スター候補の王者 仕切り直しの初防衛戦
22戦全勝16KO vs 27戦全勝17KO

  • 2018/10/19

 アメリカの大手プロモート会社、トップランク社がテレンス・クロフォード(31=アメリカ)、ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)に次いで中量級の核として期待しているWBC世界スーパー・ライト級王者のホセ・カルロス・ラミレス(26=アメリカ)が、3位のアントニオ・オロスコ(30=メキシコ)を相手に初防衛戦に臨む。22戦全勝(16KO)のラミレス、27戦全勝(17KO)のオロスコ。ともに好戦的なタイプだけに、序盤から激しいパンチの交換が見られそうだ。
 ラミレスは11年世界選手権(ライト級2回戦でロマチェンコにポイント負け)、12年ロンドン五輪(2回戦敗退)に出場するなどアマチュアで93戦85勝8敗の戦績を残し、トップランク社と契約を交わしてプロに転向した。デビュー戦ではマニー・パッキャオ(フィリピン)対ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)第4戦の前座で1回TKO勝ちを収めている。12年12月のことである。以後、着実に力をつけ、昨年11月にはマイク・リード(25=アメリカ)との世界ランカー対決を2回KOで制し、今年3月のWBC王座決定戦ではアミール・イマム(27=アメリカ)に12回判定勝ちを収めた。この試合はWBCの2000試合目の世界戦だった。初防衛戦は7月にセットされたが、挑戦者のダニー・オコーナー(33=アメリカ)が試合前日の計量を前に脱水症状のため昏倒、キャンセルになっている。したがって今回のオロスコ戦が仕切り直しの初防衛戦ということになる。
 スタミナと手数、度胸のあるファイター型のラミレスは、キャリアを積めば総合的な戦力は伸びる可能性を持っている。デビュー時から指導を受けていたフレディ・ローチ・トレーナーに代わり、今年からロベルト・ガルシア・トレーナーに師事している。
 挑戦者のオロスコはアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス生まれでサンディエゴ在住だが、メキシコ国籍を持っている。ラミレスよりも4年早い08年にプロデビューし、体重超過などトラブルはあるもののリング内では10年間に一度の挫折もなく27の勝利を積み上げてきた。このなかにはスティーブ・フォーブス(アメリカ)、ウンベルト・ソト(メキシコ)、ミゲール・アコスタ(ベネズエラ)といった元世界王者を破った白星も含まれている。さらにミゲール・ウエルタ(メキシコ)、マルティン・オノリオ(メキシコ)、エマヌエル・テイラー(アメリカ)ら元世界ランカーを下している。世界戦の舞台には上がっていないが、それ以外の経験値ではラミレスと伍するものがある。
 オロスコも好戦的な選手で、ガードを高めに置いたスタイルでプレッシャーをかけ、フック系のパンチで攻めることが多い。クロス気味に被せる右のほか左右の上下打ちなどが主武器といえる。
 ともに積極的なボクシングを身上としているだけに、まずは序盤の主導権争いに注目したい。ここで圧力をかける展開に持ち込んだ方がペースを握ったとみていいだろう。手数の多い激闘になりそうだが、オッズは11対4でラミレス有利と出ている。

スーパー・ライト級トップ戦線の現状

WBA   :キリル・レリク(ベラルーシ)
WBC   :ホセ・ラミレス(アメリカ)
IBF   :空位
WBO   :モーリス・フッカー(アメリカ)

