25戦全勝のスペンスに死角なし?
長丁場の乱戦に持ち込みたいポーター

  • 2019/09/20

 プロデビューから25戦全勝(21KO)の快進撃を続けるIBF世界ウェルター級王者のエロール・スペンス(29=アメリカ)と、2度の戴冠を果たしている攻撃型のWBC王者、ショーン・ポーター(31=アメリカ)が互いのベルトをかけて対戦する。万能型サウスポーのスペンス有利の声が多いなか、長丁場の経験が豊富なポーターは乱戦に持ち込んで勝機を広げたい。かつてフロイド・メイウェザー(アメリカ)のスパーリング相手を務めた経験を持つスペンスと、10年前にマニー・パッキャオ(フィリピン=現WBA世界ウェルター級スーパー王者)のスパーリング・パートナーだったポーター。“代理対決”としても興味深いものがある。

圧倒的な強さを見せつけているスペンス

 2012年ロンドン五輪ウェルター級ベスト8入りのほか全米大会で何度も優勝するなど、アマチュアで輝かしい実績を残したスペンスは7年前にプロに転向。最初の2年間は慎重なマッチメークが施されたが、2015年からは強豪との対戦が増え、それらをすべて圧倒的な内容でクリアしてきた。2年前には相手国に乗り込んでケル・ブルック(33=イギリス)に11回KO勝ちを収めてIBF世界ウェルター級王座を獲得。初防衛戦では元2階級制覇王者のレイモント・ピーターソン(アメリカ)からダウンを奪ったすえ7回終了時点で棄権に追い込み、V2戦では22戦全勝の指名挑戦者、カルロス・オカンポ(23=メキシコ)を180秒で一蹴した。今年3月には5階級制覇を狙ったマイキー・ガルシア(31=アメリカ)と拳を交えたが、挑戦者に1ポイントも与えずに完封(120対108×2、120対107)した。いまやスペンスは階級を超えたボクサーの総合的な評価指標ともいえるパウンド・フォー・パウンド(PFP)で「リング誌」で6位、ESPN.comで5位、専門サイトBOXINGSCENE.comで6位にランクされているほどだ。バンタム級のWBA&IBF王者、井上尚弥(26=大橋)がそれぞれ4位、4位、2位だから、日本が誇る「モンスター」に匹敵する評価を受けている選手といっていい。
 スペンスは身長177センチ、リーチ183センチと恵まれた体格のサウスポーで、脇を固めた構えからじわじわとプレッシャーをかけ、スピードとパワーのある左右を叩き込んで倒してしまうことが多い。近距離ではコンパクトなアッパー系のパンチもある。上下の打ち分けも巧みだ。井上がそうであるようにスペンスも圧倒的な勝利を重ねてきており、現時点では死角らしいものが見当たらない。

接戦をものにしてきたポーター

 WBC王者のポーターもアマチュア時代に全米ゴールデングローブ大会で優勝する活躍したが、こちらはミドル級(-75キロ)が主戦場だった。2008年10月のプロデビュー戦こそスーパー・ミドル級の体重だったポーターだが、2年目にはスーパー・ウェルター級に落とし、2010年からはウェルター級に落ち着いた。2013年12月にサウスポーのデボン・アレキサンダー(32=アメリカ)を攻略してIBF世界ウェルター級王座を獲得し、初防衛戦では技巧派の元2階級制覇王者、ポール・マリナッジ(アメリカ)を4回で仕留めた。しかし、2度目の防衛戦でケル・ブルックに判定で敗れ、ベルトを失った。ちなみに、この王座を引き継いでいるのがスペンスである。ものすごい勢いでスペンスが台頭してきたころ、ポーターは友人でもあるキース・サーマン(30=アメリカ)の持つWBA王座に挑んで惜敗するなどトップ戦線から脱落しかけたこともあった。しかし、アンドレ・ベルト(アメリカ)との元王者対決を制すると昨年9月のWBC王座決定戦でダニー・ガルシア(31=アメリカ)を判定で下して2度目の戴冠を果たした。今年3月には指名挑戦者のヨルデニス・ウガス(33=キューバ)に競り勝って初防衛に成功している。厳しい試合が続いてはいるが、これらを潜り抜けたことで勝負強さを身につけたといえるかもしれない。
 ポーターはウェルター級にしては身長170センチと小柄だが、全身がエネルギーの塊のような選手だ。常に相手に圧力をかけて飛び込む機会をうかがい、振りの大きめの左右フックで襲い掛かる。そのボクシングを支えているのが旺盛なスタミナだ。10ラウンド以上をフルに戦いきったことが14度もある。この点では、10ラウンドを超えた試合が3度だけというスペンスよりも優位性があるといえそうだ。

