27歳の万能型 vs 経験豊富な36歳
存在感増すビボル V6濃厚

  • 2018/12/07

 17年に本格的なアメリカ進出を果たしてから存在感と評価が急上昇中のドミトリー・ビボル(27=キルギス/ロシア)の6度目の防衛戦。09年~11年にかけてWBC王座を4度防衛した実績を持つジャン・パスカル(36=ハイチ/カナダ)を相手にどんな戦いを見せるのか注目される。

プロ転向1年半 7戦目で暫定王座獲得したビボル

 ビボルはモルドバ出身の父親と韓国出身の母親の間にキルギスで生まれ、現在はロシア国籍を取得している。ロシアのサンクトペテルブルクに居住しているが、ボクサーとしてのホームはアメリカに置いている。ボクシングは6歳のときに始め、アマチュアで283戦268勝15敗の戦績を残している。五輪出場は果たせなかったが、世界ユース選手権3位(08年)、ロシア選手権ライト・ヘビー級優勝(12年、14年)といった実績が光る。
 アレクサンデル・ポベトキン(元WBA世界ヘビー級王者)やエドゥアルド・トロヤノフスキー(元IBF世界スーパー・ライト級王者)らロシア出身のトップ選手を擁するアンドレイ・リャビンスキー・プロモーターと契約して14年11月にモスクワでプロデビュー。1年半後の16年5月にはWBA暫定世界ライト・ヘビー級王座を獲得した。プロ転向7戦目という早い出世だった。順調に2度の防衛をこなしたが、実績の乏しい挑戦者が相手だったこともあり、この時点では必ずしも評価が高かったわけではない。
 ビボルが知名度と評価を上げたのは17年6月、世界挑戦経験者のセドリック・アグニュー(アメリカ)に無冠戦で4回TKO勝ちしたころからだ。この日のメインカードが同じライト・ヘビー級のWBA、IBF、WBO3団体統一タイトルマッチ、アンドレ・ウォード(アメリカ)対セルゲイ・コバレフ(35=ロシア)の再戦だったこともあり、前座で印象的な勝利を収めたビボルの存在感が大きく跳ね上がったのである。正王者に昇格後の今年3月にはWBA位にランクされていた実力者のサリバン・バレラ(36=キューバ)に12回TKO勝ちを収め、「ホンモノ」感を高めた。そしてV5戦となった8月のアイザック・チレンバ(31=マラウィ)戦を経て今回のパスカル戦を迎えることになった。戦績は14戦全勝(11KO)で、そのうち6試合が世界戦と中身は濃い。

04年アテネ五輪出場の実績を持つパスカル

 若くて勢いのある王者に対し、WBA9位にランクされる挑戦者のパスカルは経験値の高いベテランだ。カリブ海のハイチ出身で、家族でカナダに移住後、兄の影響を受けて13歳のときにボクシングを始めた。2000年の世界ジュニア選手権出場(2回戦敗退)、02年の英連邦大会優勝後、カナダ代表として04年アテネ五輪にも出場した(ミドル級1回戦敗退)。アマチュア戦績は121戦103勝18敗と伝えられる。05年にプロ転向を果たし、08年にはスーパー・ミドル級でWBC王座決定戦に出場したが、このときはカール・フロッチ(イギリス)に中差の12回判定負けを喫している。
 その後、ライト・ヘビー級に転向して09年にWBC王座を獲得。この王座は元王者のシルビオ・ブランコ(イタリア)=10回TKO勝ち、前王者アドリアン・ディアコヌ(ルーマニア)=12回判定勝ち、元王者チャド・ドーソン(アメリカ)=11回負傷判定勝ち、元ミドル級V20王者のバーナード・ホプキンス(アメリカ)=12回引き分け、と4度防衛したが、46歳4ヵ月になったホプキンスとの再戦で敗れて失った。
 15年3月と16年1月、返り咲きを狙って全盛期のコバレフに挑んだが、8回TKO、7回終了TKOで敗れた。さらに17年6月には現WBO王者のエレイデル・アルバレス(34=コロンビア)にも中差の判定負けを喫したが、再起してからは2連続TKO勝ちを収めている。戦績は40戦33勝(20KO)5敗1分1無効試合。

王者のV6が濃厚

 昇竜の勢いにある27歳のビボルと、酸いも甘いも噛み分けた36歳のパスカル。新旧王者対決という分かりやすい構図のカードだ。
ビボルは左ジャブから右ストレート、さらに上下に打ち分ける攻撃に加え戦況を見極める勘や間合いを外すタイミング、さらに防御勘にも優れている。一方のもともとパスカルはスピードが身上だったが、最近は必要に迫られて打撃戦もこなす。ただ、ビボルが相手となると攻略の糸口を見つけるまでにけっこうな時間を要することになるだろう。
 ビボルが左ジャブを差し込みながら圧力をかけ、右ストレートに繋げるチャンスをうかがう展開に持ち込む可能性が高そうだ。王者が大きなミスを犯さないかぎり防衛は堅いとみる。

ライト・ヘビー級トップ戦線の現状

WBA   :ドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)
WBC   :アドニス・スティーブンソン(ハイチ/カナダ)
WBC 暫定:オレクサンダー・グボジーク(ウクライナ)
IBF   :アルツール・ベテルビエフ(ロシア)
WBO   :エレイデル・アルバレス(コロンビア)

 16年秋まではWBA、IBF、WBO3団体統一王者だったセルゲイ・コバレフ(35=ロシア)、WBC王者のアドニス・スティーブンソン(41=ハイチ/カナダ)の2強という構図だった。しかし、アンドレ・ウォード(アメリカ)によってコバレフ政権が崩され、さらにそのウォードが引退したあとは4団体が別々の王者を認定する混戦状態になっている。
 一時期は13戦全KO勝ちのIBF王者、アルツール・ベテルビエフ(33=ロシア)が一気に突き抜けるかと思われたが、ビジネス上の摩擦などが理由で活動が不活発となっている。対照的に急浮上してきたのが14戦全勝(11KO)のWBA王者、ドミトリー・ビボル(27=キルギス/ロシア)だ。攻防一体型の正統派強打者で、経験値を上げていけばさらにスケールアップする可能性を秘めているといえる。WBO王者のエレイデル・アルバレス(34=コロンビア)は今年8月、コバレフを逆転の7回KOで討ち取って戴冠を果たした技巧派で、24戦全勝(12KO)をマークしている。コバレフとの再戦が計画されているとの情報もあり、そのリマッチでも勝つようならさらに評価を上げるはずだ。
 ランカー陣のなかではバドゥ・ジャック(35=スウェーデン)が一番の実力者といえよう。スーパー・ミドル級時代から、アンソニー・ディレル(アメリカ)、ジョージ・グローブス(イギリス)、ルシアン・ビュテ(ルーマニア)、ジェームス・デゲイル(イギリス)、そしてライト・ヘビー級でアドニス・スティーブンソン(41=ハイチ/カナダ)と、際どい勝負が続いている。いまは無冠だが、実力はチャンピオンと同等とみていいだろう。新しいところでは12年ロンドン五輪出場の実績を持つ22戦全勝(16KO)のマーカス・ブラウン(28=アメリカ)、17戦全勝(16KO)のアンソニー・ヤード(27=イギリス)らに注目したい。

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