「サソリ」の異名持つ王者のV6戦
挑戦者は31歳の元WBA王者

  • 2019/11/22

 戴冠試合と5度の防衛を合わせた世界戦6試合で全勝、そのうち三浦隆司(帝拳)とのV1戦を除く5試合でKO(TKO)勝ちを収めている高度安定王者のミゲール・ベルチェルト(27=メキシコ)が、元WBA王者で現WBC11位のジェイソン・ソーサ(31=アメリカ)の挑戦を受ける。ソーサの攻撃力と粘りを軽視することは危険だが、「アラクラン(サソリ)」というニックネームを持つ王者が大きなミスを犯さなければ王座をキープする可能性が高そうだ。
 ベルチェルトは9年前にプロデビューし、21連勝(18KO)を収めてWBO3位、WBC5位にランクされるなど出世は早かった。しかし14年3月、ルイス・エドゥアルド・フローレス(コロンビア)との試合で左フックを浴びてダウン、わずか99秒でTKO負けを喫した。この挫折を味わったのが22歳のときで、以後は15連勝(14KO)と勢いを増し、比例して実力も大幅アップしている。通算戦績は37戦36勝(32KO)1敗。KO率は86パーセントを超える。3ラウンド以内のKO勝ちが20度ある一方、戴冠試合となったフランシスコ・バルガス(34=メキシコ)戦は11回TKO勝ち、三浦戦は12回をフルに戦いきるなど巧みなペース配分とスタミナも証明している。28歳を目前に控え充実期にあるといっていいだろう。
 挑戦者のソーサは09年11月のプロデビューから10年、30戦23勝(16KO)3敗4分の戦績を残している。最初の8戦は4勝(1KO)1敗3分と勝率は5割だったが、以後の22戦19勝(15KO)2敗1分という戦績を残している。勝てなかった試合はニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)、ユリオルキス・ガンボア(37=キューバ)戦で、3人とも世界王者経験者だ。WBA王座は16年6月、中国の北京でハビエル・フォルトゥナ(30=ドミニカ共和国)に11回TKO勝ちを収めて手に入れた。10回を終わった時点では採点で劣勢だったが、打ち合いのなかで左フックをヒットして無敗だったサウスポーの王者からダウンを奪いレフェリー・ストップに持ち込んだ。初防衛にも成功したあと王座を返上してWBO王者のロマチェンコと拳を交えたが、「ハイテク」の前にパンチは空転し続け、9回終了時点で棄権した。次戦でガンボアに10回判定負けを喫したが、その後は3連勝(1KO)とマークしている。
 ともに攻撃力には定評があるが、右ストレートや左フック、さらに左ボディブローなどパワーではバルチェルトが勝る。三浦戦でみせたように足をつかいながら左ジャブを多用するボクシングができるのも王者の強みだ。ソーサは低い姿勢から体を振って接近戦を仕掛けるものと思われる。左フックやアッパーなど危険なパンチもあるが、これらは自身が被弾して「サソリ」の毒が効いてしまう前に当てたいところだ。

スーパー・フェザー級トップ戦線の現状

WBA    :アンドリュー・カンシオ(アメリカ)
WBC    :ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)
IBF    :テビン・ファーマー(アメリカ)
WBO    :ジャメル・ヘリング(アメリカ)

 WBAのスーパー王者だったジャーボンテイ・デービス(25=アメリカ)がライト級に転向したため、4団体に世界王者が各ひとりという当たり前の状態に戻った。このあと統一に向かってくれればベストといえるのだが、11月23日にはWBAスーパー王座決定戦(レオ・サンタ・クルス対ミゲール・フローレス)が組まれている。
 WBA王者のアンドリュー・カンシオ(31=アメリカ)が27戦21勝(16KO)4敗2分、WBC王者のミゲール・ベルチェルト(27=メキシコ)は37戦36勝(32KO)1敗、IBF王者のテビン・ファーマー(29=アメリカ)は36戦30勝(6KO)4敗1分1無効試合、伊藤雅雪(28=横浜光)からWBO王座を奪ったジャメル・ヘリング(34=アメリカ)は23戦21勝(10KO)2敗と、4王者ともKO負けを含めてプロで挫折の経験を持っている。それを乗り越えて現在の地位にいるわけだ。
 このなかで実績と総合力ではベルチェルトが一歩抜きん出ているものと思われる。WBA王者のカンシオは指名挑戦者のレネ・アルバラード(30=ニカラグア)とのV2戦が控えている。両者は4年前に対戦してカンシオが8回KO勝ちを収めており、返り討ちの可能性が高いものと思われる。
 IBF王者のファーマー、WBO王者のヘリングはともに技巧派のサウスポーで、ファーマーは昨年8月の戴冠後、すでに4度の防衛を果たしている。
 サンタ・クルスとともに、フェザー級のWBO王座を返上したオスカル・バルデス(28=メキシコ)がこの階級に転向してきた。まずは転級初戦となるWBC5位のアンドレ・グティエレス(26=メキシコ)戦の内容と結果に注目したい。前WBO王者の伊藤、IBF最上位の3位、WBA6位、WBO11位につける尾川堅一(31=帝拳)、日本王者でWBO4位の末吉大(29=帝拳)の動向にも要注目だ。

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