元3団体王者 引き分け後の“再起戦”
相手は24戦全勝のWBO2位

  • 2019/07/26

 2015年11月から約1年、ヘビー級のWBAスーパー王座、IBF王座、WBO王座に君臨した実績を持つタイソン・フューリー(30=イギリス)は昨年12月、WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(33=アメリカ)に挑んで12回引き分けという結果に終わった。終盤に2度のダウンを喫したものの優勢だったという声が多かったフューリーだが王座を奪うことはできず、そういう意味では今回の試合が“再起戦”ということになる。24戦全勝(16KO)の戦績を残している25歳のホープ、WBO2位、IBF9位のトム・シュワルツ(ドイツ)を相手にどんなパフォーマンスを見せるのか注目される。
 身長206センチ、リーチ216センチ、体重約116キロ(ワイルダー戦)という超ヘビー級の体格を持つフューリーは、デビューからしばらくは「大口叩きの異色ボクサー」という声もあった。しかし、ディレック・チゾラ(ジンバブウェ/イギリス)を2度下したほか世界挑戦経験者のケビン・ジョンソン(アメリカ)、元世界王者のスティーブ・カニンガム(アメリカ)、世界上位ランカーだったクリスチャン・ハマー(ルーマニア/ドイツ)らを連破して“ホンモノ”感を強め、3年前にはV18王者のウラディミール・クリチコ(ウクライナ)を破って一気に3団体の頂点に立った。27歳と若かったこともあり長期政権が期待されたが、クリチコとの再戦を再三延期したあげくアルコールや薬物に溺れて自滅。栄光から一転して王座を返上して引退する羽目に陥った。
 リングに戻ったのは昨年6月のことで、復帰3試合目にワイルダーに挑戦した。サウスポーの変則アウトボクシングで40戦全勝(39KO)というワイルダーの強打を空転させ中盤までポイントを重ねたが、9回と最終12回に痛恨のダウン。貯金を吐き出すかたちで引き分けという結果に泣いた。その後、フューリーはアメリカのトップランク社とESPNと契約、新しいビジネスチームをバックに今回の試合に臨む。戦績は28戦27勝(19KO)1分。現在はWBC2位につけている。
 フューリーと比較してしまうと見劣りしてしまうもののシュワルツも身長197センチ、体重110キロ前後と体格に恵まれている。敗北がなく25歳と若いことに加えWBOでは2位にランクされており、将来が期待されるホープのひとりとして挙げることができる。
ただ、WBOとWBCのユース王座やWBOインターコンチネンタル王座などを獲得した実績が認められて上位に進出してきたが、世界的な強豪との手合わせは皆無といっていい。前に出ながらワンツーで攻め込む正直な戦闘スタイルがフューリーのような経験値の高い変則サウスポーに通用するかどうかは疑問だ。ヨーロッパを出て戦うのも初めてで、少なからず不安を抱えての試合となる。
 より大きなフューリーは足をつかいながら右ジャブを飛ばして突き放し、相手の射程外からワンツーを狙うことになるだろう。これに対しシュワルツが角度やタイミングをずらして踏み込むことができるか――このあたりが序盤のカギになりそうだ。真っ正直なボクシングをするシュワルツが攻め手を見つけられずに戸惑うようだと、フューリーが一気に飲み込んでしまう可能性もある。

ヘビー級トップ戦線の現状

WBA SC :アンディ・ルイス(アメリカ)
WBA   :マヌエル・チャー(レバノン/シリア)
WBA 暫定:トレバー・ブライアン(アメリカ)
WBC   :デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)
IBF   :アンディ・ルイス(アメリカ)
WBO   :アンディ・ルイス(アメリカ)

