中盤以降のKOを狙う伊藤 23戦全勝
ディアスの勢いを止められるか

  • 2018/07/18

 5月12日にホルヘ・リナレス(32=帝拳)の持つWBA世界ライト級王座に挑戦して10回TKO勝ちを収めたワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)が、それにともない以前から持っていたWBO世界スーパー・フェザー級王座を返上。空位になった王座を2位の伊藤雅雪(27=伴流)と1位のクリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)が争うことになった。試合地はディアスの準ホームともいえるアメリカのフロリダ州キシミー。伊藤自身が「客観的にみたら6.5対3.5ぐらいでディアス有利。それぐらいに難しい試合」というカードだが、初の国外ファイトとなる27歳は「でも僕が勝つ。7ラウンドから10ラウンドの間に倒す」と揺るぎない自信をみせている。伊藤が勝てば日本のジム所属選手としては90人目、スーパー・フェザー級では10人目の世界王者誕生となる。またアメリカでの世界王座奪取は1981年11月の三原正(三迫)以来37年ぶりということになる。
 伊藤はアマチュアを経ずに大学1年のときにプロデビュー。2戦目を前に交通事故に遭い大けがを負ったり、日本王座挑戦で惜敗したりと挫折も味わったが、9年間に25戦23勝(12KO)1敗1分という好戦績を残している。13年にはWBCのライト級ユース王座、15年には東洋太平洋スーパー・フェザー級王座、翌16年にはWBOアジアパシフィック スーパー・フェザー級王座を獲得。東京以外での試合経験はないが、徐々にランクを上げて現在はWBO2位につけている。
 「パワーやテクニック、スタミナなどは7~8点ぐらい」と自己採点する伊藤だが、「スピードや状況に反応できる運動神経には自信がある」と話す。その恵まれた能力を生かして相手の攻撃を封じ、機をみて迎え撃つ右のボクサーファイター型といえる。
以前はカウンター攻撃を狙うあまり勝ち味が遅い傾向がみられた伊藤だが、最近は「世界の舞台を意識してリスクを承知で倒しにいく気持ちで戦っている」という。それが3年間で7連勝(5KO)という数字に表れている。
 一方のディアスは、14年前に亡くなった元アマチュアボクサーの父親の影響を受け8歳のときにボクシングを始めた。アマチュアで137戦(108勝29敗)したあと13年にプロに転向。以来、23度リングに上がって全勝、そのうち15度はKO(TKO)で片づけてきた。KO率は65パーセントと比較的高い。伊藤同様、世界的な強豪との対戦経験は乏しいが、2年前にフェザー級のWBOユース王座、昨年12月にはNABO北米スーパー・フェザー級王座を獲得して最上位にランクされるまでになった。
 ディアスは外側から巻き込むような左右のフックで攻め込む好戦的なタイプで、チャンスを掴むと一気に仕留めにかかる。攻め急いで上体が突っ込むなど雑な面はあるが、勢いで根こそぎ刈り取ってしまう印象だ。反面、8ラウンドをフルに戦いきったことは3度あるものの、伊藤のように10ラウンド、12ラウンドを戦った経験はなく、スタミナ面と耐久力に関しては試されていないといえる。
 伊藤は「1、2ラウンドは様子を見るかもしれないが、3ラウンドあたりからハッキリ差をつけ、7ラウンドから10ラウンドの間で倒す」と勝利パターンをイメージしている。ただ、大声援を受けるであろう若いディアスを勢いづけさせないためにも、最初から主導権を掴みにいく必要に迫られるかもしれない。ディアスが積極的にプレッシャーをかけて出てくると思われるが、そんななかで体格で勝る伊藤が右ストレートを打ち込むことができるか。

<資料1>TALE OF THE TAPE 両選手の体格比較

  • 名前

    伊藤

    ディアス

  • 生年月日/年齢

    1991年1月19日/27歳

    1994年10月31日/23歳

  • 出身地

    東京

    プエルトリコ

  • アマチュア実績

    なし

    137戦108勝29敗

  • プロデビュー

    09年5月

    13年9月

  • 戦績

    25戦23勝(12KO)1敗1分

    23戦全勝(15KO)

  • KO率

    48%

    65%

  • 身長/リーチ

    174センチ/174センチ

    168センチ/163センチ

  • 戦闘タイプ

    右ボクサーファイター型

    右ボクサーファイター型

  • ニックネーム

    PITUFO

<資料2>TALE OF THE TAPE 日本のジム所属のスーパー・フェザー級歴代世界王者

1)沼田義明(極東)      67年6月/70年4月
2)小林弘(中村)       67年12月
3)柴田国明(ヨネクラ)    73年3月(海外奪取)/74年2月
4)上原康恒(協栄)      80年8月(海外奪取)
5)畑山隆則(横浜光)     98年9月
6)ホルヘ・リナレス(帝拳)  08年11月(海外奪取)
7)内山高志(ワタナベ)    10年1月
8)粟生隆寛(帝拳)      10年11月
9)三浦隆司(帝拳)      13年4月(海外防衛)

スーパー・フェザー級トップ戦線

WBA SC :ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBA SC :アルベルト・マチャド(プエルトリコ)
WBC   :ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)
IBF   :空位 ※ビリー・ディブ対テビン・ファーマーで決定戦
WBO   :空位 ※伊藤対ディアスで決定戦

 3人いる王者のうちWBAスーパー王座に君臨するジャーボンテイ・デービス(23=アメリカ)は今年4月、WBAレギュラー王者のアルベルト・マチャド(27=プエルトリコ)は昨年10月に戴冠を果たしており、新しい波が押し寄せている印象だ。最も長い在位のWBC王者、ミゲール・ベルチェルト(26=メキシコ)でさえ昨年1月の王座獲得である。ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)がWBO王座を返上してライト級に転向した現在、そのベルチェルトとデービスがトップ並走といった状況といえる。
 IBF王座は8月にビリー・ディブ(32=オーストラリア)とテビン・ファーマー(27=アメリカ)で決定戦が行われることになっており、今回の伊藤雅雪(27=伴流)対クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)のWBO王座決定戦と合わせて、夏には4団体のトップが揃うことになる。
 ランカー陣ではWBC1位のミゲール・ローマン(32=メキシコ)、前WBC王者のフランシスコ・バルガス(33=メキシコ)、ジョニー・ゴンサレス(36=メキシコ)、フェザー級から転向したリー・セルビー(31=イギリス)といったベテランの名前が目立つ。そんななか15戦全勝(13KO)の19歳、WBA9位、WBO6位のライアン・ガルシア(アメリカ)、26戦全勝(23KO)の20歳、WBC3位のエドゥアルド・エルナンデス(メキシコ)がトップ戦線に割り込んできた。すぐに世界挑戦というわけにはいかないだろうが、このホープふたりにも注目していきたい。

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劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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