1回無効試合から69日
井岡一翔への挑戦切符を賭け直接再戦

  • 2019/08/30

 WBO世界スーパー・フライ級2位の江藤光喜(31=白井・具志堅)と、WBO3位にランクされるジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)が、同級王者の井岡一翔(30=Reason大貴)への指名挑戦権をかけて再び対戦する。63パーセントのKO率を誇る江藤の右ストレートが炸裂するのか、それとも2度のオリンピック出場実績を持つシントロンがテクニックで凌駕するのか。因縁の再戦の舞台は69日前の初戦と同じアメリカのフロリダ州キシミーのオセオラ・ヘリテイジ・センターだ。
 江藤とシントロンは今年5月、伊藤雅雪(28=横浜光)対ジャメル・ヘリング(33=アメリカ)のWBO世界スーパー・フェザー級タイトルマッチの前座カードとして行われた。試合は初回終盤、江藤の右が相手の顔面をとらえたように見え、サウスポーのシントロンが背中からキャンバスに落ちるダウンを喫した。甚大なダメージがあったらしくシントロンは立とうと努力したが足をいうことをきかず、リング上を遊泳した。まるで生まれたばかりの子牛が立ちかけては倒れるシーンを見ているようだった。これを見たレフェリーが試合をストップし、いったんは江藤の勝利がコールされた。江藤は空位になっていたWBOインターナショナル王座を獲得するとともに世界王座への挑戦権も獲得したはずだった。
 しかし、直後にシントロン陣営が「ダウンはバッティングによるものだ」と抗議。これを受け関係者らが映像でチェックしたところパンチよりも先に江藤の頭が当たっていたことが確認され、ノーコンテスト(無効試合)に結果が変更された。これが初戦の経緯である。ちなみに、この25日後、空位になっていたWBO王座は井岡一翔が獲得している。こうしたなかWBOは江藤陣営とシントロン陣営に再戦を命じ、今回の試合が実現する運びとなった。
 江藤は174センチの長身から繰り出す右ストレートを主武器とするパンチャーで、30戦24勝(19KO)4敗1分1無効試合という戦績を残している。日本ボクシングコミッション非公認ながら相手国のタイでWBA暫定世界フライ級王座を獲得したこともあり、また敗れはしたものの15年にはカルロス・クアドラス(帝拳)の持つWBC世界スーパー・フライ級王座に挑んだこともある(12回判定負け)。タイ(3戦)のほかメキシコのリングに上がったこともあり、シントロンとの初戦ではアメリカのリングも経験済みだ。
 対するシントロンはアマチュア時代、17歳で出場した12年ロンドン五輪でフライ級ベスト8入りを果たし、4年後のリオデジャネイロ五輪にも出場した(フライ級1回戦敗退)実績を持っている。プロ転向は17年4月で、先の江藤戦まで2年間に10連勝(5KO)を収めていた。このなかにはWBOユース王座やWBO中南米王座を獲得、防衛した試合が含まれてはいるものの、お膝元でもあるWBOの庇護下にいる印象も拭えないものがある。江藤との初戦ではバッティングとはいえ“打たれ脆さ”も露呈している。リング上を宇宙遊泳しているような弱々しい姿をさらしてから2ヵ月。そのイメージをも払拭できるか。
 体格とパンチ力で勝る江藤がプレッシャーをかけ、サウスポーのシントロンが距離とタイミングを外しながら折々で迎え撃つ展開が予想される。右ストレートという切り札を持つ江藤だが、その大砲に頼りきらず、しっかりと左ジャブで試合をつくりにいきたい。KO狙いだけでなく、ポイントも取れるボクシングを心がけたいところだ。

スーパー・フライ級トップ戦線の現状

WBA    :カリド・ヤファイ(イギリス)
WBC    :ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
IBF    :ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
WBO    :井岡一翔(Reason大貴)

