3階級制覇王者にとって16度目の世界戦
挑戦者は前半勝負か

  • 2019/03/29

 3階級制覇を成し遂げているWBA世界フェザー級スーパー王者のレオ・サンタ・クルス(30=メキシコ)が、同級11位のラファエル・リベラ(24=メキシコ)を迎えて3度目の防衛戦に臨む。これまで15度の世界戦で14勝(7KO)1敗という結果を残しているサンタ・クルス有利のカードだが、31戦26勝(17KO)2敗2分1無効試合のレコードを持つリベラは17KOすべてが3ラウンド以内という前半勝負型だけに油断はできない。
 元WBC暫定世界ライト級王者のホセ・アルマンド・サンタ・クルスを兄に持つサンタ・クルスは、アマチュア時代にはそれほど輝かしい実績を残しているわけではない。ジュニアの大会を除けば06年全米選手権バンタム級準優勝が目立つぐらいだ。ちなみに、この大会の決勝で対戦したのは現WBC世界フェザー級王者のゲイリー・ラッセル(30=アメリカ)で、サンタ・クルスは13対6のポイント負けを喫している。しきりにWBC王者に王座統一戦を呼びかけているのは、こうした長年のライバル意識があるからだ。プロ転向は06年10月で、以後12年間に37戦35勝(19KO)1敗1分というレコードを残している。キャリア前半は判定勝ちが多かったが、09年11月から13年8月にかけては15戦全勝(13KO)をマーク。この期間に実力を蓄えたことが分かる。世界王座は12年6月にIBFバンタム級、13年8月にWBCスーパー・バンタム級、15年8月にWBAフェザー級(スーパー王座)という順で獲得してきた。唯一の敗北は16年にカール・フランプトン(32=イギリス)に惜敗(12回判定負け)したものだが、半年後の再戦でリベンジを果たし、失ったWBAフェザー級スーパー王座も取り戻した。
 このサンタ・クルスは手数の多い選手として知られている。顔面を左右のグローブでカバーするような構えで前進し、中近距離から機関銃のようにパンチを繰り出す。一発の破壊力は特筆するほどではないが、まとめ打ちすることでダメージを植え付けていくスタイルだ。15年以降、12回判定勝負となった世界戦のデータをみても、いかにパンチ数が多いかが分かるだろう。

サンタ・クルスのパンチのヒット数/総パンチ数 ※相手
15年8月 アブネル・マレス①戦 368/1057 225/980
16年7月 カール・フランプトン①戦 255/1002 242/668
17年1月 カール・フランプトン②戦 230/ 884 133/592
18年6月 アブネル・マレス②戦 357/1061 208/931

 今回の挑戦者、リベラはもともと別の試合に向けて調整していたが、サンタ・クルスに挑戦する予定だったミゲール・フローレス(メキシコ/アメリカ)が負傷して出場が不可能となったため出番がまわってきた。こうした経緯もあり不利は否めないが、王者が油断するようだと足をすくわれかねない危険性も孕んでいる。
 リベラは12年4月のプロデビューで、8回戦を経験するまで3年間、20戦以上を要した。15年12月には元世界王者のウィルフレド・バスケス・ジュニア(プエルトリコ)に勝ってフェザー級のWBC中米カリブ王座を獲得するなど、2分1無効試合を挟んで25連勝(16KO)をマーク。しかし、17年9月にジョセフ・ディアス(26=アメリカ)、18年7月にジョエト・ゴンザレス(25=アメリカ)とのホープ対決で12回判定、10回判定で連敗を喫した。その後、再起戦で1回KO勝ちを収め、今回の幸運を手に入れた。アッパー気味の左右フックを上下に打ち分ける好戦的な右ボクサーファイター型で、「ビッグバン(大爆発、改革)」というニックネームどおり壺にはまると強さを発揮するタイプといえる。
 サンタ・クルスといえども前半は注意が必要だろう。ただ、ここで大きなミスを犯さなければ、徐々に地力の違いを見せつけていくものと思われる。

