ガーナ出身のスラッガー vs 38歳の元王者
勢いのあるコミーがベテランを圧倒か

  • 2019/08/09

 135ポンド(約61.2キロ)を体重リミットとするライト級は現在、 WBA王座とWBO王座を持つワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が主役の座にいるが、IBF王者のリチャード・コミー(32=ガーナ)との統一戦を期待する関係者やファンは少なくない。「この男ならロマチェンコに勝てるかもしれない」と思わせるものがコミーにあるからだろう。コミーは近い将来の注目ファイトに向け、実績も知名度もある元WBO王者のレイムンド・ベルトラン(38=メキシコ)を相手にしっかりとアピールすることが重要だ。
 コミーは2011年2月のプロデビューから3年ほどは自国やイギリス、デンマーク、南アフリカ共和国などを活動のベースにしてきたが、15年5月以降はアメリカのリングに上がる機会が増えた。こうしたなか16年9月にはIBF世界ライト級王座決定戦に出場したが、ダウンを奪いながらロバート・イースター(アメリカ)に僅差の12回判定負け。3ヵ月後にはモスクワに出向いてIBFの挑戦者決定戦に臨んだが、デニス・シャフィコフ(ロシア)にまたもや僅少差の12回判定で敗れた。この2試合に関しては「両方ともコミーが勝っていた」という識者も少なくない。
 それでもコミーは腐らず、マイキー・ガルシア(アメリカ)が返上した王座の決定戦に出場し、イサ・チャニエフ(ロシア)を2回TKOで下して念願の戴冠を果たした。初回にワンツーで先制のダウンを奪い、2回に左フックで倒したあと連打でダウンを追加するという圧勝だった。コミーの特徴が表れていた試合といえる。ただ、この試合で右拳を痛めたため2ヵ月後に計画されていたロマチェンコとの統一戦はいったん白紙となっている。戦績は30戦28勝(25KO)2敗。KO率は83パーセントを超える。
 挑戦者のベルトランはキャリア20年の大ベテランで、これがプロ47戦目となる(46戦36勝22KO8敗1分1無効試合)。20代のころはマニー・パッキャオ(フィリピン)のスパーリング・パートナーを務めたこともあり、自身がトップ選手になってからは数々の強豪と実戦で手合わせしてきた。世界戦ではリッキー・バーンズ(イギリス)と12回引き分け、テレンス・クロフォード(アメリカ)に12回判定負けと武運に恵まれなかったが、昨年2月にはパウルス・モーゼス(ナミビア)に勝って空位のWBO世界ライト級王座を獲得した。初防衛戦をクリアすることを前提にロマチェンコとの統一戦が内定していたが、ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)に敗れてベルトと統一戦の切符を失った。このあと一度は引退宣言したが、今年2月にカムバック。岡田博喜(角海老宝石)を9回KOで下して今回のチャンスをつかんだ。
 KO率は48パーセントと決して驚くほど高いわけではないが、左フックを中心に破壊力のあるパンチを持っている。その一方、15年5月の粟生隆寛(帝拳)では計量で失格したうえドーピング違反も犯すなどトラブルメーカーという一面もある。先の岡田戦はスーパー・ライト級で行われているが、再びライト級に落としてベストなコンディションをつくれるかどうか、まずはこの点に注目だ。
 中近距離での打撃戦に持ち込みたいベルトランだが、中長距離で持ち味を発揮するコミーはそう簡単に接近を許さないだろう。左ジャブで挑戦者を突き放し、そのうえで右ストレート、左フックを狙ってくるはずだ。この攻撃にベルトランがどこまで耐えられるか。
我慢しながら乱戦に持ち込むことができれば挑戦者にもチャンスが出てくるが、いまのコミーの攻撃を受けてベルトランが最後まで立っていられるとは思えない。中盤あたりにヤマが訪れるのではないだろうか。

ライト級トップ戦線の現状

WBA SC :ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
WBC    :空位
IBF    :リチャード・コミー(ガーナ)
WBO    :ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

