アブネル・マレスが戦線離脱
ルイスが3階級制覇狙って代役挑戦

  • 2019/03/01

 伊藤雅雪(28=伴流)がWBO王座に君臨するスーパー・フェザー級で、いま最も勢いがあるうえ潜在能力も高いと評価されているのがこのWBAスーパー王者、ジャーボンテイ・デービス(24=アメリカ)だ。6年前にプロデビューしてからの戦績は20戦全勝(19KO)。最近は11連続KO勝ちと手のつけられない強さを見せつけている。今回は本来ならば3階級制覇の実績を持つアブネル・マレス(33=メキシコ)を相手に初防衛戦を予定していたが、マレスが挑戦を辞退したためウーゴ・ルイス(32=メキシコ)に白羽の矢が立った経緯がある。ちなみにマレスはスパーリング中に右肘を負傷したと伝えられたが、のちに右目の網膜剥離に罹患していることが判明している。エンジンのかかりが早いデービスが一気に攻め落としてしまうのか、それともルイスが番狂わせを起こして3階級制覇を成し遂げるのか――。
 デービスはアマチュアで220戦205勝15敗の戦績を残し、13年2月に18歳でプロに転向した。9戦目に2度のダウンを奪いながら6回判定勝ちにとどまった以外、19試合は規定ラウンド内で終わらせてきた。そのうち14試合は3ラウンド以内でけりをつけている。相手との力量差の問題もあるが、偵察に多くの時間を費やさないタイプといっていいだろう。それは世界のトップ戦線に躍り出てからも変わらない。初戴冠試合となったホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)戦は7回TKO、初防衛戦のリアム・ウォルシュ(32=イギリス)戦は3回TKO、体重オーバーで王座を失った翌日のフランシスコ・フォンセカ(25=コスタリカ)戦は8回KOで仕事を完遂。そして昨年8月、ヘスス・クェジャル(32=アルゼンチン)を3回TKOで屠って現在の王座を手に入れている。
 「TANK(装甲戦車)」の異名が示すように身長は166センチと決して大きくはないが、左構えからスピードのあるパンチで積極的に仕掛けて攻め落としてしまう攻撃型で、世界王者でありながら多くの伸びしろを残している逸材だ。あのフロイド・メイウェザー(アメリカ)がプロモーターを務めていることでも知られている。ただ、計量で失格したことがあるように、トラブルが多い選手でもある。
昨年秋にはケンカで身柄を拘束されたというニュースも流れた。体調管理を含め、最大の敵は自分自身といえそうだ。
 マレスの代役として挑戦することになったルイスは、2度の来日経験を持つ元2階級制覇王者として知られる。ただ、WBA暫定世界バンタム級王者として初来日して正王者の亀田興毅と対戦したときは12回判定負け(12年12月)。16年9月にWBC世界スーパー・バンタム級王者として長谷川穂積(真正)と拳を交えた際は、激闘を展開したものの鼻骨骨折のため棄権している(9回TKO負け)。
日本では満足のいく結果を出せていないルイスだが、世界戦だけで9試合を行い6勝(4KO)3敗という数字を残すなど経験値ではデービスを上回っている。ただ、長谷川戦後に2年近いブランクがあり、昨年8月に戦線復帰してからはスーパー・バンタム級、フェザー級と階級をアップ。今回はさらに1階級上のスーパー・フェザー級での試合となる。しかも前戦から3週間という短期間で世界挑戦となるため、こちらも調整が気になるところだ。
 ルイスも43戦39勝(33KO)4敗という強打者だが、デービスと比べるとスピードで見劣りする。攻防のテンポや仕掛けどころの見極めという点でも王者が一枚も二枚も上だ。ルイスは身長176センチと大きいが、今回はそれがアドバンテージになるとは思えない。
踏み込みの鋭いデービスに下から潜られ、回転の速いパンチに脅かされそうだ。コンディション調整さえ間違えなければデービスの勝利は不動といっていいだろう。

スーパー・フェザー級トップ戦線の現状

WBA SC :ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBA   :アンドリュー・カンシオ(アメリカ) ※マチャド
WBC   :ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)
IBF   :テビン・ファーマー(アメリカ)
WBO   :伊藤雅雪(伴流)

