37歳の雑草派王者 vs 五輪出場のエリート挑戦者
実力者同士の対決は接戦濃厚

  • 2018/10/05

 今年2月、4度目の世界アタックで悲願のベルトを手に入れたレイムンド・ベルトラン(37=メキシコ)の初防衛戦。プロ19年、44戦目で獲得した虎の子の王座を簡単に手放すわけにはいかない。一方、挑戦者のホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)は08年北京五輪に出場したこともある元アマチュア・エリートで、プロではIBF世界スーパー・フェザー級王座に君臨した実績も持っている。
勝てば2階級制覇となるだけに、こちらのモチベーションも高いものがある。実力者同士のカードは20対19のオッズでわずかに王者有利と出ている。接戦が予想される。
 ベルトランは6階級制覇の実績を持つ現WBA世界ウェルター級王者、マニー・パッキャオ(39=フィリピン)のスパーリング・パートナーを務めていたこともあり、パンチ力とともにタフネスにも定評がある。ただ、現在の地位に辿り着くまでには数々の挫折を経験してきた。十代のときに2度の敗北を喫したのに始まり、世界を視野に入れてからもアメス・ディアス(パナマ)、シャリフ・ボーゲリー(ウガンダ)、ルイス・ラモス(アメリカ)らに行く手を遮られたまま30代を迎えた。ヘンリー・ランディ(アメリカ)、金智勲(キム・チフン=韓国)ら強豪を連破してトップ戦線に躍り出て、世界初挑戦のチャンスを得たのは32歳のときだった。リッキー・バーンズ(35=イギリス)のホームに乗り込んだベルトランは王者のアゴを砕いたすえ8回には値千金のダウンを奪ったが、三者三様のドローという結果に泣いた。相手側のプロモーターが「ベルトランが勝っていたと思う」と地元判定を認めるほどだった。14年11月にはテレンス・クロフォード(31=アメリカ)に挑んだが、これは実力負けといっていいだろう。15年5月には3度目のチャンスを掴んだが、体重超過のため計量で失格するというミスを犯し、のちにドーピング違反も発覚。1年のサスペンド(出場停止処分)をくらうなど散々だった。
 それでもベルトランは腐らなかった。戦線復帰後はメイソン・メナード(アメリカ)、ジョナサン・マイセロ(ペルー)、ブライアン・バスケス(コスタリカ)ら手強いトップ選手を連破。そして今年2月、テリー・フラナガン(29=イギリス)が返上して空位になった王座の決定戦に出場し、元王者のパウルス・モーゼス(40=ナミビア)に12回判定勝ち、悲願の戴冠を果たした。足かけ20年の戦績は44戦35勝(21KO)7敗1分1無効試合。
 対するペドラサはアマチュア時代に08年北京五輪に出場(ライト級2回戦敗退)したほか、世界選手権にも2度出場した。特に09年大会ではライト級で準優勝するなど輝かしい実績を残している。11年にプロ転向後も歩みは順調で、15年6月に20戦目でIBF世界スーパー・フェザー級王座を獲得。さらに2度の防衛にも成功した。プロ7年の戦績は25戦24勝(12KO)1敗。唯一の敗北はジャーボンテイ・デービス(23=アメリカ)に7回TKO負けを喫して世界王座を失ったものだが、以後はライト級に転じて2連続判定勝ちを収めている。
デービス戦を機にディベラ・エンタテインメント社を離れ、新たにトップランク社と契約。3戦目で大きなチャンスを掴んだわけだ。
 ベルトランは中間距離で持ち味を発揮する攻撃型の選手で、特に左フックが強い。右のパンチにも破壊力があり、距離とタイミングが合ったら手がつけられない強さを発揮する。ペドラサは構えを左右に変えるスイッチヒッターで、長距離、中距離、そして近距離でも戦える幅の広さを持つ。初防衛を狙うベルトランは圧力をかけながら中近距離での打撃戦に持ち込みたいところだが、ペドラサがどんな選択をするかがカギといえそうだ。左右どちらのスタンスで戦うのか、打撃戦に応じるのか、それとも効率的に迎え撃つのか。挑戦者サイドの戦術に注目したい。パンチ力で勝るベルトランにわずかに分があるとみるが、ペドラサも総合的に高い戦力を備えているだけに終盤まで競る可能性が高そうだ。
 なお、この試合の勝者は12月にWBA王者のワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)との統一戦を行う計画がある。ライト級トップ戦線の今後を占う意味でも興味深いカードだ。

ライト級トップ戦線の現状

WBA SC :ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
WBC   :マイキー・ガルシア(アメリカ)
IBF   :マイキー・ガルシア(アメリカ)
WBO   :レイムンド・ベルトラン(メキシコ)

 ホルヘ・リナレス(33=帝拳)を10回TKOで下して3階級制覇を成し遂げたWBAスーパー王者のワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)と、IBF王者だったロバート・イースター(27=アメリカ)との統一戦で圧勝した2団体王者のマイキー・ガルシア(30=アメリカ)が双璧といえる。体重が同一と仮定した最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」ではロマチェンコの方が上にランクされることが多いが、4階級制覇を達成している39戦全勝(30KO)のガルシアもトップ5以内に位置づけられることが多く、やはり高い評価を受けている。この両者の対決を望む声は多いが、ロマチェンコを擁するトップランク社とガルシアの間に確執があり、それが障壁になっている。
 このふたりに次ぐ評価を受けているのがリナレスだ。ロマチェンコには10回TKOで敗れたが、それまでの内容は互角に近く、底力が十分にあることを証明している。
 WBO王者のレイムンド・ベルトラン(37=メキシコ)は強打とタフネスに定評がある攻撃型の選手。今回のホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)戦は真価を問われる一戦といえる。
 IBFの指名挑戦権を持つリチャード・コメイ(31=ガーナ)はロバート・イースター(27=アメリカ)に敗れて世界王座を取り損ねたが、王者級の力があるとみられている。このほか元WBA王者のアンソニー・クロラ(31=イギリス)、3階級制覇を狙うサウスポーのハビエル・フォルトゥナ(29=ドミニカ共和国)、WBA2位のダウド・ヨルダン(インドネシア)らが挑戦の機会を狙っている。

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