初の大舞台を迎えた五輪戦士ラミレス
イマムはスピードと右に活路

  • 2018/05/18

 4団体統一王者だったテレンス・クロフォード(アメリカ)が返上して空位になったWBC王座の決定戦。ランキングはアミール・イマム(27=アメリカ)が1位、ホセ・カルロス・ラミレス(25=アメリカ)が3位だが、12年ロンドン五輪戦士でもある21戦全勝(16KO)のラミレスが主役といっていいだろう。サイドネタになるが、このラミレス対イマムはWBCの認定下で行われる2000試合目の世界戦でもある。その記念ファイトが70年代から犬猿の仲として知られるトップランク社のボブ・アラム・プロモーター(ラミレスと契約)と、ドン・キング・プロモーター(イマムと契約)の共催で行われるという点も興味深いところといえる。
 ラミレスはアマチュア時代に11年世界選手権に出場したが、このときはライト級2回戦でワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に16対9のポイント負けを喫している。翌12年ロンドン五輪にも出場したが、ここでも2回戦で敗退した。ちなみにこのときの相手、ファツリディン・ガイブナザロフ(ウズベキスタン)は4年後の16年リオデジャネイロ五輪ライト・ウェルター級で金メダルを獲得することになる。
 五輪閉幕から4ヵ月後の12年12月8日、マニー・パッキャオ(フィリピン)がファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)に衝撃の6回KO負けを喫したイベントの前座でラミレスはプロデビューした。
その後もトップランク社の注目イベントの前座に出場する機会が多くみられ、15年7月には中国特別行政区マカオで吉田龍生(本田フィットネス)とも戦い3回終了TKO勝ちを収めている。その5ヵ月後にWBC米大陸スーパー・ライト級王座を獲得し、4度の防衛 をこなした。特に昨年11月に行われたマイク・リード(アメリカ)とのV4戦では23戦全勝(12KO)のWBO10位を圧倒、ダウンを奪って2回KOで下している。この試合を含め4連続KO勝ちと絶好調だ。
 これに対しイマムはアマチュア時代にロンドン五輪を目指したものの米国内予選でエロール・スペンス(現IBF世界ウェルター級王者)に連敗して代表の座を逃し、それを機にプロに転向した。アマ時代の鬱憤を晴らすかのように快進撃を続け、NABA北米王座獲得したあと14年5月には08年北京五輪ライト級銅メダリストのジョルデニス・ウガス(キューバ)に8回判定勝ちを収め、15年1月にはWBC米大陸王座も獲得した。前後してWBC1位、WBA2位、WBO8位にランクされ、当時はそのまま頂点に駆け上がるかと思われたほどの勢いを誇った。しかし、そんな折りにアドリアン・グラナドス(メキシコ/アメリカ)の執拗な攻撃に遭い、8回でレフェリー・ストップによるTKO負けを喫してしまう。15年11月のことである。これがキャリア唯一の敗北だ(22戦21勝18KO1敗)。その後は3連続TKO勝ちを収め、再び最上位にランクされている。
 ともに高いKO率を誇るが、戦い方は大きく異なる。ラミレスは体力を生かして前進し、相手を下がらせながら連打に巻き込んで攻め落としてしまうファイター型で、執拗な攻撃が持ち味だ。パンチの切れには欠けるものの左フックの上下打ち分けが巧みで、加えて手数も多い。これに対しイマムはスピードと切れのある右ストレートに自信を持っており、返しの左フックもシャープだ。
 ラミレスの連打に対しイマムのスピードと右ストレートという構図になるが、やや前者に分があるとみる。イマムはグラナドス戦で初回に右でダウンを奪いながらじり貧になり、相手の執拗な連打に抗いきれなくなった苦い経験がある。一度は弱点を晒しており、ラミレスはそこを突いてくるはずだ。ただ、イマムもパンチ力があるだけに予断は禁物といえる。

