サーマン有利 ⇒ ほぼイーブンのオッズ
序盤の攻防に要注目

  • 2018/07/12

 6階級制覇を成し遂げている世界的なスーパースター、WBA世界ウェルター級王者のマニー・パッキャオ(40=フィリピン)と、在位6年で8度の防衛を重ねているWBA同級スーパー王者のキース・サーマン(30=アメリカ)が団体内の王座統一をかけて拳を交える。試合が発表された当時のオッズは4対3でサーマン有利と出ていたが、試合が近づくにつれてパッキャオ株が上昇。6月はサーマン有利のまま8対7、11対10、12対11、20対19と徐々に差が縮まり、7月に入ると逆に20対19でパッキャオ有利に変わった。この接近した数字は試合直前まで続くものと思われる。それほど両者の総合力は接近していると見られているわけだ。これが25度目の世界戦(24戦18勝9KO4敗2分)となるサウスポーのパッキャオが攻め勝つのか、それとも30戦無敗のサーマンが巧みに迎え撃つのか。序盤から目の離せない試合になりそうだ。

マティセ戦、ブローナー戦で再評価されているパッキャオ

 2010年にオスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)に続く史上2人目の6階級制覇を成し遂げたあと、パッキャオはモチベーションの維持に苦労したのか、それとも年齢からくる衰えだったのか、停滞した時期があった。ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)に物議をかもす判定で敗れ、続くファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)との第4戦では痛烈なカウンターを浴びて6回KO負けを喫した。再起して3連勝したもののフロイド・メイウェザー(アメリカ)との大一番を落とし、2年前には伏兵のジェフ・ホーン(オーストラリア)に不覚をとった。
 この時点で38歳だったこともあり、フィリピンの上院議員でもあるパッキャオは引退するのではないかという予測もあった。しかし、長年コンビを組んだフレディ・ローチ・トレーナーと袂を分かち、トップランク社を飛び出して現役続行を決断。昨年7月のルーカス・マティセ(アルゼンチン)戦では3度のダウンを奪う7回TKOの快勝でWBA世界ウェルター級王座を獲得してみせた。KO勝ちは実に9年、14試合ぶりのことだった。しかも、この階級での戴冠は4度目のことである。
 40歳になって迎えた今年1月のエイドリアン・ブローナー(アメリカ)との初防衛戦では終始攻勢を続けて11歳若い元4階級制覇王者を圧倒、大差の12回判定勝ちでベルトを守った。フライ級で初めて世界王者になったのが19歳で、29歳のときに4階級制覇を達成。30歳で5階級、31歳で6階級制覇を成し遂げたあと、40歳を過ぎた現在も王座に君臨しているのだから驚くほかない。こんなに長く世界のトップで活躍し、ベルトを保持してきた例は過去にない。そして今度は10歳若いV8王者と戦うというのだから、その肉体と闘争心には敬意を払う以外にない。
 今回の試合に向けパッキャオはフィリピンでトレーニングを開始し、早い段階でアメリカに移動。ブローナー戦を前にコンビを復活したローチ・トレーナーと一緒にジムで調整を続けてきた。若くて体の大きいパートナーを相手に一日に8~10ラウンドのスパーリングを精力的にこなしたという。

「引導を渡す」とサーマン ブランクの錆は取れたか?

 サーマンは13年7月にディエゴ・チャベス(アルゼンチン)を10回KOで下してWBA暫定王座を獲得し、3度防衛後の15年1月に正王者に昇格。その後、元4階級制覇王者のロバート・ゲレロ(アメリカ)、元王者のルイス・コラーゾ(アメリカ)とショーン・ポーター(アメリカ=現WBC王者)を退け、17年3月にはWBC王者のダニー・ガルシア(アメリカ)にも勝って2団体の王座を統一、それを機にWBAではスーパー王者に格上げされた。しかし、ガルシア戦の2ヵ月後には右肘を手術し、リハビリを経て18年4月には復帰が内定したものの、今度は左拳を負傷。こうしたなかWBC王座を返上した経緯がある。今年1月、1年11ヵ月ぶりに実戦に臨み、ホセシト・ロペス(アメリカ)を12回判定で下したが、内容は芳しいものではなかった。今回のパッキャオ戦は通算8度目の防衛戦であると同時に戦線復帰第2戦ということになる。
 パッキャオ同様、このサーマンも一時はボクサーの強さ指数ともいうべき「パウンド・フォー・パウンド」の上位常連だったが、ブランクの間にトップ10から名前が消えた。実績も実力もあるポーター、ガルシアとの試合が接戦になったことは仕方ないところだが、先のロペス戦は褒められた内容ではなかった。2回に鮮やかな左カウンターを決めてダウンを奪いながら逆に自分が窮地に陥る場面もあり、ブランクの影響が感じられたものだ。この錆を取り除くことができるかどうか、そこにサーマンの最大の課題がある。

