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「アラトリステ」来日記者会見

3年ぶりの来日、「日本語は難しい」

Q.今回の「アラトリステ」では、全編スペイン語で演じられていますが、外国語での演技は難しいですか?
 
ヴィゴ:うーん……日本語は難しいね(笑)。でもスペイン語は大丈夫なんだ。僕は南米で育っているから、英語と同じくらい使い慣れている言葉だよ。ただ、同じスペイン語でも、南米で使われるものと本国で使われるものは微妙に違うし、この映画の舞台である17世紀と現代でも違いがあった。たくさん本を読んだりして研究したよ。この映画は、かかわったキャストやクルーの愛の結晶といえる。スペインは今に至るまで、自らの国を自分たちで語ることがなかった国なんだ。今回のチャンスに、スタッフ全員が緊張しながら臨んでいた。素晴らしい作品になったよ。きっとスペインを代表するクラシック作品になるはずだ。
 

とても美しいシーンに思わず観客のように……

Q.作品内でプレゼントを贈るシーンがありますが、ご自身のとっておきのプレゼントはどんなものでしょうか?
 
ヴィゴ:それはちょっとプライベートなことだから、詳しく言えないな(笑)。ただ(劇中の)そのシーンは本当に素晴らしくて、すべてがうまくいったシーンだと思う。こういったシーンは、相手の俳優さんにかかっている部分もとても大きいけど、今回のマリア(アリアドナ・ヒル)はとても美しかった。2人の関係性もとても美しいんだ。自分で見ていても本当に良いと思うし、まるで観客のように「お願いだからくっついてくれ……!」と思ってしまったよ(笑)。
 

息子は日本が大好き、親子で映画に出演!

Q.息子さんがいらっしゃるそうですが、普段どのように接されていますか?
 
ヴィゴ:(通訳に向かって)今の、息子の話? (通訳に「そうですよ、よく日本語がわかりましたね!」と聞きニッコリ)……彼とはいろんなことを一緒にしているけど、僕が教えているようで、最終的には息子から教えられていると改めて思うよ。息子は日本が大好きで、かなり日本語も理解しているんだ。書いたり読んだりもできる。宮本武蔵の話や、侍映画が大好きでよく観ているよ。今回、息子はこの映画にオランダの兵士役で出演しているんだけれど、僕はストーリー上、彼を殺さなくてはいけなかったんだ。「本当だったら許さないけど、映画だからいいよ」って言われたよ(笑)。
 

「たとえ愚かであろうと、何かのためにどこまでできるか」

Q.最後にメッセージを。
 
ヴィゴ:この作品のために毎日準備して、キャストとクルーでさまざまな場所へ行って、どんどん友情を深めていったんだ。この作品は、友情や仁義のためにどこまでできるかというのも大きなテーマだけれど、それには倫理観が大切だと思う。時には愚かであろうと、その大切な何かのために、自分はどこまでできるのか。映画の中だけでなくこの世界でもそれは言える。例えば国家は一つのコンセプトで、国旗など本当は関係ないんだ。人と人が、共にどこまでできるのかが重要なんだよ。ぜひ、この映画でそれを感じてほしい。僕自身は来年、スペインで舞台をやる予定があって、20年ぶりの演劇だし、それに舞台の上は逃げようがない。映画のようにテークを繰り返すこともできない。とても怖いけど、これは自分にとって大きな挑戦になると思うんだ。僕も映画のアラトリステのように、いつまでも挑戦し続けていきたいと思っているよ。