長身サウスポー王者のV4戦
挑戦者はKO率87%のスラッガー

  • 2018/08/17

 16年4月にWBO世界スーパー・ミドル級王座を獲得してから安定した戦いを続けているヒルベルト・ラミレス(27=メキシコ)が、8位のローマー・アングロ(34=コロンビア)を相手に4度目の防衛戦に臨む。総合的な戦力で勝るラミレス有利は動かないが、アングロは23戦全勝(20KO)という強打者だけに王者も油断はできない。
 ラミレスは189センチの長身と191センチのリーチを生かしたサウスポーのボクサーファイター型で、自分の距離とペースを保ちながら戦うスタイルを確立している。遠き位置から右ジャブを差し込んで相手を煽り、左ストレートから右フック、接近すると左右のアッパーもある。手数も多い。危険を察知すると足をつかって間合いをとる。なにより、そのペースを崩さないことがラミレスの特徴といえよう。09年のプロデビューから37戦して全勝、KO勝ちは25を数える。無冠時代には13連続KO勝ちを記録したこともあるが、世界トップ級との対戦が増えたあたりから判定決着が増えた。15年から17年までは戴冠試合と2度の防衛を含めた6試合でKOを逃してきた。テクニックで圧倒するケースもあっただけに、見る者に消化不良の印象を与えたはずだ。そんななか今年2月のV3戦ではハビブ・アーメド(ガーナ)に6回TKO勝ちを収めており、気を良くして今回の試合に臨むものと思われる。
 挑戦者のアングロはWBA8位にランクされる34歳で、なによりも83パーセントの強打が売りだ。ややスキルに欠ける印象はあるものの、距離を詰めてラフな左右フックを叩きつける比較的シンプルな戦い方をする。10年のプロデビュー以降、IBF中南米王座、WBO中南米王座を獲得しており、目下5連続KOと乗っている。ドミニカ共和国、コロンビア、アルゼンチン、ドイツ、トルコ、アメリカ、メキシコで戦ってきており、逞しいタイプといえる。ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)、ミゲール・コット(プエルトリコ)、アッサン・エンダム(カメルーン/フランス)らを指導したキューバ出身のペドロ・ディアス・トレーナーに師事している。
 勝負のカギは、アングロが距離を潰すことができるかどうかという一点に絞られる。飛び込んで中近距離での乱戦に持ち込むことができれば番狂わせの可能性が出てくる。ただし、距離感に長け、スピードでも上回るラミレスが簡単に主導権を相手に渡すとは思えない。相手が長身サウスポーということもあり、アングロは接近を図るためにひと工夫もふた工夫もしなければなるまい。順当にいけばラミレスが前半から右ジャブでペースを握り、中盤から終盤で引き離していくはずだ。

スーパー・ミドル級トップ戦線の現状

WBA SC :ジョージ・グローブス(イギリス)
WBA   :ロッキー・フィールディング(イギリス)
WBC   :デビッド・ベナビデス(アメリカ)
IBF   :ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)
WBO   :ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)

 この階級は第1回「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」が実施され、WBAスーパー王者のジョージ・グローブス(30=イギリス)とカラム・スミス(28=イギリス)がそれぞれ2試合を勝ち抜いて決勝に駒を進めている。勝者がWBSSのみならず、この階級のナンバー1といっていいだろう。下馬評はわずかにグローブス有利と出ている。
 グローブス以外の世界王者はWBSSへの参加を見送ったが、そんななか昨年9月、今年2月と防衛を重ねてきたのがWBO王者のヒルベルト・ラミレス(27=メキシコ)だ。自分から眩しいほどの光を放つタイプではないが、堅実で大崩れしないというプラス面がある。189センチの大型サウスポーということもあり、他団体王者たちからは敬遠される存在といえよう。37戦全勝(25KO)。
 WBC王者のデビッド・ベナビデス(21=アメリカ)は昨年9月、ロナルド・ガブリル(32=ルーマニア)との決定戦を制して20歳で戴冠を果たした。その試合では最終回にダウンを喫するなど見栄えの悪い終わり方だったが、今年2月の再戦では大差をつけて返り討ちにしている。こちらも20戦全勝(17KO)と負けなしだ。
 IBF王者のホセ・ウスカテギ(27=ベネズエラ)は今年3月、10ヵ月前に10回反則負けを喫した宿敵、アンドレ・ディレル(34=アメリカ)を8回終了TKOで下して暫定王座を獲得。その後、正規王者のジェームス・デゲイル(32=イギリス)が王座を返上したため、それにともない「暫定」の2文字が消えた。29戦27勝(23KO)2敗で、頑丈な体と強打が売りだ。
 無冠組では、WBSSでグローブスに敗れたクリス・ユーバンク・ジュニア(28=イギリス)、IBF2位のキャレブ・プラント(26=アメリカ)、アンドレ&アンソニーのディレル兄弟、ウスカテギに判定勝ちしたこともある元トップアマのマット・コロボフ(ロシア)、WBO1位のジェシー・ハート(29=アメリカ)らがベルトを巻く力を持っている。

27戦全勝の24歳 vs 激闘型の世界挑戦経験者
WBO1位のサウセド 7位のザッパビーニャ

 27戦全勝(17KO)の24歳、アレックス・サウセド(メキシコ/アメリカ)がWBA2位、WBO2位、一方、世界挑戦試合を含め40戦37勝(27KO)3敗の戦績を誇るレニー・ザッパビーニャ(30=オーストラリア)はWBO7位にランクされている。スーパー・ライト級トップ戦線の明日を占ううえでも興味深いカードといえる。
 サウセドは11年のプロデビュー後、ここまで世界的な強豪との対戦は皆無といえるが、NABO北米王座を獲得するなどして上位に進出してきた。身長178センチ、リーチ183センチと体格に恵まれているが、中近距離での戦いを好む傾向がある。ワンツーを打ち込んだあと左フックを上下に打ち分けるなど、好機には一気に連打で仕留めにかかる。全勝の勢いそのままの強気のボクシングが最大の魅力だ。
 対する身長170センチ、リーチ175センチのザッパビーニャは乱戦に引きずり込む激闘型で、06年のプロデビューから12年間に27のKO勝ちを収めている。ガードは比較的高めに置いてあるが、気持ちを前面に出して戦うタイプとあって、攻撃に比べると守りが甘くなってしまう傾向がある。7年前の世界挑戦は技巧派のIBF王者、ミゲール・バスケス(メキシコ)に強打を封じられ、再起戦では2度のダウンを喫して5回TKO負け。再浮上したものの16年12月にはセルゲイ・リピネッツ(カザフスタン/ロシア)と激闘を展開したものの8回KO負けを喫している。
 ともに攻撃型だけに、序盤から激しいパンチの応酬が予想される。13対3のオッズが示すように若くて勢いのあるサウセド有利は動かせないが、数々の激闘を繰り広げてきたザッパビーニャを甘くみることは危険だ。KO決着が約束されたカードといえる。

もっと見る

閉じる

My番組登録とは?

My番組登録で見逃し防止!

見たい番組、気になる番組をあらかじめ登録。
放送時間前のリマインドメールで番組をうっかり見逃すことがありません。

利用するには?

WEB会員IDをご登録のうえ、ログインしてご利用ください。

WEB会員IDをお持ちでない方
WEB会員IDを登録する
WEB会員IDをお持ちの方
ログインする
閉じる

番組で使用されているアイコンについて

初回放送
新番組
最終回
生放送
5.1chサラウンド放送
二カ国語版放送
吹替版放送
字幕版放送
字幕放送
ノンスクランブル(無料放送)
オンデマンドでの同時配信
オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの