情熱の国の魅力を再発見する、イベリア半島鉄道の旅。
スペイン大紀行
サッカーの最高峰リーガ・エスパニョーラでも知られる情熱の国スペイン!初取材の高速列車ユーロメッドを始め、AVEやアルコ、アルビア、アルタリアを乗り継ぎ、イベリア半島を6回に渡って縦横断。芸術の街バルセロナからバレンシアへ。そしてスペイン最盛期の栄華を体感できる古都を巡り、首都マドリードから、ラ・マンチャ、アンダルシアへと駆け抜けます。世界遺産、音楽、踊り、食…スペインの魅力を満喫する鉄道大紀行です。
情熱の国の魅力を再発見する、イベリア半島鉄道の旅。 スペイン大紀行サッカーの最高峰リーガ・エスパニョーラでも知られる情熱の国スペイン!初取材の高速列車ユーロメッドを始め、AVEやアルコ、アルビア、アルタリアを乗り継ぎ、イベリア半島を6回に渡って縦横断。芸術の街バルセロナからバレンシアへ。そしてスペイン最盛期の栄華を体感できる古都を巡り、首都マドリードから、ラ・マンチャ、アンダルシアへと駆け抜けます。世界遺産、音楽、踊り、食…スペインの魅力を満喫する鉄道大紀行です。 [PART4]アンダルシアを駆け抜けてグラナダ 過ぎ去りし栄光、イスラムの香り溢れる、魅惑の都市。アルハンブラ宮殿グラナダを見下ろす丘の上に築かれた城塞・宮殿・離宮からなるアルハンブラ宮殿。アルハンブラとは「赤い城」という意味で、砦自体は9世紀に建設されたと言われています。水を巧みに取り入れた建築、豪華な大理石、緻密な幾何学模様…ただひ たすらにイスラムの美を追求してこの建てられたこの宮殿は、美しさゆえに破壊をまぬがれ、増築を繰り返し、現在は足を踏み入れる人を圧倒する世界有数の宮殿となっています。 アラヤネス(天人花)のパティオ ライオンのパティオ 二姉妹の間(鍾乳石飾り) アベンセラヘスの間(寄木造り) グラナダの街が一望できる アルカサバ(砦) グラナダ大聖堂・王室礼拝堂16世紀から18世紀初めにかけて建てられたグラナダ大聖堂は、スペインで最初のルネサンス様式の大聖堂で、5つの本堂を持つ壮麗な建物。当初はゴシック様式でしたが、後にルネサンス様式に移行しました。中央礼拝堂のきらびやかな祭壇や、聖母マリアをテーマにしたステンドグラス、パイプルガン…白で統一された教会内は優美な装飾が施されています。大聖堂のすぐ横には、カトリック両王の墓所として、孫にあたるカルロス5世が完成させた王室礼拝堂があります。中央の鉄格子の中には、大理石彫刻の墓が二対あり、右側の大きい方がカトリック両王、左側が、その娘夫婦フアナとフェリペのものです。 グラナダ大聖堂 王室礼拝堂 大理石の墓 アルバイシン地区アルハンブラ宮殿の北側、ダロ川を隔てた丘がアルバイシン。中世ムーア人の統治時代の建築様式を残す一角です。アルハンブラが出来るまでは、グラナダ王はこの丘の上の城に住んでいました。回教徒の家が密集していた地域で、今でも迷路のようなアラブの古い町並みが当時をしのばせます。サン・ニコラス教会の広場からはアルハンブラ宮殿の美しい全景が眺められ、特に夕日を浴びた宮殿は、その名が示すごとく赤く染まり、圧倒的な美しさです。 迷路のような街並み アルハンブラ宮殿が一望できる 夕景も美しい サクロモンテの丘〜洞窟住居アルバイシン地区から徒歩15分ほどで、サクロモンテ地区に入ります。この地区はヒターノと呼ばれた流浪の民たちが暮らす地区でクエバ(洞窟)を住居していることで知られています。洞窟住宅は西側斜面に造られ、これは夏の日差しを避け、西日で陽光を取り入れられるようにするためだと言われています。洞窟住居博物館もあり、エコな暮らしぶりを垣間見ることも。また、洞窟内でフラメンコを見せる店もあります。 洞窟住居 洞窟住居の室内 洞窟フラメンコ コルドバ 「遥かなる孤独のコルドバよ」とうたわれた、誇り高き街。メスキータ(聖マリア大聖堂)メスキータはスペイン語で「モスク」(ひざまずく場所)、ムスリム(回教徒)の礼拝堂の意味で、スペインに現存する唯一の大モスクです。10世紀末の増築で内部の柱は600本にもなり、大理石の円柱が森のように立ち並ぶ壮大な内部空間でしたが、1236年のレコンキスタ後はキリスト教の聖堂に転用され、17世紀初めには礼拝室の中央にゴシック様式風のカテドラルが建造されました。現存する円柱は854本。