 伊藤雅雪(28=伴流)を除く4王者は、いずれも北米大陸出身者で占められている。
※今後、マチャド対カンシオ戦を放送する場合
 伊藤雅雪(28=伴流)を除く4王者は、北米およびカリブ出身者で占められている。
 興味深いのは5人ともタイプが異なる点である。現時点で最も高い評価を受けているWBAスーパー王者のジャーボンテイ・デービス(24=アメリカ)はスピードと強打を併せ持ったサウスポーで、同じ左構えでもIBF王者のテビン・ファーマー(28=アメリカ)は防御に長けたテクニシャンだ。最も長い在位を誇るWBC王者のミゲール・ベルチェルト(27=メキシコ)は相手によって攻撃的なスタイルと迎撃ボクシングをつかい分けることができる。伊藤は恵まれた体格を生かした正統派のボクサーファイターで、右ストレートは破壊力がある。
 このうちデービスはウーゴ・ルイス(32=メキシコ)、ファーマーはジョノ・キャロル(26=アイルランド)、ベルチェルトは前王者のフランシスコ・バルガス(34=メキシコ)との防衛戦が決まっている。伊藤もアマチュア時代に12年ロンドン五輪出場の実績を持つサウスポー、ジャメル・へリング(33=アメリカ)とのV2戦が濃厚と伝えられる。上半期で大きな動きがあるかどうか、まずは注目したい。
 この階級はホープの台頭も目立つ。なかでもWBO1位まで上がってきたライアン・ガルシア(20=アメリカ)には要注目だ。右ストレートと左フックを武器に17戦全勝(14KO)をマークしている逸材で、経験値を上げてくると王者たちに脅威を与えそうだ。WBC2位のエドゥアルド・エルナンデス(21=メキシコ)にも注目したい。こちらはデビュー7戦目から21連続KO中で、通算戦績は27戦全勝(24KO)。このふたりは今年から来年にかけて世界戦に絡んできそうだ。

アゴの骨折から復帰するバルデス
16年リオ五輪戦士をパワーで圧倒か

 オスカー・バルデス(28=メキシコ)は昨年3月のV4戦でスコット・クィッグ(30=イギリス)に12回判定勝ちを収めて4度目の防衛に成功したが、体重オーバーの相手のパンチを浴びてアゴを骨折。治療と休養に11ヵ月を費やすことになった。これが5度目の防衛戦であると同時に戦線復帰戦となる。
 バルデスはアマチュア時代、17歳で08年北京五輪(バンタム級1回戦敗退)、21歳のときには12年ロンドン五輪(バンタム級ベスト8)に出場した実績を持っている。このほか世界ユース選手権優勝(08年)、パンナム大会フェザー級準優勝、09年世界選手権フェザー級3位(準決勝でワシル・ロマチェンコにポイント負け)、11年世界選手権出場(バンタム級2回戦敗退)、11年パンナム大会バンタム級準優勝といった成績を残している。21歳でプロ転向後も順調な歩みをみせており、ここまで24戦全勝(19KO)を収めている。V2戦、V3戦、V4戦は判定勝負になったが、それでもKO率は79パーセントと高い。
 挑戦者のカーマイン・トマソーネ(34=イタリア)は10年6月にプロデビューして15連勝をマーク。この間、イタリア国内王座、WBAインターコンチネンタル王座、EBU欧州連合王座などを獲得した。16年夏にはプロの出場が解禁となったリオデジャネイロ五輪に出場し、初戦をクリアしてライト級ベスト16に入った。五輪後にプロに戻り、WBAインターコンチネンタル王座を取り戻すなど4連勝を収めている。通算戦績は19戦全勝(5KO)。技巧が売りの選手だが、戦績が示すとおりパワーには物足りなさが残る。
 攻撃力で大きく勝るバルデス有利は絶対的だが、11ヵ月のブランクはやはり気になる。この間、バルデスはサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)の指導者でもあるエディ・レイノソ・トレーナーに師事するようになっており、その効果がどう出るか。勘の鈍りがなければバルデスがパワーで圧倒しそうだ。

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