フェザー級トップ戦線の現状

WBA SC :レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
WBA   :シュー・チャン(中国)
WBC   :ゲイリー・ラッセル(アメリカ)
IBF   :ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)
WBO   :オスカル・バルデス(メキシコ)

 実績面では3階級制覇を成し遂げているWBAスーパー王者のレオ・サンタ・クルス(30=メキシコ)が群を抜いているが、この2、3年は試合間隔が空くケースが多く、以前のような勢いを示しているとはいえない状態だ。他団体王者との統一戦を希望しているが、なかなか実現しないこともあってモチベーションの維持が難しくなっているのかもしれない。WBC王者のゲイリー・ラッセル(30=アメリカ)も試合では圧倒的な強さを見せつけてはいるものの、やはり試合間隔が空いている。こちらは15年以降、1年に1試合のスローペースだ。ラストファイトは昨年5月だが、3月22日時点ではV4戦は決まっていない。ブランクという点ではWBO王者のオスカル・バルデス(28=メキシコ)も今年2月まで11ヵ月も活動休止状態にあった。ただし、バルデスの場合は昨年3月のスコット・クィッグ(30=イギリス)戦で、体重オーバーの相手のパンチを浴びてアゴを骨折したためで、復帰戦では4度のダウンを奪って7回KO勝ち、5度目の防衛を飾るとともに存在感を示している。連打型のサンタ・クルス、スピードと切れのあるサウスポーのラッセル、強打のバルデス――この3人の統一戦が見たいものだが、残念ながら具体化していないのが現実だ。
 昨年5月にリー・セルビー(32=イギリス)に勝ってIBF王座についたジョシュ・ウォーリントン(28=イギリス)は、12月にカール・フランプトン(32=イギリス)を退けて初防衛に成功。6月にはキッド・ギャラード(29=イギリス)を相手にV2戦を行うことになっている。
 今年1月にヘスス・マヌエル・ロハス(32=プエルトリコ)を攻略してWBAレギュラー王座を獲得したシュー・チャン(25=中国)はスタミナと手数が身上の長身選手だが、まだ評価を定める段階には至っていない。
 こうしたタイトルホルダーたちを追う有望株として、WBC1位のトゥグッソト・ニャンバヤル(26=モンゴル)、主要4団体すべてでトップ10入りしている16年リオデジャネイロ五輪銀メダリストのシャクール・スティーブンソン(21=アメリカ)がいる。スティーブンソンは4月20日にクリストファー・ディアス(24=プエルトリコ)戦が決まっており、これを突破するようなら年内にも世界挑戦が具体化しそうな勢いだ。12年ロンドン五輪銅メダリストの清水聡(33=大橋)、IBF4位の阿部麗也(25=KG大和)も挑戦の機会をうかがっている。

身長201センチのフンドラに注目
相手のマーシャルも10戦全勝

 16年9月のプロデビューから11戦全勝(7KO)をマークしているサウスポー、セバスチャン・フンドラ(21=アメリカ)が、「デンジャラス(危険な男)」のニックネームを持つドニー・マーシャル(30=アメリカ)とスーパー・ウェルター級8回戦で拳を交える。
 マーシャルも10戦全勝(6KO)という好戦績を残しているが、それ以上に注目すべきはフンドラであろう。フロリダ州ウェストパームビーチ生まれの21歳のサウスポーは、154ポンド(約69.8キロ)が体重リミットのスーパー・ウェルター級で、なんと身長が201センチもあるのだ。ついたニックネームは「タワーリング・インフェルノ」(超高層ビルの火災を題材にして1970年代に大ヒットしたパニック映画)。さすがにこれはオーバーとも思えるが、フンドラがスーパー・ウェルター級では群を抜く長身であることは間違いない。この階級で長身として知られる現役のWBA、IBF王者のジャレット・ハード(28=アメリカ)とトニー・ハリソン(28=アメリカ)の185センチ、WBO王者のハイメ・ムンギア(22=メキシコ)の183センチと比較しても際立っている。
 フンドラが長身を生かしてアウトボクシングをするのか、それとも自ら積極的に仕掛けて攻撃的なボクシングをするのか――映画では超高層ビルは火災によって大トラブルに陥るが、はたしてリング上のフンドラは?

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