勝者が戴冠 敗者はトップ戦線脱落
非情な元王者対決

  • 2018/10/05

 右肘の故障、手術に続いて拳を負傷したため昨年3月以降、長期ブランクが続いているキース・サーマン(29=アメリカ)が返上して空位になったWBC世界ウェルター級王座を、そのサーマンに惜敗した元王者ふたり、ダニー・ガルシア(30=アメリカ)とショーン・ポーター(30=アメリカ)が争う。勝者が王座に返り咲き、敗者は内容しだいではトップ戦線から脱落するという非情なサバイバル戦だ。
 今回の試合で3対2のオッズで有利とみられているガルシアは、12年にWBC世界スーパー・ライト級王座を奪取し、4ヵ月後にはアミール・カーン(31=イギリス)を倒して2冠を統一。16年にはウェルター級王座を獲得して無傷のまま2階級制覇を成し遂げた。しかし、ノンタイトル戦を挟んで臨んだWBA王者サーマンとの統一戦で12回判定負けを喫し、無冠に戻った。今年2月、元王者ブランドン・リオス(32=アメリカ)を右一発でキャンバスに沈め、先に指名挑戦権をゲットしていたポーターを差し置いてWBCから最優先の挑戦者として承認された。
 35戦34勝(20KO)1敗の戦績を残しているガルシアはKO率こそ6割に満たないが、カーンやエリック・モラレス(メキシコ)を痛烈なKO(TKO)で下しているほかザブ・ジュダー(アメリカ)、ルーカス・マティセ(アルゼンチン)らからもダウンを奪っており、数字以上にパンチャーのイメージが強い。その多くは独特のタイミングと角度から繰り出した左フックによるものだが、リオス戦では右にも破壊力があることを証明したといえる。
 ガルシアの1つ下、WBC2位に甘んじているポーターは13年12月にサウスポーのデボン・アレキサンダー(31=アメリカ)を攻略してIBF世界ウェルター級王座を獲得。初防衛戦では元2階級制覇王者のポール・マリナッジ(アメリカ)を4回で粉砕して長期政権を予感させたが、V2戦でケル・ブルック(32=イギリス)に 判定負け、在位は8ヵ月に終わった。16年6月には友人でもあるサーマンに挑んだが、ジャッジ三者とも115対113と採点する僅差判定で敗れた。再起戦では元王者のアンドレ・ベルト(35=アメリカ)から計3度のダウンを奪って9回TKO勝ち、サーマンへの再挑戦を視界にとらえた。その後は強打とタフネスに定評のあるアドリアン・グラナドス(29=アメリカ/メキシコ)を判定で下して待機状態にある。
 31戦28勝(17KO)2敗1分のポーターは、身長170センチとウェルター級にしては小柄な部類に入る。その体型を生かして下から潜るようにして相手を追い立て、力強い左右フックを振って攻め落としてしまう。一発の破壊力よりも手数と回転でなぎ倒すタイプだ。
 両者のスタイルから考えると、ポーターが攻めてガルシアが迎え撃つという構図が容易に頭に浮かぶ。ともにスキルと一定以上のタフネスも兼ね備えているだけに、簡単にKOでけりがつくとは思えない。接戦は必至であろう。となると勝負を分けるポイントは絞られる。ポーターの攻勢が有効なものなのか、それともガルシアのカウンター・アタックの方が効果的なのか、その一点といっていいだろう。サーマン対ポーター、サーマン対ガルシアと同様、優劣の見極めが難しい試合になりそうだ。

ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :キース・サーマン(アメリカ)
WBA SC :マニー・パッキャオ(フィリピン)
WBC   :空位
IBF   :エロール・スペンス(アメリカ)
WBO   :テレンス・クロフォード(アメリカ)