パッキャオはボディ攻撃に活路 サーマンはカウンター狙いか

 ふたりの間には10歳の年齢差があるが、現在の総合力に大きな差はないとみていいだろう。ともにベストに近いコンディションでリングに上がったと仮定した場合、試合は序盤から競った内容になる可能性がある。サウスポーのパッキャオはいつものようにプレッシャーをかけながら忙しく動きながら飛び込むチャンスをうかがうことになるだろう。狙いは左ストレート、そして右フックか。サーマンの弱点といわれるボディを攻めることができればチャンスは広がるはずだ。これに対しサーマンは相手の動きに合わせて動き、適度な距離を保ちながら迎え撃ってカウンターを狙う策をとるものと考えられる。カギになるパンチは左フック、右ストレートだろう。
 パッキャオは70戦して39のKO勝ちを収めており、サーマンも30戦のうち22KO勝ちをマークしている。ともに一発で倒すパンチも持っているだけに、初回から緊迫した攻防が見られそうだ。

<資料1>TALE OF THE TAPE 両選手の体格比較

  • 名前

    パッキャオ

    サーマン

  • 生年月日/年齢

    1978年12月17日/40歳

    1988年11月23日/30歳

  • 出身地

    キバウェ(比国)

    クリアウォーター
    (米国フロリダ州)

  • アマチュア実績

    64戦60勝4敗

    107戦101勝6敗(他説あり)

  • プロデビュー

    95年1月

    07年11月

  • 獲得世界王座

    フライ級
    Sバンタム級
    Sフェザー級
    ライト級
    ウェルター級
    Sウェルター級

    ウェルター級

  • 世界戦の戦績

    24戦18勝(9KO)4敗2分

    9戦全勝(4KO)

  • 通算戦績

    70戦61勝(39KO)7敗2分

    30戦29勝(22KO)1無効試合

  • KO率

    56%

    73%

  • 身長/リーチ

    166センチ/170センチ

    171センチ/175センチ

  • 戦闘タイプ

    左ファイター型

    右ボクサーファイター型

  • トレーナー

    ブボイ・フェルナンデス
    フレディ・ローチ

    ダン・バーミンガム

  • ニックネーム

    「パックマン」

    「ワン・タイム」

ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :キース・サーマン(アメリカ)
WBA   :マニー・パッキャオ(フィリピン)
WBC   :ショーン・ポーター(アメリカ)
IBF   :エロール・スペンス(アメリカ)
WBO   :テレンス・クロフォード(アメリカ)

 もともと欧米を中心に選手層の厚い階級だが、いまは特に実力派のスター選手が揃って賑やかだ。実績では8度の防衛を果たしているWBAスーパー王者のキース・サーマン(30=アメリカ)と、6階級制覇を成し遂げているマニー・パッキャオ(40=フィリピン)が双璧といえる。その一方、勢いや総合的な評価ではIBF王者のエロール・スペンス(29=アメリカ)とWBO王者のテレンス・クロフォード(31=アメリカ)を推す声が多い。これにWBC王者のショーン・ポーター(31=アメリカ)、元WBC王者のダニー・ガルシア(31=アメリカ)が加わり、今後も激しい覇権争いが展開されることになりそうだ。あえてグループ分けすれば、スペンスとクロフォードがトップ争いをしているなか、それをサーマンとパッキャオが追い、ポーターとガルシアがぴったりと付いている構図といえよう。ただし、今回のパッキャオ対サーマン、晩夏か秋に計画されているスペンス対ポーターの結果しだいでは、このバランスは大きく変わってくる。
 このほかWBOの指名挑戦権を持っているエギディユス・カバラウスカス(31=リトアニア)、ポーターと大接戦を演じたヨルデニス・ウガス(32=キューバ)が、トップ6に割って入る機会をうかがっている。そのウガスと対戦するオマール・フィゲロア(29=アメリカ)も無視できない存在といえる。

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劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの