スコットランドの竜巻 vs ニューオーリンズ出身の狼男
オッズは11対8でプログレイス有利

  • 2019/11/08

 15戦全勝(12KO)のレコードを誇るIBF世界スーパー・ライト級王者のジョシュ・テイラー(28=イギリス)と、24戦全勝(20KO)と高いKO率(83パーセント)を残しているWBA同級スーパー王者のレジス・プログレイス(30=アメリカ)が王座統一戦で拳を交える。この試合は階級最強を決める賞金トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」の決勝でもある。さらなる栄光を手にするのは?
 「タータン・トルネード(スコットランドの竜巻)」のニックネームを持つテイラーはスコットランドのエディンバラ出身で、アマチュア時代には自国開催の12年ロンドン五輪に出場している。このときはライト級2回戦で敗退したが、その前年に行われたテスト大会ではジャメル・ヘリング(34=アメリカ)、ジェフ・ホーン(31=オーストラリア)、アンソニー・イギット(28=スウェーデン)を連破して優勝している。このほか11年と13年の世界選手権にも出場した実績がある。
 元世界王者のバリー・マクギガン、その父親のシェーン・マクギガンとマネージメント&トレーナー契約を交わして2015年7月にプロに転向を果たした。翌16年に英連邦王座を獲得すると17年には世界ランカーのオハラ・デービース(27=イギリス)を7回TKO、元世界王者のミゲール・バスケス(32=メキシコ)を9回KOで撃破。さらに昨年6月には元世界王者のビクトル・ポストル(35=ウクライナ)からダウンを奪って大差の判定勝ちを収め、WBCの指名挑戦権を手にした。そのあとで参戦したWBSSでは準々決勝でライアン・マーティン(26=アメリカ)を7回TKOで下し、今年5月の準決勝ではIBF王者のイバン・バランチク(26=ロシア/ベラルーシ)に12回判定勝ち、15戦目で戴冠を果たした。ちなみに対戦当時、マーティンは22戦全勝(12KO)、バランチクは19戦全勝(12KO)。テイラーは3試合続けて全勝の相手と対決することになる。
 「ROUGAROU(狼男)」と呼ばれるプログレイスは17歳のときにボクシングを始め、23歳でプロ転向を果たすまで6年間に94戦87勝7敗の好戦績を残した。テイラーのような輝かしいアマ実績はなく、11年全米選手権が目立つ程度だ。ウェルター級で12年ロンドン五輪を目指したが、予選で敗退している。
 テイラーよりも3年早い12年4月にプロデビューし、15年ごろまではスーパー・ライト級からスーパー・ウェルター級の間を行ったり来たりしながらキャリアを積んだ。16年にNABF北米スーパー・ライト級王座を獲得するなどして世界15傑入りを果たし、勢いを維持したまま18年3月には元王者ジュリアス・インドンゴ(36=ナミビア)を2回TKOに屠ってWBC暫定世界スーパー・ライト級王座を獲得。4ヵ月後にはファン・ホセ・ベラスコ(32=アルゼンチン)に8回TKO勝ちしたことでWBCから“ダイヤモンド王者”の承認を受けた。このあとでWBSSにエントリーし、昨年10月の準々決勝で元王者のテリー・フラナガン(30=イギリス)に大差の12回判定勝ち。今年4月の準決勝ではWBA王者のキリル・レリク(29=ベラルーシ)に6回TKO勝ちを収め、戴冠と同時に今回の決勝進出を決めている。その後、決勝戦の日程が決まらないことに痺れを切らし、いったんはWBSS離脱を公表したが、のちに主催者側と和解している。
 サウスポー同士のカードだが、プログレイスが身長173センチ、リーチ170センチとこの階級では小柄なのに対し、テイラーは178センチ/177センチと体格で上回っている。加えてテイラーにはロンドン開催という地の利もあるが、オッズは11対8でプログレイス有利と出ている。それほどWBAスーパー王者の地力が高く評価されているということだ。
 ともに幅広いボクシングができるが、早い段階で主導権を握っておきたいという思いは共通したものといえよう。体格で勝るテイラーは右ジャブから左ストレート、さらにボディへのパンチでペース掌握を狙うものと思われる。距離を潰したいプログレイスは上体を柔軟につかいながら踏み込み、左ストレートや左右のフックを顔面とボディに打ち分けたいところだ。どちらが先にプレッシャーをかけるかたちに持ち込むのか。接戦になる可能性が高いため、前半のペース争いだけでなく中盤、終盤の駆け引きにも要注目だ。