 約1年前までは4団体の王座統一を果たしたテレンス・クロフォード(31=アメリカ)が押しも押されもせぬ絶対的な王者としてトップの座に君臨していたが、ウェルター級に転向したため再び王座が4つに分かれた。WBAではキリル・レリク(28=ベラルーシ 25戦23勝19KO2敗)、WBCではホセ・ラミレス(26=アメリカ 22戦全勝16KO)が王座につき、IBFではセルゲイ・リピネッツ(29=カザフスタン/ロシア)からマイキー・ガルシア(30=アメリカ)にベルトの持ち主が変わり、そのガルシアがライト級に戻ったため現在は空位になっている。WBOではモーリス・フッカー(29=アメリカ 27戦24勝16KO3分)が戴冠を果たしている。また、3月にはレジス・プログレイス(29=アメリカ 22戦全勝19KO)がWBC暫定王座を獲得したが、のちに肩書が「ダイヤモンド王者」に変更されている。
 そして今夏、この階級で賞金トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」が実施されることが発表され、すでに10月にはWBA王者のレリクが元WBA王者のエドゥアルド・トロヤノフスキー(38=ロシア 29戦27勝24KO2敗)に12回判定勝ちを収めている。このほかプログレイス対テリー・フラナガン(29=イギリス 34戦33勝13KO1敗)、ジョシュ・テイラー(27=イギリス 13戦全勝11KO)対ライアン・マーティン(25=アメリカ 22戦全勝12KO)、IBF王座決定戦としてイバン・バランチク(25=ロシア/ベラルーシ 18戦全勝11KO)対アンソニー・イギット(27=スウェーデン 22戦21勝7KO1分)が組まれている。井上尚弥(25=大橋)の参戦で日本では話題がバンタム級トーナメントに集中しているが、スーパー・ライト級もタレント揃いで誰が勝ち残るか予想が難しい状況といえる。こうしたなかラミレスとフッカーはこれらとは別路線を歩んでいるわけだ。
 無冠組ではWBO1位のアレックス・サウセド(24=メキシコ/アメリカ 28戦全勝18KO)、WBA4位、WBC12位、IBF5位、WBO3位にランクされる岡田博喜(28=角海老宝石 19戦全勝13KO)が挑戦の機会を待っている。さらに3階級制覇の実績を持つホルヘ・リナレス(33=帝拳 49戦45勝28KO4敗)も参戦してくる可能性があるだけに、今後の動きに要注目だ。

2階級制覇狙うKID vs 初戴冠狙うアメリカン・アイドル
ファーマーのスピードと技巧が凌駕か

 11年7月から13年3月までIBF世界フェザー級王座に君臨した実績を持つビリー・ディブ(32=オーストラリア)と、デビュー戦のTKO負けを含め12戦目までに喫した4度の敗北を糧に這い上がってきたサウスポーのテビン・ファーマー(28=アメリカ)。地の利はディブにあるが、ややサウスポーを苦手としている傾向があるだけに、ファーマーのスピードとテクニックに手を焼きそうだ。
 中東レバノン出身の両親を持つディブは12歳のときにボクシングを始め、03年の世界選手権(ライト級2回戦敗退)に出場したこともある。レバノンからアテネ五輪チームを打診されたほどだったが、オーストラリア在住であることを理由に断ったと伝えられる。五輪出場の機会を逃したあと元世界王者のナジーム・ハメド(イギリス)の指導を仰ぐためにイギリスに渡ったが、そのハメドの勧めでプロに転向した。06年から08年にかけてアメリカを拠点に活動した際、シェーン・モズリー(アメリカ=元世界3階級制覇王者)と知り合い、それが縁でゴールデンボーイ・プロモーションズと契約していた時期もある。11年11月にIBF世界フェザー級王座を獲得し、2度防衛後、エフゲニー・グラドビッチ(ロシア)に敗れて無冠に戻った。それを機に1階級上げ、15年5月には来日して三浦隆司(帝拳)の持つWBC世界スーパー・フェザー級王座に挑んだが、「ボンバー・レフト」を被弾して3回TKOで敗れた。以後は5戦4勝(1KO)1無効試合と調子を取り戻している。通算戦績は49戦43勝(24KO)4敗2無効試合。
 一方のファーマーは16戦12勝4敗のアマチュア戦績を残したあと11年2月にプロに転向した。しかし、この初陣で4回TKOで敗れたのをはじめ、4戦目と8戦目には判定負け、さらに12戦目にはのちの世界王者、ホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)に8回TKO負けを喫すなど散々な新人時代を送ることになった。しかし、その後は20試合して19勝(4KO)1無効試合と負けを知らない。17年12月の初の世界戦では尾川堅一(30=帝拳)に12回判定負けを喫したが、のちに相手のドーピング違反が判明したため結果がノーコンテスト(無効試合)に変更されている。通算戦績は31戦25勝(5KO)4敗1分1無効試合。トップ選手には珍しく、KO率は16パーセントと低い。
 ディブは両グローブを比較的高めに置いた構えから相手の打ち終わりを狙って攻め込むカウンター・アタックが得意で、構えを左にスイッチすることもある。ただ、三浦を含め4敗のうち2敗はサウスポーに喫したもので、左構えの相手に対して苦手意識が感じられる。今回の相手、ファーマーは上体を低く沈めたウィービングで相手のパンチを空転させ、ワンツーを軽く顔面に触れては立ち位置を変えるタッチ&アウェーのスタイルを確立している。スピードと勘の良さがあるからできる芸当といえよう。著しくパワーに欠けるため必ずしも万人に受け入れられる戦い方ではないが、その技術力は評価すべきだろう。今回も持ち味のスピードとテクニックで元フェザー級王者を翻弄しそうだ。

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