実力拮抗の欧州ダービー
オッズは地元ブリーディスが2対1で有利

  • 2019/08/02

 WBO世界クルーザー級王者のクリストフ・グロワッキ(32=ポーランド)が、マイリス・ブリーディス(34=ラトビア)の地元に乗り込んで初防衛戦に臨む。現在の肩書ではグロワッキが上だが、主役はラトビアで大人気のブリーディスだ。
 ブリーディスはアマチュア時代に国内選手権で3度(08年、09年、11年)ヘビー級で優勝しているが、国際大会での活躍はない。 アマチュアとプロにまたがるかたちで09年10月にプロボクサーとしてスタートし、以後、ラトビアでは貴重なタレントとして順調に成長を遂げてきた。15年8月には現WBA世界ヘビー級王者のマヌエル・チャー(レバノン/シリア)を5回KOで下し、16年5月にはオランレワジュ・ドゥラドーラ(ナイジェリア)との世界ランカー対決も9回TKOで制した。そして17年4月、かつてWBO王座を13度防衛したマルコ・フック(セルビア/ドイツ)を12回判定で破り、空位になっていたWBC世界クルーザー級王座についた。ラトビア初の世界王者となったブリーディスは、その年の9月に始まった「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」 に参戦。初戦でマイク・ペレス(キューバ)を退けたが、準決勝でWBO王者のオレクサンデル・ウシク(ウクライナ)に判定で敗れた。これがプロ26戦で唯一の敗北だ(25勝18KO1敗)。再起戦を挟んでWBSSのシーズン2に参戦し、初戦でノエル・ゲボル(アルメニア/ドイツ)を12回判定で下して今回のグロワッキ戦を迎える。
 左で探りを入れながらパワフルな右に繋げるハードパンチャーだが、15年~16年まで7連続KO勝ち後、直近の5試合ではKO勝ちから遠ざかっている。攻撃にひと工夫ほしいところだ。
 グロワッキもアマチュア時代はポーランドやヨーロッパ内での活躍に留まっていたが、08年10月にプロデビューしてからは順調な歩みをみせてきたといえる。地域王座を獲得後の15年8月、V13中だったマルコ・フックを逆転の11回KOで破り、WBO世界クルーザー級王座を獲得。センセーショナルなかたちで世界一の座に着くと、初防衛戦では元王者のスティーブ・カニンガム(アメリカ)を12回判定で退けて実力を証明した。しかし、2度目の防衛戦でオレクサンデル・ウシクに敗れ、在位は13ヵ月に終わった。
 再起後は5連勝(3KO)と好調だ。WBSSのシーズン2では初戦でマクシム・ウラソフ(ロシア)に12回判定勝ちを収め、準決勝に駒を進めると同時にWBO暫定王座も獲得した(のちに正王者に昇格)。ブリーディス戦が初防衛戦となる。戦績は32戦31勝(19KO)1敗。
 グロワッキはスタンスを広くとって両グローブを顔の前に置く構えのサウスポーで、主武器の左ストレートは伸びがある。相手にとっては戦いにくいタイプといえるかもしれない。
 過去の実績、総合的な戦力には差がないが、挑戦者には地元開催という利がある。それが2対1でブリーディス有利というオッズに表れているといえよう。重心を後方に置いた低い姿勢から左ストレートを狙うグロワッキ、右ジャブで距離とタイミングを計りながら右ストレートに繋げたいブリーディス。スタートから駆け引きを交えた競り合いになりそうだ。

