井上尚弥との統一戦熱望する両王者
オッズは17対7でテテ有利

  • 2019/12/23

 井上尚弥(26=大橋)が第一支配者として君臨するバンタム級のWBO団体内統一戦。正王者のゾラニ・テテ(31=南アフリカ共和国)と暫定王者のジョンリエル・カシメロ(30=フィリピン)が井上との対戦権利をかけて拳を交える。175センチの長身サウスポーのテテがスピードとスキルで捌ききるのか、それとも163センチと小柄なファイター、カシメロの強打が炸裂するのか、興味深いカードだ。
 テテは18年10月に開幕した階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」のバンタム級に参戦し、初戦となる準々決勝ではミーシャ・アロイアン(ロシア)に12回判定勝ち。19年4月の準決勝ではノニト・ドネア(フィリピン)と対戦する予定だったが、直前に右肩を痛めて離脱。そのため1年以上の空白期間が生じ、これが戦線復帰戦となる。活動休止中にWBSS優勝を収めた井上に対しては強い対抗意識があるらしく、「私に勝たないことにはNO,1とはいえない」と強気なコメントを発している。
 テテは身長175センチとバンタム級にしては飛び抜けた長身で、しかもサウスポーとあって相手にとっては戦いにくいタイプといえる。31戦28勝(21KO)3敗の戦績が示すとおりパンチ力もある。17年11月のWBO王座初防衛戦では右フック一発で11秒KO勝ち、世界戦史上最短KO記録を樹立している。ただ、この記録がテテ本来の印象を歪めている感があるのも事実だ。もともとテテは足をつかいながら右ジャブを突いて距離をキープして戦うアウトボクシングをベースとしている。そのなかで左ストレート、右フック、近距離でのアッパーなど危険なパンチを繰り出すタイプといえる。
 対照的に暫定王者のカシメロはライト・フライ級を振り出しに徐々に階級を上げてきた選手で、すでに3階級制覇を成し遂げている。現在の暫定王座は、テテがWBSSに参戦したことでWBO王座の指名防衛戦を履行できないために設けられたもので、カシメロは19年4月の決定戦を制して戴冠。8月には初防衛にも成功している。これらの試合を含めスーパー・フライ級卒業後は4連続KO勝ちと絶好調だ。
 ただし、ここに至るまでは必ずしも順風満帆というわけではなかった。20歳のときにWBO暫定世界ライト・フライ級王者になったものの初防衛戦で王座陥落。次戦でIBFフライ級王者のモルティ・ムザラネ(南アフリカ共和国)に挑んだが、5回TKO負けを喫した。のちにライト・フライ級のIBF王座を獲得したが、4度目の防衛戦を前に体重オーバーのため計量で失格。これを機にフライ級に上げてアムナット・ルエンロエン(タイ)の持つIBF王座に挑んだが、「史上最低の世界戦」の烙印を押されるほどの拙戦のすえ判定負けを喫した。11ヵ月後の再戦では4回に2度のダウンを奪って逆転KO勝ち、雪辱と2階級制覇を果たしている。イギリスでの初防衛戦後、減量苦のため王座を返上してスーパー・フライ級からバンタム級に転向、現在に至る。
 カシメロは積極的に相手にアプローチしていくファイター型で、飛び込みながら左右のフック、アッパーなどを思い切り振りきる。中盤を過ぎるとペースが落ちる傾向はあるものの、その一方で世界戦では逆転を含めて6度も10回以降のKO勝ちをマークしている。勝負強さを兼ね備えた危険な選手といっていいだろう。
 17対7のオッズが出ているように体格で勝るテテ有利のカードであることは間違いない。右ジャブで距離を保ち、相手が飛び込んでくるところを左ストレートや右フック、アッパーで迎え撃てばポイントを積み上げていけそうだ。その一方、カシメロが懐に飛び込んでボディ、顔面に思い切ったパンチを当てるようなことがあれば波瀾の可能性は膨らむ。打たれ脆さのあるテテが突然崩れるシーンが訪れたとしても不思議ではない。

バンタム級トップ戦線の現状

WBA SC :井上尚弥(大橋)
WBC    :ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)
IBF    :井上尚弥(大橋)
WBO    :ゾラニ・テテ(南アフリカ共和国)
WBO 暫定 :ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)

