雄大な自然が広がる南半球の大陸を縦断。
オーストラリアの大地を行く
2012年最初の旅は、真夏の太陽が降り注ぐオーストラリア。シドニーから広大な大地を切り開いていった入植者の足跡をたどり、南東部の大都市メルボルン、アデレードを訪ねます。さらに、2004年に全線開通した大陸縦断鉄道で、夕日が美しいダーウィンへと荒野を北上。先住民族の文化や大自然に触れながら、豪華列車で3000kmを駆け抜けます。
入植と発展の歴史を辿って-
大陸縦断鉄道ザ・ガンに乗車して
入植と発展の歴史を辿って シドニー〜ブルーマウンテンズ〜メルボルン〜アデレード
アデレード 自由移民が建設した南オーストラリアの州都
セントラルマーケット
100年以上の歴史を持つ、国内有数の巨大市場。野菜、魚介などの生鮮品から菓子、茶、お惣菜や外国食材などあらゆる店があります。オーストラリアらしいカンガルー専門店では、肉が1kgあたりA$10ほどでした。早朝に賑わうのが市場の常ですが、ここは夜も大盛況。週末などはライブイベントや料理の実演ショーで活気にあふれます。いろいろなお店を案内しつつ市場の歴史や秘話を教えてくれる、マーケット・ツアーもおすすめです。
セントラルマーケット
大きな塊肉が豊富
青果店
クリーランド・ワイルドライフ・パーク
1000ヘクタールの広い園内に、オーストラリアならではの動物が野生に近い状態で保護・飼育されています。ウォンバット、エミュー、タスマニアデビル、エキドナなどの他、カンガルーに自分の手から餌をあげることも。コアラを抱いて写真撮影するのは別料金ですが、一緒に撮るだけなら無料。夜行性動物を見学するナイトツアーは、大人でもワクワクする人気アクティビティです。
カンガルー
コアラ
タスマニアデビル
国立鉄道博物館
アデレード郊外のポートアデレードは、19世紀の建物が多く残る港町。南オーストラリア海事博物館や鉄道博物館があります。国内最大規模の鉄道博物館は、昔の鉄道倉庫を利用してボランティアが運営しており、9月〜4月の週末はミニ蒸気機関車が子ども達を喜ばせています。また、ザ・ガンといえば大陸縦断鉄道ですが、ここには蒸気機関車時代の「オールド・ガン」を展示。往時の豪華な客車を見ることができます。
ミニ蒸気機関車
ジ・オーバーランドを牽引していた機関車
アリス・スプリングス 大陸の中心に位置するオアシスの町
ザ・ガン
アデレードとダーウィン間、約3000kmを2泊3日で駆け抜ける大陸縦断鉄道。1878年に建設を開始し、2004年に全線開通しました。等級は、個室寝台車のプラチナとゴールド、割安なレッドの3クラス。上位クラスには専任アテンダント、ゆったりした寝台、豪華な食事が付き、まるで動くホテルのようです。何より、雄大な車窓の景色は飽きることがなく、乗り合わせた世界中の人々との出会いとともに、一生の思い出になるはずです。
ザ・ガン
プラチナクラスの寝台
食堂車
アリス・スプリングス・デザートパーク
赤い砂漠の真ん中にあるアリス・スプリングス。その砂漠に生息する動植物を約500種類も、自然のままの状態で観察できる公園です。デザートリバーズ、サンドカントリー、ウッドランドという3つのエリアに分かれ、それぞれを探検するようにウォーキング。ふいに、放し飼いのカンガルーやエミューに出会うこともあります。夜行性動物館やワシなどの猛禽類コーナーもあり、普通の動物園にはない驚きに満ちています。
アリス・スプリングス・デザートパーク
キャサリン ニトミルク国立公園の玄関口
ニトミルク国立公園
200km先のカカドゥから流れ出た川が、16億年もの間に砂岩を浸食して作り上げた13の峡谷。このドラマティックな風景を堪能できるのが、ニトミルク国立公園のキャサリン渓谷クルーズです。約20kmに渡り50m級の断崖絶壁がそびえ、水面には巨大なワニを目撃することも。谷底から一転、ヘリコプターの遊覧飛行では、古代より浸食と隆起を繰り返してきた地形が一望でき、地球のダイナミックな生命力を感じられることでしょう。
キャサリン渓谷クルーズ
渓谷ウォーキング
ヘリコプターでの遊覧飛行の眺め
カカドゥ国立公園
四国と同等の広さに、3つの川と渓谷、湿地、マングローブやユーカリ林など多様な自然環境を有する国立公園。アボリジニの生活圏でもあり、自然・文化の両面から重要性が認められ、世界複合遺産に登録されています。リバークルーズや巨大なアリ塚見学、ロックアート(壁画)を訪ねるツアーの他、面白いのはアボリジニの生活の知恵を学ぶツアー。薬になる草、道具になる植物、食べるとおいしい動物などを楽しく教えてくれます。
カカドゥ国立公園
巨大なアリ塚
アボリジニ・アート
イエローウォーター・クルーズ
国立公園のほぼ中心部に広がる湿地帯をボートでクルーズ。原始的な風景と熱帯雨林特有の動植物を、目の前で見ることができます。どこまでも広がる水面と緑と空だけに包まれ、刻々と色が変わる朝と夕方は特に素晴らしい景色。珍しい水鳥に見とれていると、巨大なクロコダイルが次々と姿を現しスリルも満点です。このクロコダイル、人間など興味なしといった風情で悠然としていますが、実は非常に獰猛なのでご注意を。
イエローウォーター・クルーズ
クロコダイル
ノーランジーロック
カカドゥを代表する岩山。2万年以上前ともいわれる、古代アボリジニの壁画が点在しています。1つひとつに意味や物語が込められ、アボリジニの神話「ドリームタイム」に登場するナマルゴン(雷神)の絵が特に有名。動物の骨格や内蔵を透視したような描き方は、文字を持たないアボリジニが、急所や薬に使える部位を絵で伝えるためだそうです。壁画を巡って巨岩を登ったり洞窟を歩いたり、探検気分も味わえます。
ノーランジーロック
雷神
ダーウィン 大自然とアボリジニ文化に抱かれた北端の町
ダーウィン・ボタニックガーデン
オーストラリア北部の大自然をじっくり味わえる、南半球最大規模の植物園。歴史は古く、1886年からダーウィン市民の憩いの場となっています。植物園とは言っても、誰でも自由に出入りできる公園のような場所。41ヘクタールもの広大な敷地に、400種類以上のヤシ類や、世界中の熱帯地域から集めた植物が生い茂っています。野鳥の楽園にもなっており、また、ガーデンの向いには日本人労働者の墓地もあります。
ダーウィン・ボタニックガーデン
南国の花が咲き誇る
ファーニー・ベイ
美しいビーチが続いているファーニー・ベイ。カジノホテル、ナイトマーケットが開かれるミンディルビーチ、ダーウィン博物館&美術館など観光スポットが集まっています。ここで絶対に見るべきは、夕日。そのためだけにダーウィンを訪れる人も多いほど、その美しさは特別。特に、ファーニー・ベイ北端のイーストポイント・リザーブから見る夕日は絶景です。大スケールの大陸縦断、その締めくくりにふさわしいラストシーンとなるはずです。
ダーウィン名物の夕日
- PART1入植と発展の歴史を辿って
- PART2大陸縦断鉄道ザ・ガンに乗車して
「Railway Story オーストラリアの大地を行く」写真提供：オーストラリア政府観光局