映画

王立宇宙軍 オネアミスの翼

後に「新世紀エヴァンゲリオン」を手がけるアニメ制作会社、ＧＡＩＮＡＸの初作品で、当時の若い才能が結集して生み出された、日本アニメ史に残るＳＦアニメ映画の金字塔。

製作当時、日本のアニメが世界でも高いレベルにあるといわれていたにもかかわらず、そこにとどまることなくそのレベルをさらに高めた野心作が本作。物語や登場人物などドラマ性に重点を置きつつ、人類が永遠に憧れる“宇宙への夢”を、鮮烈かつ精密な映像美で描ききった。それまで日本のアニメ作品が取り上げてきたヒーロー像をいったん否定しながら、若き宇宙船パイロット候補生の青春を描いたというのも意欲的。山賀博之監督が当時まだ24歳だったのも伝説的な上、音楽をあの坂本龍一が担当したというのも話題だ。