 階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」で優勝したWBAスーパー王者、IBF王者 の井上尚弥(26=大橋)が不動のバンタム級ナンバー1といっていいだろう。決勝で敗れはしたものの“モンスター”を追い詰めた元5階級制覇王者のノニト・ドネア(37=フィリピン/アメリカ)が追撃グループの先頭に立っている。その差は小さくないが、経験値が高く強打を持つドネアとのリマッチを見てみたいというファンや関係者は多い。
 そのドネアが12月に発表されたWBCランキングで1位の指名挑戦者のポジションを得た。これでノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)への挑戦が約束されたわけだが、調整試合を挟まずにタイトル戦をするのかどうか。総合力ではドネアが勝るが、井上戦のダメージや次戦に向けてのモチベーションなどが気になる。
 こうした一方、WBO王者のゾラニ・テテ(31=南アフリカ共和国)と、暫定王者のジョンリエル・カシメロ(30=フィリピン)の団体内統一戦は、井上との対戦権争奪戦の意味合いがある一戦だ。
長身サウスポーのテテ、小柄なファイターのカシメロ、どちらが勝ち上がって最強王者との対戦をアピールするのか。
 ギジェルモ・リゴンドー(39=キューバ)も井上への挑戦を狙っているが、12月21日に予定されていたリボリオ・ソリス(37=ベネズエラ)とのWBAレギュラー王座決定戦が延期になったことで、その先の動きが見えなくなってきた。
 WBSS準決勝で井上に2回TKO負けを喫したエマヌエル・ロドリゲス(27=プエルトリコ)やIBF1位にランクされるサウスポーのパンチャー、マイケル・ダスマリナス(27=フィリピン)、WBO1位のジョシュア・グリーア(25=アメリカ)も有望株だが、“モンスター”との力量差は小さくない。

WBO欧州スーパー・ウェルター級王座決定戦
ハムザ・シェラーズ対ライアン・ケリー

 17年9月のプロデビューから9連勝(5KO)を収めている20歳のホープ、ハムザ・シェラーズ(イギリス)が、「RUTHLESS(無慈悲な男)」というニックネームを持つライアン・ケリー(25=イギリス)と空位のWBO欧州スーパー・ウェルター級王座を争う。
 シェラーズは185センチの長身からワンツー、ボディブローなどを打ち込んでくるボクサーファイター型で、瞬間的に左構えにスイッチすることもある。16戦14勝(7KO)2敗と上々の戦績を残しているケリーはバランスのとれた戦力を備えているが、どこまで相手の懐に潜り込めるか。

スーパー・ウェルター級12回戦
ミシェル・ソロ対セドリック・ビトゥ

 WBAスーパー・ウェルター級の“ゴールド王座”を持つミシェル・ソロ(32=コートジボアール/フランス)が、世界挑戦の経験を持つWBC26位、サウスポーのセドリック・ビトゥ(34=フランス)と拳を交える。スピードとパンチの切れで勝るソロが国内のライバルを圧倒しそうだ。2度の世界挑戦経験者のソロは37戦34勝(23KO)2敗1分。ブライアン・カスターニョ(アルゼンチン)に12回TKO負け後の再起第2戦となるビトゥは50戦47勝(19KO)3敗。オッズは7対1でソロ有利と出ている。

WBA世界クルーザー級タイトルマッチ
アーセン・グーラミリアン対ケイン・ワッツ
24戦全勝のスーパー王者の初防衛戦
37歳の挑戦者を圧倒か

 アーセン・グーラミリアン(32=フランス)は18年3月にWBAのクルーザー級暫定王座を獲得し、その後、ゴールド王者にスライドさせられ、さらにレギュラー王者(正王者)、そして19年8月31日付のランキングでスーパー王者への格上げされた。この間の実績はというと、ゴールド王者時代にマーク・フラナガン(オーストラリア)に9回TKO勝ちを収めているだけである。統括団体の都合に振り回されている印象は拭えない。今回のケイン・ワッツ(37=オーストラリア)戦は、そのフラナガン戦から13ヵ月ぶりの実戦となる。グーラミリアンは左ジャブや左フックで相手を下がらせておき、そこに捻じ込むような右ストレートや左フックを顔面、ボディに打ち分ける攻撃型の選手。戦績は24戦全勝(16KO)。
 WBA11位にランクされる挑戦者のワッツは24戦21勝(13KO)3敗の戦績を残しているが、世界レベルの強豪に勝った実績は皆無といえる。18年9月に約2年のブランク後に戦線復帰し、第2戦でWBAオセアニア王座を獲得したことで15傑入りしてきた。右フックや右アッパーに多少の意外性は感じられるものの、全勝の世界王者が相手となると厳しい試合を覚悟せねばなるまい。
 グーラミリアンが左でコントロールしながら右ストレートに繋げ、相手が守勢になったところで一気に仕留めにかかることが予想される。中盤までにヤマが訪れる可能性が高い。

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