元3団体王者の“再起”第2戦
相手は21戦無敗のサウスポー

  • 2019/09/27

 昨年12月、WBC世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(33=アメリカ)に挑戦して12回引き分け、戴冠を果たせなかったタイソン・フューリー(31=イギリス)の“再起”第2戦。現在、WBCとWBOで2位、IBFで6位にランクされている29戦28勝(20KO)1分のフューリーに対し、WBA4位、IBF11位のオット・ワリン(28=スウェーデン)は格下ということになるが、21戦20勝(13KO)1無効試合と無敗をキープしているだけに侮れない。
 身長206センチ、リーチ216センチのフューリーは大型化が目立つヘビー級のなかでも超がつく巨漢選手といえる。ワイルダー戦時の体重は116キロ超、今年6月のトム・シュワルツ(25=ドイツ)戦時の計量では119.5キロを計測している。早産だったため生まれたときの体重が450グラムほどの超未熟児だったとは思えないほど大きく成長したものだ。さらに、リングの中ではその巨体を器用に操りながら構えを左右に変えながらスピードを生かしたボクシングをするのだから驚きだ。ワイルダーの右ストレートのように強烈な一撃を持っているわけではないが、長い距離からの右ジャブやタイミングのいい左ストレートなどは独特のものといえる。さらに12ラウンドを4度もフルに戦いきるなどスタミナもある。耐久力そのものは平均の域を出ないが、ワイルダー戦では2度のダウンを喫しながら立ち上がって反撃したように回復力も驚異的といえる。
 ワイルダー戦後、フューリーはアメリカの大手プロモート会社トップランク社と契約を交わしており、これが第2戦となる。今回のワリン戦を問題なくクリアすれば来年2月にワイルダーとの再戦プランが具体化しているだけに、前哨戦としての意味がある。
 今回の試合が決まったとき、「オット・ワリンって誰だ?」という声が多かったはずだ。それも当然で、北欧スウェーデン生まれのワリンはデンマークやドイツ、ブルガリア、ラトビアなどを転戦してきた無名に近い選手なのだから。今年4月、ワリンは初めてアメリカのリングに上がったが、偶然のバッティングで相手が負傷、わずか3分で無効試合に終わっている。その試合を含め過去の21戦のなかには世界的強豪との対戦は見たらない。17年4月に空位のWBAコンチネンタル王座を獲得し、昨年4月にEBU欧州連合王座についた実績が目立つ程度である。
 フューリーと比較すると小さく感じてしまうが、身長197センチ、リーチ198センチのワリンも比較的大柄なヘビー級といえる。フューリーと異なり、戦い方はシンプルだ。サウスポーから右ジャブで牽制し、左ストレートを狙う。左ストレートに強いこだわりがあるのかと思うほど左に頼ったボクシングをする。ちなみに現在はスーパー・フェザー級とライト級で世界王者になった実績を持つジョーイ・ガマチェ・トレーナー(アメリカ)とコンビを組んでいる。
 体格や実績、経験値に加えボクシングの幅という点でもフューリーに大きなアドバンテージがあるカードといえる。左右どちらの構えで戦うのかという点にかかわらず、フューリーがスキルでワリンを圧倒するだろうというのが常識的な見方であろう。歯車が噛み合えば前戦のシュワルツ戦のように2回で試合が終わっても不思議はなさそうだ。波瀾があるとしたら序盤にワリンの左ストレートがフューリーのアゴを射抜いたときだろう。

ヘビー級トップ戦線の現状

WBA SC :アンディ・ルイス(アメリカ)
WBA    :マヌエル・チャー(シリア/ドイツ)
WBA 暫定 :トレバー・ブライアン(アメリカ)
WBC    :デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)
IBF    :アンディ・ルイス(アメリカ)
WBO    :アンディ・ルイス(アメリカ)

 3年ほどデオンテイ・ワイルダー(33=アメリカ)とアンソニー・ジョシュア(29=イギリス)の並走時代が続いたが、頂上決戦の機運が高まってきた矢先の今年6月、ジョシュアが伏兵アンディ・ルイス(30=アメリカ)に7回TKO負けを喫したため、いったん夢のカードはおあずけとなった。ジョシュアは12月にルイスとの再戦が決まっており、ここで派手な奪還劇を見せてワイルダー戦に望みを繋ぎたいところだ。
 ただし、そのワイルダーも11月に元WBA暫定王者のルイス・オルティス(40=キューバ)とのV10戦が予定されており、これを乗り切らなければならない。オルティスとは昨年3月のV7戦で対戦して10回TKO勝ちを収めているワイルダーだが、一時はダウン寸前の窮地に追い込まれるなど厳しい戦いだった。ルイスは再起後3連勝を収めており、今度もワイルダーにとって難しい試合になる可能性もある。加えてワイルダーは来年2月にタイソン・フューリー(31=イギリス)との試合が計画されており、これらをクリアすることがジョシュア戦実現の大前提となる。
 つまづいたジョシュアに代わってワイルダーと肩を並べる評価を得ているのが元3団体統一王者のフューリーだ。ワイルダー戦では優勢に戦いながらKOに匹敵するほどの痛烈なダウンを喫したフューリーだが、立ち上がって反撃。驚異的な回復力をみせて喝采を浴びたものだ。6月の“再起戦”では世界ランカーのトム・シュワルツ(25=ドイツ)を2回TKOで一蹴して実力差を見せつけている。今回のオット・ワリン(28=スウェーデン)戦でも圧勝するようだとワイルダーとの再戦がいよいよ楽しみになってくる。
 このほか、一時はWBCの暫定王座を獲得しながらドーピング違反が発覚したため保留状態になっているディリアン・ホワイト(31=ジャマイカ/イギリス)、最重量級に転向してきた元クルーザー級4団体統一王者のオレクサンダー・ウシク(32=ウクライナ)に注目したい。さらに強豪を連破して勢いづくアダム・コウナツキ(30=ポーランド)、大ベテランとなった元WBA王者のアレクサンデル・ポベトキン(40=ロシア)、アンディ・ルイスに競り勝った実績を持つ元WBO王者のジョセフ・パーカー(27=ニュージーランド)らも力がある。
 新勢力としてはエファ・アジャバ(25=ナイジェリア)、ダニエル・ドゥボア(22=イギリス)、16年リオデジャネイロ五輪金のトニー・ヨカ(27=フランス)、同五輪銀のジョー・ジョイス(34=イギリス)らに注目したい。

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