東日本大震災から3年。再建された鉄路を辿り、復興の地へ。

東北復興の鉄路を行く

海、山、大地の絶景を求め、古の人々も旅した東北には、今も年間1億人の観光客が訪れています。東日本大震災から3年。甚大な被害にあった鉄道は、現在95%が再建されました。東北を結ぶ情緒豊かな鉄路を辿り、福島、宮城、山形、岩手、青森へ。復興に取り組む被災地の姿とともに、純朴でぬくもりに満ちたその美しき日本の故郷の風景をお届けします。

PART4

絶景の三陸海岸に沿って

宮古~小本~田野畑~久慈~八戸~浅虫温泉~青森

MAP
宮古 小本 田野畑 久慈 八戸 浅虫温泉 青森

宮古 三陸復興国立公園の景勝地

宮古

宮城県北部から青森県南部に至る三陸海岸は、リアス式の入り江とダイナミックな断崖や岩礁が連続する景勝地です。復興の願いから命名された三陸復興国立公園では、感動的な風景とともに新鮮な海の幸を味わうことができます。三陸海岸有数の漁港として知られる宮古にも、自然が作り上げた景観が数多く点在しています。

  • 宮古港宮古港
  • 宮古港宮古港
  • 水揚げされたイカ水揚げされたイカ
  • 宮古市魚市場宮古市魚市場
浄土ヶ浜

激しい海食で削られた白い流紋岩が、表情豊かな海岸線を彩っています。松の緑と岩肌の白、海の群青が織りなすコントラストは、まさに一見の価値あり。サッパ船と呼ばれる小型船に乗ると、水面が青く輝く八戸穴、別名、青の洞窟も見学できます。江戸時代の僧は、この自然を「さながら極楽浄土のごとし」と形容し、それが地名の由来になったといわれています。

  • 浄土ヶ浜浄土ヶ浜
  • 浄土ヶ浜浄土ヶ浜
  • 浄土ヶ浜浄土ヶ浜
  • ザッパ船から見た浄土ヶ浜ザッパ船から見た浄土ヶ浜
  • 青の洞窟青の洞窟

小本 水のミュージアムへの最寄駅

龍泉洞

小本駅から約10km内陸にある岩泉町の龍泉洞は、日本三大鍾乳洞に数えられ、国の天然記念物に指定されている神秘的な水のミュージアムです。今も調査が続く洞窟の全長はわかっているだけでも3100m以上。高低差250mに及ぶ洞内には、湧き出る清水が深い地底湖を形成していて、世界有数の透明度を誇る水面は青く清らかに輝いています。天井には一面に連なる鍾乳石。洞窟に隣接した、もうひとつの鍾乳洞に設けられた龍泉洞新洞科学館も見応えがあります。

  • 龍泉洞龍泉洞
  • 龍泉洞の地底湖龍泉洞の地底湖
  • 龍泉洞の地底湖龍泉洞の地底湖
  • ひんやりした洞内ひんやりした洞内

田野畑 全線復旧が待ち遠しい沿線の村

三陸鉄道北リアス線

宮古駅と久慈駅間の約71kmを結ぶ北リアス線には、43ものトンネルが連続しています。明治の三陸大津波での教訓から沿岸部の山中に築かれたこの鉄道も、東日本大震災では全線不通となります。しかし不眠不休で復旧に取り組み、宮古駅―田老駅間は震災わずか9日後に運転を再開。3月末まで復興支援列車として無料運転を行い、沿線住人の心の支えになりました。現在も小本駅‐田野畑駅間は運休していますが、2014(平成26)年4月の全線運行に向け、宮古駅―小本駅間、田野畑駅―久慈駅間で折り返し運転を行っています。なお、田野畑や岩泉、宮古では震災・津波語り部ガイドによる現地案内も行われています。

  • 北リアス線・大沢橋梁北リアス線・大沢橋梁
  • 三陸鉄道と同じ塗装の平井賀川の水門三陸鉄道と同じ塗装の平井賀川の水門
  • 田野畑駅付近の復旧工事田野畑駅付近の復旧工事
  • 田野畑の大津波語り部ガイド田野畑の大津波語り部ガイド
  • 北リアス線・安家川橋梁北リアス線・安家川橋梁
北山崎

200mの切り立った断崖が8kmに渡り連なる三陸海岸の景勝地、北山崎は「海のアルプス」と呼ばれています。垂直にそそりたつ絶壁に荒波がぶつかり砕け散る様子は息をのむほど。北山崎には遊歩道が整備されていて、波打ち際から迫力ある断崖を眺めることもできます。小型船のサッパ船を使った海上探勝プログラムを楽しむこともできます。

  • 北山崎北山崎
  • 北山崎北山崎

久慈 北限の海女で一躍有名になった旬な町

久慈

朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となったことから一躍有名になった久慈。古くは城下町として栄えた久慈は、琥珀や小久慈焼に加え、北限の海女で広く知られることになりました。海女に会える小袖海岸は、つりがね洞やかぶと岩など奇岩が見られる景勝地。名物は駅弁としても登場するウニです。