「円柱の森」での、連続するアーケードが重なり合う眺めは美しく、白い化粧漆喰と赤いレンガのだんだら模様が、華やかで幻想的な空間を作り上げています。また「礼拝の間」の奥には、メッカの方向を示す壁のくぼみであるミフラーブがあります。 ドーム天蓋 「礼拝の間」の「円柱の森」 オレンジの中庭から鐘楼を臨む ユダヤ人街(旧市街地)白壁に黄色の窓枠の建物が多く見られるユダヤ人街は、メスキータの北、細い通りが迷路のように入り組んだ地区。コルドバの町を象徴する花の小路もこの一角で、あちらこちらに花の小鉢が飾られています。かつてはコルドバ・カリフ帝国時代に多くのユダヤ人が住んでいましたが、レコンキスタ終了後のユダヤ人追放令によって姿を消しました。ユダヤ人街への西の出入り口はアルモドバル門。その横にはローマ帝国の暴君ネロの家庭教師として知られる、セネカの銅像が建っています。 ユダヤ人街 アルモドバル門 セネカの像 アルカサル庭園レコンキスタ終焉後のキリスト教徒時代に建設されたアルカサル(城)は、新大陸発見の資金援助を仰ぐため、コロンブスが当時の王と接見した場所としても有名です。美しい花と木、水が配されたシンメトリーの庭園は人々の憩いの場所。針葉樹の装飾庭園の先には、イサベル1世とフェルナンド2世に謁見するコロンブスの彫像が立てられています。 アルカサル庭園 針葉樹の庭園 謁見するコロンブスの彫像 セビージャ 「カルメン」の唄声が聞こえる、情熱のアンダルシア。セビージャ大聖堂セビージャ大聖堂は、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐ、ヨーロッパで3番目に大きな教会。15世紀初頭から1世紀という長い時間をかけて建設されました。中には幼子イエスを抱くマリア像が飾られ、中世の国王をはじめとするスペインの偉人が眠ると同時に、スペインの英雄、コロンブスの霊廟も設けられています。大聖堂に付属するヒラルダ(風見)の塔は街の象徴的存在。鐘楼には28個の鐘があり、人々に時を告げて鳴り響きます。 大聖堂とヒラルダの塔 世界最大と言われる黄金の祭壇衝立 コロンブスの棺 スペイン広場憩いの場として、多くの市民や観光客から親しまれているスペイン広場。1929年に開催された万国博覧会「イベロ・アメリカ博覧会」の会場施設として造られました。パビリオンとして建てられた広場内の建物は、アンダルシア地方の典型的な建築様式であるムデハル様式を取り入れており、両側に半円形に延びる回廊と、スペイン各県の歴史的出来事を描写した壁面タイル絵が特徴的です。 スペイン広場 壁面タイル絵(グラナダ) 人々の憩いの場となっている メトロポール・パラソル世界最大の前衛木造建築として、2011年に完成したメトロポール・パラソルは、2003年に行なわれた広場再開発計画のコンペで勝利したドイツ人のユルゲン・マイヤー・Hによる設計。高さ28mの屋上は展望台になっており、歴史の街セビージャが、存分に見渡せます。地下には考古学博物館があり、地上階はショッピングセンターや多目的の広場、2階にはバーやレストランもあります。 メトロポール・パラソル 展望台からセビージャの街を望む ライトアップ カディス 繁栄と激動の歴史を見つめた、港町。カディス旧市街18世紀にセビージャから通商院が移され、新大陸との貿易を統括する、商業都市となり、黄金時代を迎えたカディス。サン・フェリペ・ネリ教会、サン・フアン・デ・ディオス広場、市街が一望できるタビアの塔、メルカード(市場)など、両端が2キロほどの間に、優雅な建物や広場がぎっしりと存在しています。 大聖堂 サン・フェリペ・ネリ教会 名物のエビ 光の海岸〜サン・セバスティアン城旧市街から海岸通りに出ると、およそ300mの美しい砂浜が続きます。11月いっぱいまで、海水浴が楽しめるカディスは、光の海岸、コスタ・デ・ラ・ルスの中心地。かつて多くの船乗りが黄金の国を目指して帆を上げた大西洋が眼前に広がります。ビーチの突端には、18世紀の要塞、イギリスとの戦いに備えたサン・セバスティアン城があり、大航海時代に激戦地となったカディスの、激動の歴史を偲ばせます。 陽光眩しい市街地 カレータ・ビーチ サン・セバスティアン城
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