21歳のライジングスターが初防衛戦
挑戦者は4代前の王者スミス

  • 2018/08/31

 今年になって急成長を遂げ、21歳の若さでWBO世界スーパー・ウェルター級王者になったハイメ・ムンギア(メキシコ)の初防衛戦。WBO1位の指名挑戦者、リアム・スミス(29=イギリス)はムンギアの4代前の王者で、2度の防衛実績を持つ。単なる勢いで戴冠を果たしたのか、それとも確かな実力を備えたうえでの王座獲得なのか、ムンギアの真価が問われる試合といえる。
 新しい年に入ったとき、まだムンギアはホープのひとりとして一部のファン、マニアが注目する選手に過ぎなかった。2月にホセ・カルロス・パス(アルゼンチン)を3回KOで討ち取ってWBC中南米王座を獲得し、一度は判定まで粘られたジョニー・ナバレッテ(メキシコ)を翌3月に3回KOで屠ったが、まだ大きな勝負をかけるのは先とみられていた。そんな若手が世界的な注目を浴びたのは、3団体統一世界ミドル級王者のゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦を辞退したサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)に代わって挑戦の名乗りを挙げたときだった。このときはネバダ州のコミッションがムンギアのミドル級での実績不足を理由に試合の許可を出さなかったため実現には至らなかったが、直後、思いがけないかたちでムンギアに世界挑戦の話が舞い込む。WBO世界スーパー・ウェルター級王者、サダム・アリ(アメリカ)に挑む予定だったスミスが皮膚炎に罹患し、挑戦を見送ったため代役としてムンギアに白羽の矢が立ったのだ。
 わずか2週間という慌ただしい調整だったが、ムンギアは試合でアリを圧倒した。初回に左フックなどで2度のダウンを奪い、2回には右ストレートでダウンを追加。さらに4回に左フックで4度目のダウンを奪い、レフェリー・ストップに持ち込んだ。29戦全勝(25KO)、86パーセント超の高いKO率を誇る21歳の新チャンピオンはこうして誕生した。
 戴冠を果たしたムンギアだが、喜んでばかりもいられない。すぐにWBOからスミスとの指名防衛戦を義務づけられたからだ。スミスは15年10月から16年9月まで王座に君臨していた元王者で、アルバレスに9回KO負けを喫して陥落してからは3連勝(1KO)と調子を取り戻している。昨年4月の暫定王座決定戦では体重超過のため失格したものの、試合では負傷したリアム・ウィリアムス(イギリス)を9回終了TKOに追い込み、再戦となった挑戦者決定戦では12回判定で返り討ちにしている。両グローブを高くあげた構えで圧力をかけ、距離を潰して左右のボディブローで攻め上げるパターンを持っている。28戦26勝(14KO)1敗1分とKO率では王者に遠く及ばないが、まずまずの実績と実力を兼ね備えた選手といっていいだろう。ムンギアの力量をチェックするには最適の相手といえるかもしれない。
 アリ戦の印象が強烈だったこともあってかオッズは7対1でムンギア有利と出ている。その予想どおり183センチの長身からテンポよく繰り出す左ジャブと右ストレート、踏み込みながら打ち込む左フックで積極的に押し、今回も一気に攻め切ってしまう可能性もある。ただ、まだ攻撃には粗さも目立ち、防御には課題もある。そこをスミスが突き、若い王者を前半で慌てさせれば勝負は分からなくなりそうだ。

スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状

WBA SC :ジャレット・ハード(アメリカ)
WBA   :ブライアン・カスターニョ(アルゼンチン)
WBC   :ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
IBF   :ジャレット・ハード(アメリカ)
WBO   :ハイメ・ムンギア(メキシコ)

 今年4月、WBAスーパー王者だったエリスランディ・ララ(35=キューバ/アメリカ)とIBF王者のジャレット・ハード(27=アメリカ)が統一戦を行い、最終回にダウンを奪ったハードが逆転の判定勝ちで2冠王者になった。ハードは185センチの長身、194センチの恵まれたリーチの持ち主で、まだ戦い方は雑だが、その分、伸びしろも感じさせる。ララに競り勝った自信もあり、大化けする可能性もありそうだ。ハードは22戦全勝(15KO)、いまなお王者と同等の力量があると思われる技巧派サウスポーのララは30戦25勝(14KO)3敗2分。
 WBC王者のジャーメル・チャーロ(28=アメリカ)は6月のオースティン・トラウト(32=アメリカ)の出来が芳しくなかったため評価の上積みはみられなかったが、スピードはこのクラスでも随一といえる。ハードとの統一戦を期待したい。WBO王者のハイメ・ムンギア(21=メキシコ)はサダム・アリ(29=アメリカ)を4度倒してセンセーショナルな世界奪取を果たし、一気に評価を上げた。183センチの長身と86パーセントのKO率に加え自信満々の戦いぶりはフレッシュだ。ほんの少しの小技と経験が加われば、すぐにでもハードやチャーロと伍するところまで行きそうな勢いだ。
 無冠組ではIBF1位のジュリアン・ウィリアムス(28=アメリカ)の総合力が目立つ。2年前にチャーロ兄弟の兄、ジャーマルに5回KO負けを喫したのが唯一の敗北で、以後は3連勝(1KO)を収めている。2位の井上岳志(28=ワールドスポーツ)との挑戦者決定戦が課されている。このほか元IBF世界ウェルター級王者のケル・ブルック(32=イギリス)、ジャーメル・チャーロに1回KO負けを喫しているエリクソン・ルビン(22=アメリカ)らが王座に近いところにいる。

19戦全勝の王者 vs 31戦全勝の挑戦者
サウスポー対決はマチャド有利の予想

 19戦全勝(16KO)の王者、アルベルト・マチャド(27=プエルトリコ)、31戦全勝(23KO)の挑戦者、ラファエル・メンサー(25=ガーナ)。プロで一度も挫折を知らないサウスポー同士の対決だ。
 マチャドは107戦86勝21敗のアマチュア戦績を残したあと12年にプロ転向。ホセ・ルイス・アライサ(メキシコ)、ファン・ホセ・マルチネス(メキシコ)、カルロス・モラレス(メキシコ)といった元世界ランカーを連破して世界戦線に割り込んできた。昨年10月、体重超過のため計量で失格したジェスレル・コラレス(パナマ)を8回KOで破って現在の王座を手に入れた。5回にはダウンを喫するなどポイントでも先行を許す苦しい試合だったが、8回に178センチの長身から左のショートストレートをジャストミートして逆転KO勝ちを収めた。84パーセントのKO率を誇る強打者だが、右ジャブを突いて慎重な戦いをすることも多く、「爆弾」というニックネームとは少々イメージが異なる印象だ。
 挑戦者のメンサーは王者よりも10センチ低い168センチのサウスポーで、右ジャブから左に繋げるボクシングで勝ち上がってきた。こちらも74パーセントと高いKO率を誇るが、まだアフリカを出て戦ったことがなく、世界的強豪との対戦も皆無といえる。スピードはあるが、総合的な実力については今回のマチャド戦を待たないと分からないといえそうだ。
 サウスポー同士のカードだが、体格で勝るマチャドが中長距離を保ちながら戦うことが考えられ、メンサーがどう対応するかが最初のカギといえる。距離を詰めることができないようだと王者が着々とポイントを積み重ねそうだ。メンサーが懐に潜り込んでかき回すことができれば混戦になる可能性がある。

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