 今年5月まではWBC王者のデオンテイ・ワイルダー(33=アメリカ)とWBA(スーパー王座)、IBF、WBO3団体王者のアンソニー・ジョシュア(29=イギリス)、そして元3団体王者のタイソン・フューリー(30=イギリス)がヘビー級3強といわれていた。 ワイルダー対フューリーの再戦、その勝者とジョシュアが2020年に対決という計画が水面下で進んでいるはずだった。
 ところが6月1日、主役のジョシュアが伏兵アンディ・ルイス(29=アメリカ)に合計4度のダウンを喫して7回TKO負け。これを機にヘビー級トップ戦線は一気に混戦状態に陥った。メキシコ系のルイスは身長188センチ、体重120キロという寸胴型の選手で、34戦33勝(22KO)1敗の戦績を残しているが、ジョシュアからそっくり主役の座を取って代わるほどの存在とはいえない。年内にも再戦が計画されており、ジョシュアが主役として戻ってくる可能性も十分にある。
 スーパーファイトが先送りになるなかワイルダーは秋にルイス・オルティス(40=キューバ)を相手に10度目の防衛戦が内定している。昨年3月、10回TKOで退けた相手とはいえ一度はKO寸前に追い込まれているだけに気を引き締めて臨んだ方がよさそうだ。
 無冠ながらフューリーの存在感も大きなものがある。ワイルダー戦後にESPNとトップランク社と契約を交わしたことでいったんは再戦が遠のいたが、実現の際はより大きなスケールのイベントになりそうだ。そのためにも今回のトム・シュワルツ(25=ドイツ)戦では力の差を見せつけておきたい。
 こうしたトップグループとの差は小さくはないが、イファ・アジャバ(25=ナイジェリア)、ダニエル・ドゥボア(21=イギリス)、トニー・ヨカ(27=フランス)、ジョー・ジョイス(33=イギリス)といった新興勢力がじわじわとランキングを上げてきている。1年後、彼らがトップ戦線の一角を形成している可能性もあるだけに注目していきたい。

37歳のベテラン vs 転級初戦の長身パンチャー
オッズは2対1でハート有利

 ドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)、オレクサンダー・グボジーク(ウクライナ)、アルツール・ベテルビエフ(ロシア)、セルゲイ・コバレフ(ロシア)といった旧ソ連勢が主要4団体の王座を占めるライト・ヘビー級に、スーパー・ミドル級で2度の世界挑戦経験があるジェシー・ハート(29=アメリカ)が殴り込みをかける。 転級初戦で拳を交えるのはWBA2位、WBC7位、IBF12位、WBO7位のサリバン・バレラ(37=キューバ)。勝者がトップ戦線に残り、敗者は脱落するサバイバルマッチだ。
 2対1のオッズで有利とみられているハートは1970年代にミドル級で活躍したユージン・サイクロン・ハートの息子で、父親譲りのハードパンチャーとして知られる(27戦25勝21KO2敗)。191センチの長身から繰り出す右ストレートや中近距離で突き上げるアッパーなどが主武器といえる。2度の世界挑戦ではいずれもサウスポーのヒルベルト・ラミレス(メキシコ)の技巧の前に競り負けたが、総合力に差はないといえる。
 一方、キューバ出身のバレラも実力者だ。ここまでの戦績は24戦22勝(14KO)2敗。3年ほど前にはIBF世界ライト・ヘビー級指名挑戦者の肩書を持っていたが、このときは世界戦ではなくアンドレ・ウォード(アメリカ)との無冠戦を選択し、12回判定で初黒星を喫している。その後、ビボルの持つWBA王座に挑戦する機会を得たが、最終12回に右を浴びてダウン。立ったもののレフェリー・ストップのTKO負けを喫した。スピード、パワー、テクニックなど多くの面で高い戦力を備えてはいるが、爆発力に欠ける傾向がある。それが大出世を拒んでいる主因といえるかもしれない。
 ハートが圧力をかけ、バレラが迎え撃つ展開になりそうだ。思い切りのいいハートの攻撃を受けて後手に回ってしまうようだと耐久面で課題を抱えるバレラは苦しい。大きなミスを犯さないという前提で考えれば、ハートが着々とポイントを重ねる可能性が高いとみる。

もっと見る

閉じる

My番組登録とは?

My番組登録で見逃し防止!

見たい番組、気になる番組をあらかじめ登録。
放送時間前のリマインドメールで番組をうっかり見逃すことがありません。

利用するには?

WEB会員IDをご登録のうえ、ログインしてご利用ください。

WEB会員IDをお持ちでない方
WEB会員IDを登録する
WEB会員IDをお持ちの方
ログインする
閉じる

番組で使用されているアイコンについて

初回放送
新番組
最終回
生放送
5.1chサラウンド放送
二カ国語版放送
吹替版放送
字幕版放送
字幕放送
ノンスクランブル(無料放送)
オンデマンドでの同時配信
オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの