映画

逃がれの街

北方謙三の同名小説を、工藤栄一監督が独自の映像美満載で映画化。不運な出来事が積み重なり、流転の人生を歩む主人公を、水谷豊が熱演した秀作ハードボイルドサスペンス。

当時、日本のハードボイルド小説界の旗手として売り出し中だった北方謙三の初期の出世作を、工藤栄一監督がスタイリッシュに映画化。かつての仲間や恋人に裏切られ、平凡な日常生活から次第に大きく逸脱していく主人公の青年を、ご存じ水谷豊が体当たりで切なく熱演。彼出演のTVドラマ「傷だらけの天使」や、人気TV時代劇「必殺」シリーズの演出も数多く手掛けた工藤監督が、光と闇のコントラストを強調した独自の映像美学を随所に発揮するほか、甲斐智枝美、島田紳助、財津一郎ら、多彩な共演陣の熱演も見もの。