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ニュース/コラム

町山智浩の第91回アカデミー賞ズバッと予想!
作品賞の鍵を握るのは「ハリウッド映画らしさ」の有無?本命から大穴までを大予想

アカデミー賞発表まで、残すところあと20日。オスカーの栄冠はどの作品に?
WOWOWがお届けしている映画から、話題作や隠れた名作を選んで動画で解説する「町山智浩の映画塾!」でおなじみ、映画評論家の町山智浩氏に、第91回アカデミー賞 作品賞の予想を聞いた。

ー今回「作品賞」は8作品でノミネートということですが、町山さんが考える本命は?
本命は『ROMA/ローマ』だと思います。もっとも多くの部門賞にノミネートされているだけでなく、他の映画賞でも様々な賞をとっていますし、順調に作品賞に向かっていると思います。

ーその他にも何か、理由はありますか?
とれる理由よりも、逆に『ROMA/ローマ』が取れない理由の方が多いかもしれないですね。
まず注目すべきは、ハリウッド映画ではないということ。ハリウッドで作られていないし、ハリウッドの関係者も参加していません。しかもハリウッドの映画会社が作った映画ではなく「Netflix」という配信サイトの映画ですので、アカデミー賞というハリウッド関係者のお祭りのなかでは全く異質の映画です。

ーNetflixの映画がノミネートされているということはすごいことなのですか?
Netflixの映画は劇場で公開されていません。しかし、ハリウッドの映画は「劇場で公開されることを前提」に作られていますので、ディストリビューションに関して画期的な変化になりますね。
もう一つあげるとすると、Netflixは興行収入を当てにしていない「配信」という形をとっているので。今までのハリウッドは興行収入が一番大事なものだったわけですから、『ROMA/ローマ』がとったとすれば革命的な事態になると思います。

ー率直に町山さんが『ROMA/ローマ』を観たときはどう思われましたか?
『ROMA/ローマ』という映画は、昔の日本映画の溝口健二監督に非常に近い映画で、それこそヴェネチア国際映画祭などのヨーロッパで賞をとるような作品に感じました。ハリウッドでは認められないような芸術作品ではあるんですけど、最新のデジタル技術などを駆使して、古い伝統の上に最新の技術をのせている。例えれば、アルフォンソ・キュアロン監督がずっとやっていることに近いのだと思います。

ー『ROMA/ローマ』が本命ということですが、対抗は?
対抗は、『グリーンブック』だと思います。実は『ROMA/ローマ』と同じくらい各部門賞にノミネートされている作品には『女王陛下のお気に入り』があるんですけれども、こちらは非常に「皮肉な笑い」の映画なんですね。一言でいうと、アメリカ的ではない。
イギリス的な、笑えない笑いのコメディ映画なんです。そういった映画は今まで過去の例を見ても、アカデミー賞をとることはほとんどないです。

そしてもう1つ、今までアカデミー賞でレースの先頭を走っていたと言われていた作品が『アリー/スター誕生』ですね。
こちらはハリウッドの伝統的な「メロドラマ」で、何度も映画化されてきた作品です。王道中の王道ではあるんですけれども、暗い映画なんですよね。非常に絶望的で悲劇的な映画でもあるので、そういう点で誰もが楽しんで誰もが幸せになれるような映画という観点からは外れる気がします。
ハリウッドは大多数がアメリカ人なので、不特定多数のアメリカ人が好きになれる映画、という点で『グリーンブック』が票を集めるかなと予想しています。

ー『グリーンブック』の内容を教えていただけますか?
『グリーンブック』は1960年代のアメリカが舞台。まだ非常に人種差別が強かった時代に、もっとも差別の酷い南部を黒人のジャズピアニストが旅をした時の実話をもとにしています。ところが道中の車の運転手が、マフィアの用心棒だったと。マフィアの用心棒と黒人ジャズピアニストという、まさに水と油のコンビのおかしな二人の珍道中映画ということでもうそれ聞いただけで面白くなりそう。
しかも感動的で素晴らしい演技と、素晴らしい音楽が聴けるという。感動的な娯楽映画と社会性が合わさっている、ハリウッドが一番得意とするエンターテインメントだと思います。

ー『グリーンブック』を観られた感想は?
『グリーンブッグ』の監督はピーター・ファレリー。この監督は『メリーに首ったけ』をはじめ、非常に下品な「下ネタコメディ」をずっと作り続けてきた人。中には「下ネタの人」だと思っている人たちもいるくらいなんですが、実際のピーター・ファレリーは、今までコメディ映画の中で「常に差別の映画」を扱ってきた人なんです。
必ず身体に障害のある人とか、何らかのマイノリティがでてきて、その人たちが痛快なお笑いをやってのけるという、ハリウッドの中では差別という問題を明るく楽しく描いてきた。今回は、それを真正面からテーマにして、素晴らしいエンターティメントを作り上げたと思います。

ーでは、町山さん的「大穴」作品をあげるとすると?
大穴ですか。超大穴があるとすれば、それは『ボヘミアン・ラプソディ』ですね。この作品は、最初評価が非常に低かった映画です。しかし、どんどん見たお客さんが「あれは素晴らしい映画だ」ということを広めていくうちに、批評家たちも「実は素晴らしい映画だったんじゃないかな」と、どんどん評価が良くなっていったんですね。まさに、ファンが評価を押し上げた作品といっても過言ではない。勢いに最も乗っている映画なので、とるかもしれないと思っています。

ーそんな『ボヘミアン・ラプソディ』の注目ポイントは?
やはりハリウッドがずっとやってきた「マイノリティ」とか「負け犬」と言われている人たちの逆転ストーリーですね。これは、アメリカ人が大好きなストーリーです。自分自身がマイノリティである、ペルシャ系のインド系アフリカからきた移民ということでフレディ・マーキュリーが居場所のない男としてでてきてしかもバイセクシャルで、どん底からの逆転ストーリーという点で、実はハリウッドの王道かなと思います。

ーでは、今回のアカデミー賞授賞式の見どころは
今回のアカデミー賞はとにかく全く読めないんです。非常に難しい。普通だったら『ROMA/ローマ』が断トツでとるでしょうと予想できるんですが、Netflixという非常に問題性がある。またハリウッドのお祭りなのに、ハリウッド映画ではないという点で、デメリットの部分が非常に強いので読めないんです。ハリウッド王道エンターテインメントである『グリーンブック』や『アリー/スター誕生』がどのくらい『ROMA/ローマ』に対抗するか?という構図でしょうか。



近年稀に見るほど、予想困難な第91回アカデミー賞。町山氏の予想との結果はいかに?
WOWOWでは各賞の発表の瞬間を、現地アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターより生中継でお届けする。
どの作品が、誰が栄冠に輝くのか、世界最高峰の映画の祭典をお楽しみあれ!

【WOWOW放送情報】
生中継!第91回アカデミー賞授賞式
WOWOWプライム2/25(月)午前8:30
同時通訳二カ国語版生初回

生中継! 第91回アカデミー賞授賞式 オフィシャルサイト
https://www.wowow.co.jp/extra/academy/

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