連打型ファイター vs KO率78%のサウスポー
攻撃力で勝るラミレスが5対1で有利

  • 2019/03/15

 2012年ロンドン五輪に出場後にプロ転向を果たし、期待に応えて順調な歩みをみせているWBC世界スーパー・ライト級王者、ホセ・ラミレス(26=アメリカ)の2度目の防衛戦。78パーセントのKO率を残しているサウスポーのホセ・セペダ(29=アメリカ)を相手に、持ち味の攻撃ボクシングを貫くことができるか。オッズは5対1で王者有利と出ている。
 ラミレスはアマチュア時代に93戦85勝8敗(163戦152勝11敗説もある)という戦績を残している。11年の世界選手権ではライト級2回戦でワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ:現WBA、WBO世界ライト級王者)、ロンドン五輪でもライト級2回戦でファズリディン・ガイブナザロフ(27=ウズベキスタン:16年リオデジャネイロ五輪ライト・ウェルター級金)にポイント負けを喫してメダルに届かなかった。トップランク社と契約を交わし12年12月、マニー・パッキャオ(40=フィリピン:現WBA世界ウェルター級王者)対ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)第4戦の前座でプロデビューを果たした(1回TKO勝ち)。以後、約6年間に23戦全勝(16KO)をマークしている。 身長178センチ、リーチ184センチの恵まれた体格の持ち主だが、自ら距離を潰して接近を図り連打で押し込む戦法を得意としている。パンチの切れや一発の破壊力に関しては特別感はないが、スタミナと手数は同じ階級のライバル王者たちを上回るものがある。現在の王座は18年3月、決定戦でアミール・イマム(28=アメリカ)に12回判定勝ちを収めて獲得。4ヵ月後には初防衛戦がセットされたが、計量を前にして挑戦者のダニー・オコーナー(アメリカ)が体調不良のため緊急入院したためキャンセルに。あらためて9月に初防衛戦が組まれ、そこで27戦全勝(17KO)のアントニオ・オロスコ(31=メキシコ)から2度のダウンを奪って王座をキープしている。
 挑戦者のセペダはラミレスよりも3年早い09年12月のプロデビューで、9年余のキャリアで32戦30勝(25KO)1敗1無効試合という戦績を残している。世界挑戦経験を持つリカルド・ドミンゲス(メキシコ)、ビクトル・カジョ(ドミニカ共和国)、のちの暫定世界王者エマヌエル・ロペス(29=メキシコ)らに勝ってトップ戦線に浮上したあと、15年7月にはWBO世界ライト級王座決定戦に出場した。しかし、そのテリー・フラナガン(29=イギリス)との試合中に左肩を痛めたため泣く泣く2回終了時点で棄権、王座を諦めることになった。3ヵ月半後の再起戦では元世界王者のホセ・アルファロ(35=ニカラグア)と対戦したが、バッティングでセペダが左目下をカット。今度は1回終了ノーコンテストという結果を受け入れなくてはならなかった。このころがセペダの低迷期だったといえる。16年以降は、世界挑戦経験者のアメス・ディアス(パナマ)を1回TKO、ミゲール・サムディオ(27=メキシコ)を6回TKO、さらにWBC3位にランクされていたカルロス・ディアス・ラミレス(24=メキシコ)を5回KOで下すなど7連勝(5KO)と勢いを取り戻している。
 セペダは身長173センチ、リーチ179センチのサウスポーで、小刻みなリズムをとりながら出入りするボクサーファイター型といえる。KO率はラミレスの70パーセントを上回る78パーセントだが、
強引に前進してパンチを振るって倒す猪突猛進型ではない。どちらかといえば流れのなかでタイミングのいいパンチを当てて仕事を終わらせるタイプといえる。
 攻撃力で勝るラミレスが距離を潰しながら積極的に仕掛け、サウスポーのセペダが前後左右に動いて的を絞らせずに応戦する展開が予想される。途中で挑戦者のスタミナが切れて足が止まるようだと王者のKO防衛の可能性が高まりそうだ。なお、ラミレスはプロデビュー時から組んでいたフレディ・ローチ・トレーナーとの師弟コンビを18年に解消。いまはロベルト・ガルシア・トレーナーに師事している。一方のセペダは18年からローチ・トレーナーと組んでいる。両陣営が相手をどう分析し、どんな策を用いるのか、そのあたりにも注目したい。

事実上の挑戦者決定戦
左ジャブで主導権を握りたい岡田

 スーパー・ライト級でWBA3位、WBC10位、IBF5位、WBO2位にランクされる岡田博喜(29=角海老宝石)が、元WBO世界ライト級王者で現在はスーパー・ライト級でWBC12位、WBO5位に名を連ねるレイムンド・ベルトラン(37=メキシコ)と拳を交える。試合はWBC米大陸、WBOインターコンチネンタル王座決定戦(10回戦)として行われるが、事実上の世界王座挑戦者決定戦といっていいだろう。
 岡田はアマチュアで43戦(35勝16KO8敗)を経験後、2011年10月にプロに転向。以来、約7年間に19戦全勝(13KO)の戦績を残している。14年3月に日本王座を獲得し、これを6度防衛後に返上。17年12月には当時WBO6位にランクされていたジェイソン・パガラ(フィリピン)に6回TKO勝ちを収めてWBOアジアパシフィック王座を手に入れた。昨夏、アメリカのトップランク社と契約を交わし、9月にはアメリカのリングに上がった。今回と同じ会場(カリフォルニア州フレズノのセーブマート・アリーナ)でクリスチャン・コリア(36=アルゼンチン)との10回戦に臨み判定勝ちを収めはしたが、最終回に不覚のダウンを喫するなど芳しい内容とはいえなかった。今回、相手のレベルが一気に上がったことを考えると、トップランク社が岡田に厳しい“追試”を課したといえるかもしれない。その代わり、これをクリアすれば一気に展望が開けることになる。
 相手のベルトランは99年7月のプロデビューから20年も戦い続け、45戦35勝(21KO)8敗1分1無効試合という戦績を残しているベテランで、18年2月から8月まで世界王座に君臨した実績を持っている。テレンス・クロフォード(31=アメリカ)をはじめ世界的な強豪との対戦経験が豊富なうえ、かつてはマニー・パッキャオ(40=フィリピン)のスパーリング・パートナーを務めていたこともある。経験値という点では岡田のはるか上を行っているといっていいだろう。ただ、昨年8月にホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)にダウンを喫して12回判定負け、WBO世界ライト級王座を失っている。直後には引退も口にしたが、それを撤回してスーパー・ライト級に上げてカムバックを図ることになった。年齢や階級を上げての再起戦という点で不安は隠せないが、こちらも岡田に勝てば2階級制覇への挑戦切符が手に入るだけにモチベーションは高いはずだ。
 オッズは7対2でベルトラン有利と出ている。アメリカでの初戦で岡田が十分にアピールできなかったことや、ベルトランの実績を考えれば妥当な数字といえよう。ただ、現時点での総合力は互角に近いとみる。肉を切らせて骨を断つスタイルに近い攻撃型のベルトランが距離を潰すためにプレッシャーをかけ、バランスのとれた戦力を備えたボクサーファイター型の岡田が迎撃する展開が予想される。体格で勝る岡田は踏み込んで相手を突き放す効果的な左ジャブを数多く打てるかどうか。そのうえでリスクを承知で打ち合うところは打ち合う必要があるだろう。
ベルトランは左右ともにパワフルなパンチを持つ危険なファイターだが、岡田が攻撃的なアウトボクシングをすることができれば勝機は広がりそうだ。

スーパー・ライト級トップ戦線の現状

WBA   :キリル・レリク(ベラルーシ)
WBC   :ホセ・ラミレス(アメリカ)
ダイヤモンド王者:レジス・プログレイス(アメリカ)
IBF   :イバン・バランチク(ベラルーシ)
WBO   :モーリス・フッカー(アメリカ)

 2017年8月にテレンス・クロフォード(31=アメリカ)がこのクラスの4団体王座を統一したが、それらを返上してウェルター級に転向。それを機に今度は一転して戦国模様となった。実力が飛び抜けたスター選手の支配がファンの興味を惹きつけるのか、それとも群雄割拠状態が好まれるのかはともかくとして、現在はトップ戦線に実力伯仲の選手が揃っている状態といえる。しかも比較的若くてKO率の高い王者が目立つ。WBA王者のキリル・レリク(29=ベラルーシ):25戦23勝(19KO)2敗、WBC王者のホセ・ラミレス(26=アメリカ):23戦全勝(16KO)、WBCダイヤモンド王者のレジス・プログレイス(30=ベラルーシ):23戦全勝(19KO)、IBF王者のイバン・バランチク(26=アメリカ):19戦全勝(12KO)、WBO王者のモーリス・フッカー(29=アメリカ): 28戦25勝(17KO)3分――実績、実力ともほぼ横一線といってもいいだろう。
 上記5王者のうちラミレスとフッカーを除く3人は、賞金トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」に参戦しており、準決勝でレリクとプログレイスが対戦、バランチクは14戦全勝(12KO)のジョシュ・テイラー(28=イギリス)と拳を交えることになっている。WBSSに不参加のWBC王者、ラミレスは32戦30勝(25KO)1敗1無効試合のホセ・セペダ(29=アメリカ)と、WBO王者のフッカーはミッケル・レスピエール(34=トリニダードトバゴ/アメリカ)と、それぞれV2戦を行う。
 こうした一方、ラミレス対セペダのWBCタイトルマッチのセミファイナルでは、WBA3位、WBC9位、IBF5位、WBO2位にランクされる岡田博喜(29=角海老宝石)と、元WBO世界ライト級王者で現在はスーパー・ライト級でWBC12位、WBO5位のレイムンド・ベルトラン(37=メキシコ)のカードが組まれている。この試合の勝者がWBC王座への挑戦権を握るとみて間違いないだろう。

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