中盤までにスペンスの強打が炸裂か

 どの距離でも戦えるサウスポーのスペンスがどっしりと構え、距離を潰して戦いたい小柄なポーターが揺さぶりをかけながら飛び込むチャンスをうかがうことになりそうだ。ポーターは前戦で懐深く構えるウガスの前になかなか攻め手を見つけられずに苦戦しており、スペンス相手にそう簡単に接近できるとは思えない。距離やタイミングをつかめないまま戸惑っているようだと中盤までにIBF王者の左ストレート、右フック、左右のアッパーの餌食になる危険性がある。7対1というオッズが出ているように、スペンス有利は揺るぎないものといえる。ポーターは前半でかき回して乱戦に持ち込み、中盤を我慢して終盤に勝負をかけたいところだが……。

TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較

  • 名前

    スペンス

    ポーター

  • 生年月日/年齢

    1990年1月13日/29歳

    1987年10月27日/31歳

  • 出身地

    米国ニューヨーク州ロングアイランド

    米国オハイオ州アクロン

  • アマチュア実績

    12年ロンドン五輪ウェルター級8強

    08年北京五輪米国予選M級3位

  • プロデビュー

    12年11月

    08年10月

  • 獲得王座

    IBFウェルター級

    IBFウェルター級
    WBCウェルター級

  • 世界戦の戦績

    4戦全勝(3KO)

    6戦4勝(1KO)2敗

  • 通算戦績

    25戦全勝(21KO)

    33戦30勝(17KO)2敗1分

  • KO率

    84%

    52%

  • 身長/リーチ

    177センチ/183センチ

    170センチ/177センチ

  • 戦闘タイプ

    左ボクサーファイター型

    右ファイター型

  • トレーナー

    デリック・ジェームス

    ケニー・ポーター(父親)

  • ニックネーム

    「ザ・トゥルース(本物)」

    「ショータイム」

ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :マニー・パッキャオ(フィリピン)
WBC    :ショーン・ポーター(アメリカ)
IBF    :エロール・スペンス(アメリカ)
WBO    :テレンス・クロフォード(アメリカ)

 スター選手が揃う激戦階級だ。現時点で最も評価が高いのはWBO王者のテレンス・クロフォード(31=アメリカ)で、次いでIBF王者のエロール・スペンス(29=アメリカ)、そしてWBAスーパー王者のマニー・パッキャオ(40=フィリピン)という順になりそうだ。知名度と実績面では6階級制覇のパッキャオが群を抜いているが、やはり40歳という年齢は気になるところといえる。それでも昨夏からルーカス・マティセ(アルゼンチン)、エイドリアン・ブローナー(30=アメリカ)、キース・サーマン(30=アメリカ)を連破しているのだから驚きだ。
 今年に入って統一の機運が盛り上がっているなか、まずはパッキャオがサーマンに勝ってWBA内の王座をひとつにまとめた。今回のスペンス対ショーン・ポーター(31=アメリカ)は統一戦第2ラウンドと位置づけることができる。多くのファンや関係者はクロフォード対スペンスが最終頂上決戦と見ているようだが、はたしてそこまで辿り着くかどうか。両雄の今後の動向とビジネス面の動きを合わせて注目していきたい。
 こうしたベルト保持者たちに、元WBC王者のダニー・ガルシア(31=アメリカ)やサーマン、さらにIBF1位のクドラティーロ・アブドカホロフ(26=ウズベキスタン)やWBO1位のエギディウス・カバラウスカス(31=リトアニア)がどう絡んでいくのか。そのあたりにも注目していく必要があるだろう。現にカバラウスカスは12月にもクロフォードに挑戦するプランが浮上している。

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2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの