夢の舞台から去った怪物ホーラン、ドルトムントでの物語は続くのか?【CLコラム】

  • 2021/04/16

夢の舞台から去った怪物ホーラン、ドルトムントでの物語は続くのか?【CLコラム】

今回の敗戦は、ボルシア・ドルトムントでのホーラン劇場の続きを約束してくれるかもしれない。
優勝候補のマンチェスター・シティ相手に健闘したドルトムントだったが、2試合の合計スコアは2-4。こうして今季の世界最高峰の舞台での戦いを終えることになった。ドルトムントにとってほろ苦い敗戦ではあるのだが、彼らの目標はヨーロッパでトップ10に居続けること。その意味で、ベスト8進出という結果は、決して悲観するべきものではない。

シーズン途中にリュシアン・ファーヴル監督の解任に踏み切るなど苦しい戦いを強いられたチームにあって、話題の中心はやはりホーランの奮闘だった。彼は今季も新しい記録を打ち立てていった。

まず、UEFAチャンピオンズリーグ史上初めて、20歳にして通算20ゴールを達成した。CL通算ゴールランキング1位のクリスティアーノ・ロナウド(134得点)も、3位のレヴァンドフスキ(73得点)も20歳の時点ではCLではまだゴールすら決めていないことを考えれば、この記録の偉大さがわかるはずだ。
さらに、20ゴール到達に要した試合数も14試合で、歴代最速となる。このペースでいけば、ホーランの大会通算ゴール記録更新を予想する声が出てくるのも当然だろう。
これだけの記録を残せたのは、若手の成長をうながすことを目標としているドルトムントというクラブでプレーする機会を与えられたからだった。

では、なぜドルトムントが彼を射止められたのか。その秘密を昨夏に明かしたのが、ライプツィヒの前監督のラルフ・ラングニックだった。昨シーズンの12月の時点で、ホーラン陣営(代理人のミノ・ライオラとホーランの実父のアルフ・インゲ・ホーラン)はライプツィヒとドルトムントの2つのクラブを移籍候補にしぼり、実際に視察と交渉のために両クラブに足を運んでいたのだが……。

ラングニックはホーランがドルトムントを選んだ理由をこう明かしている。
「移籍が決まった一番の理由は、ドルトムントがホーランにレギュラーポジションを確約したからだ」

ライプツィヒはユーリアン・ナーゲルスマンの意向を聞きながら移籍オペレーションを進めていくのに対して、ドルトムントではヨアヒム・ヴァツケCEOとミヒャエル・ツォルクSDが移籍の主導権を握っており、監督の意向はあまり反映されない(だから、当時のファーヴル監督は、その条件を飲むしかなかった)。どちらのクラブの方針が優れているかは意見の分かれるところだ。
ただ、ホーランの成長と活躍のためには、ドルトムントの方針のほうが良いと判断したのは当然だろう。そして、実際にその期待に応えるようにホーランは昨年1月の加入直後からゴールを量産。それがCLの舞台での新記録につながったのだ。

このまま順調にいけばホーランのさらなる成長が期待できそうなのだが、ここへ来て、彼の周囲が騒がしくなってきている。

最大の理由はドルトムントがブンデスリーガで5位に沈んでいるからだ。残り6試合で、4位のアイントラハト・フランクフルトとの勝ち点差は7ポイントも開いている。しかも、ドルトムントはコロナ禍で赤字がふくらみ、来季のCL出場権を逃すと赤字が7500万ユーロ(約98億円)に達すると見られている。仮にそうなれば、ドルトムントはホーランの放出に動かざるを得なくなりそうなのだ。

そしてこの状況はホーランサイドもよくわかっている。実際、今月に入ってからは代理人と父が、2019年12月のドイツ視察の再来とでもいうかのように、移籍先候補となっているバルセロナとレアル・マドリードのもとを訪れている。
ホーランとドルトムントの契約では2022年の夏には7500万ユーロの移籍金を支払うクラブが現われれば自由に移籍できるという「契約解除条項」が盛り込まれている。しかし、今夏にはそうした条項はないため、ドルトムント首脳陣は一様に、売却の意志がないと主張している。ただ、バルセロナの場合は、メッシが退団すればその年俸分の1億3800万ユーロ(約180億円)の余裕ができると言われている。また、レアルはすでに1億ユーロ(約130億円)の用意が出来ているとも報じられており、予断を許さない。

そして結局ドルトムントは、来季のCL出場権を逃せばスペインのメガクラブからのオファーを断るのが困難になる。なぜなら、CL出場はホーランのモチベーションにもかかわるし、ホーランのCLでの通算ゴール記録更新に陰を落とすからだ。そうなったら、ライオラたちが黙っていないことも容易に想像できるだろう。

そうした事情を考えると、今回のCLの敗戦は必ずしも痛手とは言い得ない。ここで敗退したことで、ドルトムントは心おきなくブンデスリーガの残りの試合に集中することができるからだ。力のあるチームがCLでの戦いを終えてから、リーグ戦の順位を上げていくというのは、どのリーグでもよくあることだ。
ドルトムントのユニフォームを着て日に日に成長を見せていくホーランの雄姿が今シーズンのCLで見られないのは寂しい。ただ、この敗戦は、若い選手たちの成長をクラブのポリシーとしているドルトムントのユニフォームを着たホーランの成長を、来季以降も見られるチャンスを与えてくれるのかもしれない。

(※為替レート=2021年4月15日時点)

photo by Getty Images
text by ミムラユウスケ


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