統一王者ハード 通算4度目の防衛戦
オッズは6対1で有利だが…

  • 2019/06/21

 群雄割拠の様相を呈するスーパー・ウェルター級戦線で核になると見られているジャレット・ハード(28=アメリカ)の通算4度目の防衛戦。そのハードが持つWBAスーパー王座とIBF王座にIBF1位のジュリアン・ウィリアムス(29=アメリカ)が挑む。大柄で体力のあるハードか、スピードとコンパクトなパンチに定評のあるウィリアムスか。オッズは6対1でハード有利と出ているが、そこまで力量差のあるカードではない。
 ハードはアマチュアで40戦(32勝8敗)を経験後にプロ転向を果たし、7年間に23連勝(16KO)を記録している。デビューから数年は目立つ存在ではなかったが、並外れた体力とスタミナを生かして勝ち続け、15年から16年にかけて強豪を連破。17年2月にはジャーマル・チャーロ(アメリカ)が返上したIBF世界スーパー・ウェルター級王座をトニー・ハリソン(アメリカ=現WBC王者)と争い、9回TKO勝ちで戴冠を果たした。オースティン・トラウト(アメリカ)を10回終了TKOで退けたあとWBAスーパー王者のエリスランディ・ララ(キューバ)と拳を交え、最終回にダウンを奪って逆転の判定勝ち、2団体王者になった。昨年12月にはジェイソン・ウェルボーン(イギリス)にボディブローを見舞って4回KO勝ちを収めている。
 身長185センチ、リーチ194センチという恵まれた体格のハードは、「SWIFT(俊敏な男)」というニックネームのイメージとは少々かけ離れた攻撃型の選手だ。多少の被弾をものともせずに前に出ていくタイプで、そのためトラウト戦やララ戦では前半と中盤にポイントを失ったが、相手のペースが落ちてきた終盤でしっかりと清算している。
 挑戦者のウィリアムスは12歳でボクシングを始め、アマチュア時代に何度か国内トップレベルの大会にも出場したことがある。しかし、09年の全米選手権ではウェルター級2回戦でエロール・スペンス(アメリカ=現IBF世界ウェルター級王者)にポイント負けを喫するなど上位に食い込むことはできなかった。10年5月にプロに転じ、9年間で29戦26勝(16KO)1敗1分1無効試合という戦績を残している。唯一の敗北は16年12月のジャーマル・チャーロ戦で、5回KO負けでIBF王座を逃している。再起後は4連勝(2KO)と復調しており、挑戦者決定戦を経て1位に戻ってきた。
 身長178センチ、リーチ184センチのウィリアムスはハードと比べると数値では劣るが、154ポンド(約69.8キロ)を体重上限とするスーパー・ウェルター級では平均的なサイズといえよう。戦力的にはスピード、パワー、テクニックなどバランスよく整っており、チャンピオン級の力を持ったボクサーファイターといえる。しかし、チャーロ戦では2回に左ストレート、5回には右アッパーで致命的なダウンを喫しており、これが総合評価に響いているようだ。
 ハードがプレッシャーをかけて攻め込み、ウィリアムスが迎え撃つ展開が予想される。王者の圧力を逃がしきれずに挑戦者が正面に立って応戦するようなパターンになると、中盤あたりでウィリアムスのスタミナが切れる可能性もある。スピードで勝るウィリアムスとすれば、エンジンのかかりが遅いハードに前半でダメージを与え、中盤までポイントでリードしたうえで終盤の反撃を凌ぎたいところだ。

スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :ジャレット・ハード(アメリカ)
WBA   :ブライアン・カスターニョ(アルゼンチン)
WBC   :トニー・ハリソン(アメリカ)
IBF   :ジャレット・ハード(アメリカ)
WBO   :ハイメ・ムンギア(メキシコ)

 数年前まではフロイド・メイウェザー(アメリカ)、サウル・カネロ・アルバレス(28=メキシコ)といった世界的なスター選手がこの階級にいたが、2年ほど前から群雄割拠の状態といえる。そのなかで暫定王者時代(16年11月に獲得)から数えて最も在位が長いのはWBA王者のブライアン・カスターニョ(29=アルゼンチン)で、これに17年2月に戴冠を果たしているジャレット・ハード(28=アメリカ)が続く。そして18年5月に戴冠のWBO王者ハイメ・ムンギア(メキシコ)、昨年12月にジャーメル・チャーロ(29=アメリカ)を破ってWBC王座を獲得したトニー・ハリソン(28=アメリカ)といった順になる。在位期間の短い王者が多いのが、この階級の現況だ。
 実績、実力をみると2冠王者のハード、ムンギアが一歩リードしている。特にハードはエリスランディ・ララ(36=キューバ)に勝ってWBAスーパー王座も手にしており、このクラスの核になる存在といっていいだろう。ムンギアは1年前に急浮上してきたが、今年に入って停滞気味だ。ここでハードがジュリアン・ウィリアムス(29=アメリカ)に敗れるようなことがあれば、スーパー・ウェルター級トップ戦線はさらなる混乱状態に陥るだろう。
 前WBC王者のジャーメル・チャーロ、元IBF世界ウェルター級王者のケル・ブルック(33=イギリス)も王者と伍する力量を持っている。新しいところではカルロス・アダメス(25=ドミニカ共和国)、チャーロ戦の敗北から立ち直り2連続KO勝ちのエリクソン・ルビン(23=アメリカ)もいる。

