WOWOWブッククラブ

これまでWOWOWは長年にわたりテレビ・エンターテインメントを提供してきました。そして、様々な社会状況が変化している今だからこそ、新たな楽しみ方をご提供したいと考えるようになりました。そのパートナーとして、私たちが選んだのが「本」です。

本には私たちの人生を豊かにしてくれる不思議な力があります。ゆっくりと思いをめぐらせたり、知識や教養を深めたり、またある時は迷わせたりもする愉快な相棒になってくれます。私たちがお届けする映画やドラマなどの原作としてエンターテインメントの世界を支えてくれる存在でもあります。

番組を観て楽しむことに加えて、関連する本を読むことで更に楽しみが増えていく。そうした「楽しみ方の積み重ね」は、きっとあなたの日々を豊かにしてくれることでしょう。

WOWOWブッククラブとは?

WOWOWブッククラブは「番組と本をセットで楽しめる」企画です。
毎月のテーマを決め、そのテーマに沿ったおすすめ番組と関連する本をご提案します。

本を選んでくれるのは、ブックディレクターの幅允孝さん。番組から得られる物語性やイメージをもとに本をセレクトし、コメントを添えてご紹介していきます。

先に番組を観るのもよし、本から入るのもまた一つの楽しみ方。あなたにとって番組や本との新しい出会いになることを願っています。

幅さんにこのブッククラブの部長を務めていただき、今後は参加型のイベントなども企画していく予定です。

どうぞご期待ください。

WOWOWブッククラブ部長

幅允孝Yoshitaka Haba

有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター

人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。最近の仕事として札幌市図書・情報館の立ち上げや、ロンドン、サンパウロ、ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。2020年7月に開館した安藤忠雄建築の「こども本の森 中之島」ではクリエイティブ・ディレクションを担当。近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛ける。早稲田大学文化構想学部、愛知県立芸術大学デザイン学部非常勤講師。
Instagram : @yoshitaka_haba

photo:Kazuhiro Fujita 幅允孝

9月の番組テーマは「スペインサッカー ラ・リーガ」

世界最高峰のサッカーリーグ「スペインサッカー ラ・リーガ」。2020-21シーズンも世界のトッププレーヤーたちが競演する最高峰の戦いをお届けします。今回は「ラ・リーガ」をより楽しんでいただくために、WOWOWブッククラブのテーマとして5冊の本をセレクトしました。

番組とセットで読んでほしい5冊

1冊目

おもしろサッカー世界図鑑
スペイン編

サッカー新聞エル・ゴラッソ(編集)
スクワッド

動画はこちら

おもしろサッカー世界図鑑<br>スペイン編

えらんだ理由

 サッカー新聞「エル・ゴラッソ」がつくった図鑑絵本がこちら。サッカーの好きな子供たちにスペインサッカーの周辺や奥行きを知ってもらうため絵本調にしているのですが、実のところ大人でも読み応え十分なのです。
 なぜ、レアル・マドリードとバルセロナのクラシコはあんなに白熱するのか? をきちんと説明するためにその根っこを丁寧に紐解く本書は、8世紀にアフリカからやってきたイスラム勢力がパエリヤの米文化やフラメンコの踊りを地域に残していった歴史まで遡ります。そこからレコンキスタ(国土回復運動)、大航海時代、そしてスペイン王位継承戦争へと続き、フランスの流れを組むブルボン家と一緒に戦った(レアル・マドリードがある)カスティーリャ地方と、一方オーストリアのハプスブルク帝国に助けを求めイギリスやオランダと組んだカタルーニャ(つまりバルセロナ)の戦争までを網羅。
 包囲されたカタルーニャは結局1年以上粘って1714年に降伏したのですが、その時の気骨を忘れないようにカンプ・ノウでのクラシコでは17分14秒に「インデペンデンシア!」を叫ぶのですね。
 知らないでも済むことですが、知っているとより楽しく感じることって、確かにあると思える1冊。

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2冊目

ディープスロート

内部情報が語るレアル・マドリー

ディエゴ・トーレス(著)
木村浩嗣(訳)
ソル・メディア

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ディープスロート

えらんだ理由

 アメリカのニクソン大統領が失脚したウォーターゲート事件。ワシントンポスト紙のスクープ源となった内部情報提供者のことをディープスロートと言いましたが、レアル・マドリードの驚くような内部裏話をまとめた本がこちら。ディエゴ・トーレスというジャーナリストがスペイン語で書いたものを日本のサッカー雑誌に4年にわたって翻訳連載していたものです。多分、過激すぎてスペイン語では出版できないのではないでしょうか?
 最も偉大なクラブと呼ばれるレアル・マドリードの裏の顔は、人間同士の駆け引きと陰口と抗争が溢れる修羅の場所。クラブの会長の座に留まるため、どう選挙に勝ち、どう批判されないかをひたすら考えるペレス会長。そんな彼とは決して二人三脚などではなく数々の諍いを抱えながら勝ち続けたクリスティアーノ・ロナウド。追放されたクラブアイコンのカシージャスや失踪癖のあるコエントラン。アンチェロッティ監督が辟易し、ベニテス監督が疲弊し、サポーターの怒りを沈めるためやってきたジダン監督も深い沼に絡めとられ
 ペレス会長が2009年に会長の座に復帰してから何をやりたかったかというと、カカをロナウドの代役とすること、モウリーニョを10年間続けさせマドリードのファーガソンにすること、ベイルをチームの顔にすること、そしてハメス・ロドリゲスをモドリッチの代役にすること。つまり、ことごとく失敗しています。なのに、なぜかCL(チャンピオンズリーグ)でもきちんと勝ててしまう。裏目に出た方がうまくいく。このレアル・マドリードの摩訶不思議な力について、誰か解明してみてください。

