小泉今日子の主演で川上弘美の詩的な恋愛世界を忠実に映像化した、久世光彦監督晩年の代表作。
原作は、芥川賞作家・川上弘美が大人の恋愛模様を描いた15万部を超えるベストセラー。あわあわと切なくて、おかしくてかなしい月子とセンセイの関係…。その独特な世界観をドラマ界の巨匠・久世光彦が、小泉今日子と柄本明という絶妙のキャスティングで描き出しました。映像業界で広く注目を集めた本作は地上波放送も実現し、平成15年度文化庁芸術祭テレビ部門(ドラマの部)優秀賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。
ストーリー
そういえばここ何年か、センセイとばかり一緒だった。
月子(小泉今日子)は37歳で一人暮らし。ひとり美味しいツマミと日本酒を楽しむマイペースな女性。ある日、行きつけの居酒屋で声をかけてきた初老の男性、それは高校時代の国語の担任だった。歳の差30以上、でも酒の肴の好み、人との距離の取り方、頑固な性格、よく似た二人はしばしば共に時を過ごすようになる。そしていつしか月子の中には、「センセイ」へのおさえがたい愛情が芽生えていた…。