  • 三陸鉄道北リアス線の久慈駅三陸鉄道北リアス線の久慈駅
  • 久慈駅久慈駅
  • 久慈名物うに弁当久慈名物うに弁当
久慈琥珀博物館

国内一の琥珀の産地である久慈には、国内唯一の琥珀博物館があります。世界各国の貴重な琥珀を展示する館内は見応え十分。およそ8500万年前、中生代白亜紀後期の久慈産の琥珀からは、「ジュラシック・パーク」で話題となった昆虫化石も相次いで発見されています。装飾品としてだけではなく、かつてはお香や塗料、医薬品としても重宝された琥珀は、八戸藩の特産品として藩の財政を支えていました。

  • 昆虫化石昆虫化石
  • 琥珀の原石琥珀の原石
  • 昆虫化石昆虫化石
  • 数々の貴重な琥珀数々の貴重な琥珀

八戸 青森有数の大都市

八戸

イカの水揚げ日本一を誇る八戸では、豊富な海の幸をたっぷりと堪能できます。歴史ある八戸三社大祭は、東北を代表する祭りのひとつ。久慈と八戸を結ぶ八戸線は、1930(昭和5)年に全線が開通しました。風光明媚な路線で、特に八戸駅―鮫駅間は「うみねこレール八戸市内線」という愛称で親しまれています。

  • 八戸線八戸線
  • 八戸線八戸線
  • 八戸線八戸線
  • 八戸線八戸線
陸奥湊駅前朝市

200もの店舗がひしめく、1953(昭和28)年に開かれた陸奥湊駅前朝市では、イサバのカッチャが人々を出迎えてくれます。イサバのカッチャとは市場で商いをしたり、行商をする、魚を扱う女性たちのこと。早朝3時から昼の12時まで営業する朝市では、活きのいい魚とともに、イサバのカッチャが作る惣菜も味わえます。市場の一角には食堂があり、好きな食材を買い、ご飯と味噌汁とともにその場で朝食もOKです。

  • 陸奥湊駅陸奥湊駅
  • 陸奥湊駅前朝市陸奥湊駅前朝市
  • イサバのカッチャの像イサバのカッチャの像
  • 朝市に並ぶ新鮮な魚朝市に並ぶ新鮮な魚
蕪嶋神社

三陸復興国立公園の北限にある蕪島に神社が創建されたのは13世紀のこと。漁業の守り神であり、金運や商売繁盛の神様として信仰を集めてきた通称「かぶしまさん」には、今も全国から参拝者が訪れます。蕪島はまた、毎年3月から8月頃まで数万羽のウミネコが飛来する繁殖地として知られ、繁殖の様子が間近にできる希少な場所でもあります。

  • 蕪嶋神社蕪嶋神社
  • 蕪嶋神社蕪嶋神社
  • ウミネコウミネコ
種差海岸

蕪島の南に広がる種差海岸は、変化に富んだ風景が広がる国の名勝です。樹齢80年以上のクロマツ林"淀の松原"や鳴き砂の浜で知られる"大須賀浜"、馬の放牧地だった"種差天然芝生地"など、美しい海岸は12kmにも及んでいます。荒々しい岩礁や四季折々の海岸植物も目を楽しませてくれます。

  • 種差海岸駅種差海岸駅
  • 種差海岸種差海岸
  • 種差海岸種差海岸
青い森鉄道

青森南部の目時駅から、八戸駅を経由し、青森駅まで運行する青い森鉄道。車窓には八甲田連峰が聳える寒さ厳しいこの沿線を守っているのは、防雪林。豪雪地帯で地吹雪が激しい青森では、開業当時から列車の運休が悩みであり、2万本の杉と1千本のカラマツが沿線に植樹されました。陸奥湾沿岸の小湊は、シベリアから渡ってくる白鳥の渡来地。毎年ここでひと冬を過ごすオオハクチョウとともに、小湊の海辺一帯は国の天然記念物に指定されています。

  • 青い森鉄道青い森鉄道
  • 青い森鉄道青い森鉄道
  • 野辺地駅・日本最古の鉄道防雪林野辺地駅・日本最古の鉄道防雪林
  • 小湊のオオハクチョウ小湊のオオハクチョウ

浅虫温泉 陸奥湾に臨む青森の奥座敷

浅虫温泉

陸奥湾に臨む浅虫温泉は、平安時代に発見され、布を織る麻を蒸すために使われていたという青森のいで湯。麻を蒸すが転じて浅虫になったこの温泉の中でも老舗なのが、創業400年を誇る椿館です。明治天皇も、岩倉具視や大久保利通を伴い宿泊された旅館は、まるで博物館のような趣。青森出身の世界的版画家、棟方志功も椿館の常連でした。

  • 浅虫温泉駅浅虫温泉駅
  • 椿館椿館
  • 椿館椿館
  • 万里水雲長慈航又何処(棟方志功作)万里水雲長慈航又何処(棟方志功作)
  • 椿館の七珍鍋会席椿館の七珍鍋会席

青森 津軽と南部を束ねる交通の要衝

青森

青い森鉄道に加え、奥羽本線や津軽線が発着する青森駅は、1891(明治24)年の開業以来、人々の往来を見つめてきた交通の要衝です。駅舎に隣接する青森港へ、かつて青函連絡船に乗り継ぐ人々も多く見られました。青函連絡船の歴史は、青函トンネルが開通した1988(昭和63)年にその幕を下ろしますが、客船は旅情を楽しむ人々で今も賑わっています。

  • 青森青森
  • 八甲田山八甲田山
  • 青森駅周辺青森駅周辺
  • 青函連絡船メモリアルシップ・八甲田丸青函連絡船メモリアルシップ・八甲田丸

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