WBA1位の実力を示せるか
24歳の新星バリオスに注目

 スーパー・ライト級でWBA1位、IBF15位にランクされるマリオ・バリオス(24=アメリカ)が、デビューから20連勝をマークしたこともあるファン・ホセ・ベラスコ(32=アルゼンチン)と対戦する。65パーセントのKO率を誇るバリオスの強打に要注目だ。
 13年11月にプロデビューしたバリオスは、世界挑戦経験者のデビス・ボスキエロ(イタリア)を下して名を上げ(16年7月)、1年前にはウェルター級のWBAのインターコンチネンタル王座を獲得した。こうした実績だけで1位にランクされていることについてはサービス過剰との見方もあろうが、今後はバリオス自身がそれに見合った実力者であることを証明していかなければならない。身長178センチのバリオスはやや細身の体だが、左右のフックやアッパーをスムーズに上下に打ち分けるなど才能の高さを感じさせる。特に中間距離での攻撃に迫力がある。
 対するベラスコは14年5月に27歳でプロデビュー。スーパー・ウェルター級、ウェルター級、スーパー・ライト級と徐々に階級を下げながら地域王座を獲得してきた。しかし、昨年7月にWBC暫定世界スーパー・ライト級王者だったレジス・プログレイス(アメリカ)との“WBCダイヤモンド王座”決定戦で8回TKOの完敗。連勝は20で止まった。今回のバリオス戦が再起戦でもある。
 両者の総合力と近況を合わせて考えるとバリオスの有利は動かしがたい。早い段階からスピーディーな攻撃で煽り、中間距離で回転の速い左右を見舞う可能性が高い。

ロシア出身の元アマエリート vs 「選ばれし者」
サバイバルマッチを制するのは?

 WBAとWBCでミドル級14位にランクされるマット・コロボフ(36=ロシア/アメリカ)はアマチュア時代、05年と07年の世界選手権を連覇した実績を持っている。金メダルの大本命と目された08年北京五輪では2回戦で敗退したが、AP通信がそれをニュースとして配信したほどだった。アマチュア戦績は312戦300勝12敗。トップランク社と契約して08年11月にプロに転じたものの馴染むのに時間がかかった。6年後の14年6月、のちに世界王者になるホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)に勝ったが、肝心の世界王座決定戦ではアンディ・リー(イギリス/アイルランド)に隙を突かれて逆転の6回TKO負け。その後は4連続判定勝ちと存在感が薄い時期があったが、昨年12月にドーピング違反のウィリー・モンロー・ジュニア(アメリカ)の代役としてWBC暫定世界ミドル級王者のジャーマル・チャーロ(アメリカ)に挑み、判定で敗れはしたものの善戦して株を上げた。これが再起戦となる。
 アリームもアマチュアを経験しているが、コロボフほどの実績は残していない。12年6月にプロデビュー後、ダウンを喫するなど苦しい試合もあったが無敗をキープ。17年1月には、アマチュア時代に11年世界選手権決勝で村田諒太(帝拳)に勝ったこともあるイェフゲン・ヒトロフ(ウクライナ)に6回TKO勝ちを収め、入れ替わりに世界ランク入りを果たした。しかし、次戦でウーゴ・センテノ(アメリカ)の左フック一発で痛恨の3回KO負け。一気に上位進出とはいかなかった。昨年5月の再起戦を経て今回のコロボフ戦に臨む。
 コロボフがサウスポーの技巧派なのに対し、右構えのアリームは積極的に攻め込むタイプだ。アリームが圧力をかけて距離を潰しにかかると思われるが、これをコロボフがどう迎え撃つか。チャーロ戦で評価を上げたコロボフが5対2で有利というオッズが出ているが、アリームの攻撃力も侮れない。ともに打たれ脆い面があるだけにスリリングな試合になりそうだ。

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