<バーチャル> スーパー・ライト級トップ戦線

WBA SC :レジス・プログレイス(アメリカ)
WBA    :マリオ・バリオス(アメリカ)
WBA 暫定 :アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)
WBC    :ホセ・ラミレス(アメリカ)
IBF    :ジョシュ・テイラー(イギリス)
WBO    :ホセ・ラミレス(アメリカ)

 昨年10月に「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」が開幕したことで、王座統一の機運が盛り上がっている。 今回、WBSS決勝でWBAスーパー王者のレジス・プログレイス(30=アメリカ)とIBF王者のジョシュ・テイラー(28=イギリス)が対戦。ここで2団体の王座がひとつにまとまる。これより前、すでにWBC王者のホセ・ラミレス(27=アメリカ)とWBOだったモーリス・フッカー(30=アメリカ)が対戦しており、6回TKO勝ちを収めたラミレスが2団体王者になっている。この流れで一気に4団体統一まで行ってほしいところだ。
 WBAのレギュラー王者、マリオ・バリオス(24=アメリカ)はスキルも備えた長身の強打者だが、戴冠試合となったバティル・アフメドフ(28=ウズベキスタン/ロシア)戦の出来が悪かったため評価は先送りとなっている。
 無冠組ではWBC2位にランクされ指名挑戦権を持つビクトル・ポストル(35=ウクライナ)の巻き返しに注目したい。このほか元2階級制覇王者のホセ・ペドラサ(30=プエルトリコ)に勝ったホセ・セペダ(30=アメリカ)、下のクラスから参入してきた長身サウスポーの元王者、ロバート・イースター(28=アメリカ)らも力がある。

WBSS スーパー・ライト級トーナメント表

実力派トラブルメーカー vs 元五輪銅メダリスト
KO決着濃厚のイギリス・ダービー

 ビタリ&ウラディミールのクリチコ兄弟(ウクライナ)やアレクサンデル・ポベトキン(40=ロシア)、デビッド・ヘイ(イギリス)、タイソン・フューリー(31=イギリス)らの活躍によって、この20年ほどヨーロッパ圏のヘビー級は活況を呈してきた。現在もフューリーやポベトキンをはじめWBC1位のディリアン・ホワイト(31=ジャマイカ/イギリス)、IBF1位のクブラト・プーレフ(38=ブルガリア)、下の階級から上げてきた元クルーザー級4団体王者のオレクサンデル・ウシク(32=ウクライナ)など力のある個性派が揃っている。
 今回、拳を交えることになったディレック・チゾラ(35=ジンバブウェ/イギリス)とデビッド・プライス(36=イギリス)も、いまのところ主役の座には手が届いていないが、貴重な脇役として存在感を示している。
 12年のプロキャリアで40戦31勝(22KO)9敗の戦績を残しているチゾラは身長187センチ、リーチ188センチと現在のヘビー級トップ戦線では小柄な部類に入るが、闘志を前面出した好戦的な戦い方で知られる。7年前にはビタリ・クリチコの持つWBC王座に挑み、敗れはしたものの判定まで粘ったこともある。そのエネルギーはリングの外でも発揮されることがあり、トラブルメーカーとしての一面もある。現在はWBCで9位にランクされている。
 プライスは身長203センチ、リーチ208センチの大型選手で、アマチュア時代には08年北京五輪スーパー・ヘビー級で銅メダルを獲得した実績を持っている。プロ転向後にはルーキー時代のアンソニー・ジョシュア(30=イギリス)をスパーリングでKOしたこともあると伝えられる。そのパンチ力はポベトキンからもダウンを奪ったほどだが、自身は耐久面に課題を抱えている。戦績は31戦25勝(20KO)6敗。敗北はすべてKO(TKO)によるものだ。勝つときも負けるときもKO決着という分かりやすい選手といえる。現在はWBA8位に名を連ねている。
 距離を詰めたいチゾラが仕掛け、プライスが迎え撃つ展開が予想される。飛び込んで放つチゾラの左右フックが先に当たるか、それとも2階から打ち下ろすようなプライスの右が先に命中するか。最重級らしいスリリングな試合になりそうだ。オッズは3対1でチゾラ有利と出ている。

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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