KO率88%の元WBA王者 vs 17戦全勝の「野獣」
オッズは3対2 ドルティコス有利だが…

 WBSSトーナメントのクルーザー級準決勝、もうひとつのカードはIBF王座の決定戦として行われる。元WBA王者で現IBF3位のユニエル・ドルティコス(33=キューバ)対IBF1位のアンドリュー・タビチ(29=アメリカ)という魅力的なカードだ。ドルティコスが24戦23勝(21KO)1敗、タビチが17戦全勝(13KO)。KO率88パーセント(ドルティコス)と76パーセント(タビチ)の強打者対決だ。
 ドルティコスはアマチュア強国のキューバで257戦230勝27敗という戦績を残して09年8月にアメリカでプロデビュー。14年まで17連続KO勝ちをマークした。そのうち14度は3回以内のKO(TKO)だった。16年5月にユーリ・カレンガ(コンゴ民主共和国)に10回TKO勝ちを収めてWBA暫定世界クルーザー級王座を獲得し、参戦したWBSS第1回大会では初戦でヘビー級並みの強打者、ドミトリー・クドリャショフ(ロシア)を2回で撃沈。しかし、準決勝でIBF王者のムラト・ガシエフ(ロシア)に12回TKOで敗れた。ポイントは競っていたものの最終回に3度のダウンを喫して万事休した試合だった。WBSS第2回大会にエントリーし、準々決勝でマテウス・マステルナク(ポーランド)を下して準決勝に進出してきた。
 一方のタビチはアマチュア経験は38戦(32勝6敗)と多くはないが、10年の全米ゴールデングローブ大会ヘビー級3位、11年全米選手権ではヘビー級で準優勝を収めている。13年7月にプロ転向を果たし、NABF北米王座やUSBA全米王座などを獲得して上位に進出。昨年10月のWBSS準々決勝では相手国に乗り込んでルスラン・ファイフェル(ロシア)に12回判定勝ちを収め、IBF1位の座も確定させた。元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーの秘蔵っ子としても知られる。
 ふたりとも戦績が示すとおりのスラッガーで、主武器が右ストレートである点も同じだ。違いがあるとすればドルティコスが両ガードで顔面をブロックしながら圧力をかけ、標的を定めて右を打ち下ろすのに対し、タビチは上下の打ち分けや近距離で右アッパーを突き上げるなど攻撃が幅広い点だろうか。経験値で劣るタビチは左ジャブで中長距離を保ちたいが、ドルティコスがそれを簡単に許すとも思えない。序盤からKOのスリルをはらんだ緊迫した攻防が見られそうだ。オッズは3対2でドルティコス有利と出ているが、いずれにしても一発で勝負が決まる可能性が高い。

クルーザー級トップ戦線の現状

WBA   :アルセン・グーラミリアン(アルメニア/フランス)
WBC   :空位
IBF   :空位
WBO   :クリストフ・グロワッキ(ポーランド)

 「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」第1回大会で優勝したオレクサンデル・ウシク(32=ウクライナ)が4団体の王座を統一したが、ヘビー級転向を決めたことでクルーザー級は一転して主役不在になった。悪くいえば混乱状態、耳障りのいい表現を使うならば群雄割拠の状態だ。
 ウシクの後継第1候補は、第2回WBSSクルーザー級トーナメントでも本命とみられているマイリス・ブリーディス(34=ラトビア)だ。ただし、高い評価とベルトを得るためには準々決勝のクリストフ・グロワッキ(32=ポーランド)戦、そしてユニエル・ドルティコス(33=キューバ)対アンドリュー・タビチ(29=アメリカ)の勝者との決勝を勝ち抜かなければならない。決して楽な道ではない。それは第2候補のドルティコスも、第3候補のグロワッキも、そして第4候補のタビチも同じだ。むしろ17戦全勝(13KO)と底を見せていないタビチなどは、このハードなカードを勝ち抜くことでスターダムにのし上がる可能性があるともいえる。
 第1回WBSSトーナメントで準優勝したムラト・ガシエフ(25=ロシア)は、この1年間はリングに上がっていないが、復帰してきた際は各団体の王者にとっては厄介な存在になるだろう。
 WBA2位のローレンス・オコリー(26=イギリス)は16年リオデジャネイロ五輪ヘビー級ベスト16の実績を持っている。17年3月にプロ転向後は13戦全勝(10KO)で、WBAコンチネンタル王座や英連邦王座、英国王座などを獲得している。来年あたり勝負に出てくるものと思われる。

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