 昨春まではWBA王者としてホルヘ・リナレス(33=帝拳)、WBC王者にマイキー・ガルシア(31=アメリカ)、IBF王者にロバート・イースター(28=アメリカ)、そしてWBO王座にはレイムンド・ベルトラン(38=メキシコ)が君臨していた。錚々たるメンバーが揃っているところにワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が参入してきたわけだ。
 この天才サウスポーはリナレスを破ってWBA王座を奪い、ベルトランに勝ったホセ・ペドラサ(30=プエルトリコ)をも下して2団体王者になっている。WBC王者だったガルシアはIBF王座との統一を果たしたが、両方のベルトを自ら手放した。空位になったIBF王座を獲得したのが、リチャード・コミー(32=ガーナ)というわけだ。今回の初防衛戦でベルトランを蹴散らせば、再びロマチェンコとの頂上決戦が具体化する可能性もある。
 そのロマチェンコは8月31日(日本時間9月1日)、イギリスでルーク・キャンベル(31=イギリス)と空位のWBC王座を争うことになっている。すでに2団体の王座を持っている選手が他団体の王座決定戦に出場するケースは珍しいが、ロマチェンコだから許されたともいえようか。この金メダリスト対決にも要注目だ。
 ランカー陣では、IBF王座への挑戦を視野に入れているテオフィモ・ロペス(22=アメリカ)、20歳の新鋭デビン・ヘイニー(アメリカ)、そのヘイニーとWBC王座への挑戦権をかけて戦うザウル・アブドラエフ(25=ロシア)、18戦全勝(15KO)のライアン・ガルシア(21=アメリカ)ら楽しみなスター候補がいる。リナレス、ペドラサ、ハビエル・フォルトゥナ(30=ドミニカ共和国)、ランセス・バルテレミ(33=キューバ)ら元王者も返り咲きのチャンスをうかがっている。

KO率82%の25歳 vs 村田諒太のスパーリング・パートナー
世界ランカー同士の先陣争い

 スーパー・ウェルター級でWBA4位、WBCとIBFで6位、WBO5位にランクされる17戦全勝(14KO)のカルロス・アダメス(25=ドミニカ共和国)と、WBC10位、WBO15位に名を連ねる20戦17勝(6KO)2敗1分のパトリック・デイ(26=アメリカ)の対戦。アダメスの持つNABO北米王座がかかった試合だが、世界先陣争いという意味でも興味深いカードだ。
 アダメスは世界選手権に出場するなどアマチュアを経て2015年7月にプロデビュー。元世界王者のカルロス・モリナ(アメリカ)や元世界ランカーのアレハンドロ・バレラ(メキシコ)らを破って世界トップ戦線に参入し、今年4月にはフランク・ガラーサ(アメリカ)とのランカー対決で4回TKO勝ち。18年10月に獲得したNABF北米王座に加えNABO北米王座もゲットした。これがNABF王座のV2戦、NABO王座の初防衛戦となる。ガラーサ戦では構えを右から左にスイッチするなど器用な面を見せ、さらに4回には右から左フックをヒットしてダウンを奪った。再開後、回転の速い左右をまとめてレフェリー・ストップに持ち込んでいる。持ち味を出した会心の勝利だったといえる。
 一方のデイは村田諒太(帝拳)のスパーリング・パートナーとして何度も来日している技巧派で、このところ6連勝と好調をキープしている。圧勝は少ないが、競り合いのなかで微妙なポイントをピックアップしていくなど試合巧者でもある。ガードを比較的高くした安定感のあるフォームからワンツーを打ち込むボクサーファイター型だが、戦績が示すように70キロ近い階級ではやや迫力不足の感は否めない。
 アダメスが圧力をかけ、デイが足をつかいながら的を絞らせずに対応する展開が予想される。アダメスとすれば強引に攻めて出てでも倒したいところだが、危機察知能力の高いデイを徹底的に追い込むのは容易な作業ではなさそうだ。

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