界ランカーのアレハンドロ・バレラ(メキシコ)やフランク・ガラーザ(アメリカ)、パトリック・デイ(アメリカ)といった強豪を下して最上位に躍り出てきた。左右どちらの構えでも戦えるスイッチヒッターで、左右ともに強いパンチを持っている。若く勢いがあり、近い将来の中量級スター候補でもある。
 一方のテイシェイラは182センチの長身サウスポーで、アダメス(約78パーセント)には及ばないものの約71パーセントと高いKO率を誇る。比較的ゆったりした構えで足をつかいながら中長距離を保ち、左ストレートや左右フックで迎え撃つことが多い。ただ、16年5月にカーティス・スティーブンス(アメリカ)の右フックを浴びてダウン、2回TKO負けを喫しており、耐久力には課題を抱えている。初の挫折以後は4連勝しているもののKOは逃している。 勢いが止まったという見方ができる一方、長丁場の戦い方を身に着けたと考えることもできる。戴冠を果たせばエデル・ジョフレ(バンタム級、フェザー級)、ミゲール・デ・オリベイラ(スーパー・ウェルター級)、アセリノ・フレイタス(スーパー・フェザー級、ライト級)、バルデミール・ペレイラ(フェザー級)に次いでブラジル5人目の世界王者となるが、楽観的な予想は立てられない。
 アダメスが積極的に攻め、テイシェイラがカウンター・アタックを狙う展開になりそうだ。早い段階でアダメスの強打が命中すれば一気にフィニッシュという可能性もある。そうでなくてもアダメスが相手に深刻なダメージを与えれば、そのままポイントを引き離していくことが予想される。一方、テイシェイラはパンチを当てるのが巧いだけにアダメスにとっても気を抜けない展開が続く可能性もある。

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