 もともとミドル級などとともに世界的に選手層の厚い階級だが、これほどスター選手が集結するのは珍しい。最も実績があって知名度が高いのはWBAレギュラー王者のマニー・パッキャオ(39=フィリピン)だが、この6階級制覇のサウスポーは12月で40歳になる。フィリピンの上院議員という肩書もあり、周囲からは「あと3試合で引退」という声も漏れ聞こえる。その3試合の相手としては15年5月に拳を交えたフロイド・メイウェザー(アメリカ)や、かつてスパーリングで手合わせしたアミール・カーン(31=イギリス)らの名前が挙がっている。早ければ12月か来年1月にも次戦が組まれそうな気配だが、誰と戦うのか要注目だ。
 そのパッキャオを差し置いて実力トップの座を争うのが、IBF王者のエロール・スペンス(28=アメリカ)とWBO王者のテレンス・クロフォード(31=アメリカ)だ。サウスポーのスペンスは24戦全勝(21KO)の戦績を残しているサウスポーの強打者で、世界戦3試合を含めて11連続KO勝ちをマークしている。一方のクロフォードはウェルター級での実績は6月のジェフ・ホーン(30=オーストラリア)戦の9回TKO勝ちだけだが、それ以前にライト級とスーパー・ライト級でも戴冠を果たしており、実力は証明済みだ。
スペンスの強打、クロフォードのスピードとスキル――来年には頂上決戦を見たいものだ。
 このふたりと伍する実力を持っていると思われるのがWBAスーパー王者のキース・サーマン(29=アメリカ)だが、右肘の手術や拳の負傷で17年3月を最後にリングから遠ざかっており、復帰する際には勘の鈍りが気になりそうだ。
 上記4王者と大きな差をつけられることなくついているのが、ダニー・ガルシア(30=アメリカ)とショーン・ポーター(30=アメリカ)だ。このふたりも実力は証明しているだけに、今回のWBC王座決定戦で肩書を手に入れれば再びクローズアップされることになるだろう。
 無冠組では、IBF2位のヨルデニス・ウガス(32=キューバ)、WBO2位のエギディユス・カバリアウスカス(30=リトアニア)、 元王者のアミール・カーン(31=イギリス)、エイドリアン・ブローナー(29=アメリカ)、ジェシー・バルガス(29=アメリカ)らに注目したい。

ランカー同士のサバイバル戦
北京五輪銅 ウガスの技巧に注目

 ヨルデニス・ウガス(32=キューバ)はアマチュア時代、キューバのナショナル選手権で5度の優勝を飾っているほか、国際大会では08年北京五輪でライト級銅メダルを獲得。05年の世界選手権や06年の中米カリブ大会、07年パンナム大会などで優勝している。
プロ転向後はパワー不足のため安定感や迫力を欠く試合もあったが、 この2年は7連勝(4KO)と好調を維持している。両ガードを高く揚げて構え、戦況を見ながら自ら打って出たり、待って相手の打ち終わりを狙ったりとボクシングの幅は広い。左ジャブで切り込み、右ストレートから左フックに繋げる攻撃パターンを持つ。パワーはウェルター級では平均の域を出ないが、豊富なアマチュア経験で培ったテクニックに光るものがある。25戦22勝(11KO)3敗。今回はWBCの挑戦者決定戦の準決勝だが、今年2月にはレイ・ロビンソン(32=アメリカ)とのランカー対決を7回TKOで制してIBF2位にもランクされている。
 「ラ・ホヤ」宝石というニックネームを持つバリヌエボは39戦34勝(24KO)3敗2分のレコードを残しているサウスポーで、WBC8位、IBF11位に名を連ねている。WBC中南米王座など地域王座獲得以外では昨年10月に、当時WBO8位だったアドリアン・ベロン(アルゼンチン)に6回KO勝ちを収めている。ベロンとは今年1月に再戦し、131秒KOで返り討ちにしている。これらを含め10連勝(7KO)と上り調子だ。上体を振りながら左フックで飛び込むボクサーファイター型だが、60パーセントのKO率ほどの攻撃力は感じられない。
 パワーはともかくとして、スピードやテクニックで勝るウガス有利は揺るがないところであろう。序盤から着実にポイントを重ねるものと思われるが、この階級で存在感を示すためにもKO勝ちを狙ってほしい。

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