スーパー・ライト級トップ戦線の現状

WBA   :キリル・レリクー(ベラルーシ)
WBC   :空位
WBC 暫定:レギス・プログレイス(アメリカ)
IBF   :空位
WBO   :空位

 昨年、この階級はテレンス・クロフォード(30=アメリカ)が4団体の王座を自力で統一したが、ウェルター級に転向したために4王座とも空位になった。それを受け各団体が決定戦を組んでいるわけだが、いち早く後継王者が決まったIBFはセルゲイ・リピネッツ(29=カザフスタン/ロシア)からマイキー・ガルシア(30=アメリカ)に持ち主が変わったあと、そのガルシアが王座を返上したため再び空位になっている。指名挑戦権を持っているイバン・バランチク(25=ロシア/ベラルーシ)が決定戦に出場することは確定的だが、相手は決まっていない。3位のアンソニー・イギット(26=スウェーデン)、4位の近藤明広(33=一力)、5位の岡田博喜(28=角海老宝石)らに声がかかる可能性がある。
 WBAではランセス・バルセレミ(31=キューバ)を下したキリル・レリクー(28=ベラルーシ)が戴冠を果たし、WBCでは今回のホセ・カルロス・ラミレス(25=アメリカ)対アミール・イマム(27=アメリカ)の正規王座決定戦よりも早く暫定王座決定戦が行われ、サウスポーのレギス・プログレイス(29=アメリカ)が元王者のジュリウス・インドンゴ(34=ナミビア)に2回TKO勝ちを収めている。WBO王座の決定戦は前ライト級王者のテリー・フラナガン(28=イギリス)対モーリス・フッカー(28=アメリカ)というカードになっている。試合は6月にイギリスで行われる予定だ。サウスポーのフラナガンが2階級制覇を果たすだろうとみられている。
 クロフォードが抜けたことで一転して混戦状態になったなか、若手の台頭もみられる。その筆頭は12年ロンドン五輪出場の経験を持つジョシュ・ケリー(27=イギリス)だ。12戦全勝(11KO)の快進撃を続けるケリーは、次戦で元WBC王者のビクトル・ポストル(34=ウクライナ)と対戦することになっている。これを突破できるかどうか要注目だ。27戦全勝(17KO)の23歳、WBA2位、WBO3位にランクされるアレックス・サウセド(23=メキシコ/アメリカ)も若くて勢いがある。このほか4階級制覇の実績を持つエイドリアン・ブローナー(28=アメリカ)、同じく元WBA王者のエドゥアルド・トロヤノフスキー(37=ロシア)も返り咲きのチャンスを待っている。

五輪銅のグボジークに戴冠の好機
元欧州王者を圧倒か

 WBC世界ライト・ヘビー級王者のアドニス・スティーブンソン(40=ハイチ)が、元2階級制覇王者のバドゥ・ジャック(34=スウェーデン)との防衛戦を優先することになったために設けられる暫定王座の決定戦。グボジークが2位なのに対しアーマーは10位とランキングに差がある。それはそのまま実力差といってもいいだろう。14戦全勝(12KO)のグボジークが41戦34勝(16KO)5敗2分のアーマーを圧倒しそうだ。
 グボジークは12年ロンドン五輪ライト・ヘビー級で銅メダルを獲得後、アメリカのトップランク社と契約を交わしてプロに転向。14年4月のデビュー戦から14の白星を並べてきた。11戦目にはダウンを喫するなど危ない試合もあったが、まずは順調な歩みといっていいだろう。タイミングのいい左フックや踏み込みながら打ち込む右ストレートなどで直近の8試合はすべてKO(TKO)で終わらせている。
 プロとして過ごしてきた年数(15年)と試合数はグボジークの約3倍もあるアーマーは、フランスのスーパー・ミドル級国内王座やライト・ヘビー級のEBU欧州王座を獲得した経験も持っている。しかし、2試合前には元世界王者のロバート・スティーグリッツ(ロシア/ドイツ)に12回判定負けを喫しており、またグボジークが2回KOで退けているナジブ・モハメッディ(フランス)に4回TKO負けを喫するなど、不利を裏づけるデータは少なくない。
 パンチ力で大きく勝るグボジークが圧力をかけながら右ストレート、左フックを叩き込む機会を探り、アーマーが得意とするワンツーや右アッパーで迎え撃つ展開が考えられる。ガードを下げて誘うなどトリッキーな一面もあるアーマーを侮ることは危険だが、元五輪銅メダリストがその網にかかるとは思えない。グボジークがポイントを重ねながらKOチャンスを狙うことになりそうだ。

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