 2016年9月に戴冠を果たしてから3年、7度の防衛を果たしているIBF王者のジェルウィン・アンカハス(27=フィリピン)が実績ではトップを行く。4連続KO防衛後に少し精彩を欠いたが、今年5月に船井龍一(ワタナベ)を6回TKOで退け勢いを取り戻した印象だ。そのアンカハスと肩を並べる実力者がWBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(29=メキシコ)だ。フライ級時代にはWBAとWBO王座を5度防衛した実績を持ち、今年4月にシーサケット・ソールンビサイ(32=タイ)を下して2階級制覇を成し遂げた万能型のエストラーダは世界的にも高い評価を受けている。
 今年6月にWBO王座を獲得して4階級制覇を達成した井岡一翔(30=Reason大貴)もアンカハス、エストラーダに勝るとも劣らない実績と力を持っている。WBOから江藤光喜(31=白井・具志堅)対ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)の勝者との防衛戦が義務づけられているが、井岡自身は他団体王者との統一戦を望んでいる。
 WBA王者のカリド・ヤファイ(30=イギリス)は16年12月の戴冠後、すでに5度の防衛を果たしている。直近の3試合は自国を離れて戦って問題なく勝っているが、強烈なインパクトを残すまでには至っていない。
 この階級はランカー陣も豪華だ。エストラーダに王座を奪われたシーサケット、そのシーサケットの前の王者で4階級制覇の実績を持つローマン・ゴンサレス(32=ニカラグア)、さらに同じく4階級制覇を達成しているドニー・ニエテス(37=フィリピン)が控えているのだ。WBA12位、WBC13位、WBO7位にランクされている八重樫東(36=大橋)もこのクラスで戴冠を果たせば4階級制覇となる。現役の4王者の平均年齢が29歳なのに対し、上記の元4王者の平均年齢が34.25歳と高い点は気になるところだが、時計の針が反対周りをしても驚きには値しないだろう。

18戦全勝 vs 13戦全勝
体格差を生かして戦いたい中谷

 IBF世界ライト級王者、リチャード・コミー(32=ガーナ)への指名挑戦権をかけて、3位の中谷正義(30=井岡)と4位のテオフィモ・ロペス(21=アメリカ)が拳を交える。東洋太平洋王座を5年間に11度防衛した中谷は、衝撃的なKOを連発している若武者ロペスの進撃を止めることができるか。
 中谷はアマチュアで30戦25勝(7KO)5敗の戦績を残し、11年6月にプロデビューした。2年後の13年7月、のちに日本王者になる土屋修平(角海老宝石)に3回KO勝ちを収めて全国区の注目を集めるようになり、次戦で加藤善孝(角海老宝石)を破って東洋太平洋ライト級王座を獲得した。以後は当然のことだがアジア圏の選手を相手に防衛戦をこなし、その数は5年間に11度となった。
ライト級では182センチという長身の中谷は右のボクサーファイター型で、懐深く構えながら左ジャブで探りを入れ、威力のある右ストレートに繋げるパターンを持っている。左フックの上下打ち分けも巧みだが、切り札は右ストレートだ。これまで18戦全勝(12KO)という申し分ない戦績を残しているが、国外での試合は今回が初めてとなる。
 対するロペスはアマチュア時代に15年全米ゴールデングローブ大会で優勝したほか、翌16年には両親の出身国であるホンジュラスの代表としてリオデジャネイロ五輪にも出場した実績を持っている(ライト級1回戦敗退)。トップランク社と契約を交わして16年11月にプロに転向し、ここまで13戦全勝(11KO)をマークしている。特に直近の4戦では、元世界ランカーのウィリアム・シウバ(ブラジル)を6回TKO、元世界ランカーのメイソン・メナード(アメリカ)を1回KO、世界挑戦経験者のディエゴ・マグダレノ(アメリカ)を7回KO、そして今年4月には同じく世界挑戦経験者のエディス・タトリ(コソボ/フィンランド)を5回KOで斬って落としている。倒し方が衝撃的なこともあり、注目度と期待値は急上昇を続けている。
 身長で9センチ、リーチで6センチ勝る中谷は正面に立ってロペスとパワー比べをする愚は避けたい。体格のアドバンテージを生かして距離を保ちながら戦う方がベターであろう。下がりながらのアウトボクシングは相手を呼び込む可能性があるため、先手をとって左ジャブを突き、打ち下ろしの右ストレートに繋げながら突き放していきたいところだ。ロペスは最長でも7ラウンドまでしか戦った経験がないため、中谷は攻撃的なアウトボクシングをしながら長丁場の戦いに持ち込みたい。逆にロペスを簡単に懐に入れてしまうようだと前半から厳しい戦いを覚悟せねばなるまい。

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