映画

顔(1957)

松本清張原作のサスペンス。すべてを手に入れたはずだった、目撃者が現われるまでは……。トップモデルの栄光の座を得るべく殺人を犯したヒロインの気になる運命を描いた。

2009年に生誕100周年を迎えた際も脚光を浴びた、昭和の日本の文芸シーンを代表する人気作家、松本。彼の小説は多数映像化されたが、その記念すべき第1回映画化作品となったのが本作。本来原作の短編小説では男性だった殺人犯を、映画ではファッションモデルという設定に変え、若き岡田茉莉子が悪女役を熱演。殺人現場を偶然目撃し、彼女の運命を握る男性を演じるのは、翌年やはり松本原作の傑作「張込み（1958）」で刑事役を好演する大木実。