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3冊目

欧州 旅するフットボール

豊福晋(著)
双葉社

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欧州 旅するフットボール

えらんだ理由

 バルセロナ在住のサッカージャーナリスト豊福晋さんが書くエッセイは、なにがいいって、美味しそう。欧州の街角にどんなフットボールファンがいて、その人がどんな表情をして試合を観戦し、どんな声をあげ、何を飲み何を食べているか。つまり、スタジアムの中で行われている試合中心のサッカーエッセイではなく、その周辺がまとう空気をうまく抽出する読んでいて気持ちのよい読み物なのです。
 「エウロパ」というバルセロナの街にある3つ目のサッカークラブの凋落と悲哀をジャガイモのトルティージャの匂いを漂わせながらからりと描き、「アーティチョークとクライフの記憶」なんて、タイトルを見ただけでもいい匂いがしてきませんか?
 各地を巡り、脚でかせぐスタイルのサッカーエッセイが人の生活を切りとり、その場に流れる血の通った毎日を読者に想像させます。行った事のない町の風景が浮かび、浸透圧に近い文体はすぅーっと気持ちよく体にはいってきます。
 サッカーは呼吸するようにそこに在る。そんな欧州の空気が鼻孔を抜ける上質な1冊です。

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4冊目

龍時

野沢尚 (著)
文春文庫

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龍時

龍時

龍時

えらんだ理由

 「眠れる森」等、ドラマの脚本家として知られる野沢尚さんのサッカー小説。実は、サッカー小説が難しいのは人称の問題があるからなんです。人称をころころ変えられない小説作法では、主人公から見た風景しか描かなければ退屈になるし、近年のサッカーの多視点化とも相性がよくない。そんな難しさを超えて、未だに読み応えのある本格サッカー小説の代表格が『龍時』だと思います。
 主人公の志野リュウジは、U17日本代表としてスペイン代表と戦った時、その活躍がリーガ・エスパニョーラのアトランティコFC(架空のチーム)の会長に評価され、下部組織シティオ・アトランティコに引き抜かれます。
 言葉も文化も違う場所で、少しずつ自分の居場所を獲得しながら成長していくリュウジ。この作品はフィクションとリアリティの混ざり方が絶妙で、対戦相手は当時の現役選手をそのまま物語世界に入れています。彼が出世するターニングポイントとなったバルセロナ戦はクライファートやサビオラ、オーフェルマルスなどと主人公がピッチ場で火花を散らすわけです。
 またアスリートのテクニックや動きの美しさは、本来言葉にならないから価値を置かれていると思うのですが、脚本家という言葉と感情のプロとして、言語の限界を踏まえた上でサッカーの無限の広がりを書く挑戦をしている点も素晴らしい。細やかなボールの蹴り方や止め方、目線なども検証しながら、読み手が頭の中でイメージを膨らませる言葉選びとリズムを追求しています。
 加えて家族の物語としても実に骨太で、リュウジが1巻後半で下した大きな決断は、是非読んで確かめてもらいたいと思います。

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5冊目

「サッカー」とは何か

戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論

林舞輝(著)
ソル・メディア

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「サッカー」とは何か

えらんだ理由

 リスボン大学とポルトガルサッカー協会主催の指導者養成コース「HIGH PERFORMANCE FOOTBALL COACHING」で直接ジョゼ・モウリーニョから学ぶ機会のあった林舞輝は25歳でJFL奈良クラブ監督を務める注目の人物。彼の初の著書となるこちらは、そんな彼が欧州で学び、いまの最先端のサッカー界を二分するトレーニング理論を読みやすく、しかも「使える」メソッドとして提示した本です。
 従来の素走りやドリル練習を中心としたアスリート要素を鍛えるトレーニングとは一線を画した、戦術的ピリオダイゼーションと構造化トレーニング。前者はポルト大学で教鞭を執りながらFCポルトでその理論を血肉化したヴィトール・フラーデが体系化し、ジョゼ・モウリーニョが実装して体現した理論。後者は、FCバルセロナを中心とする総合スポーツクラブのサッカーチーム(&ハンドボールチーム&陸上チーム)でパコ・セイルーロが体系化し、ペップ・グアルディオラが実装して体現した理論です。ひょっとしたら、他スポーツの指導者が読んでも大いに参考になるかもしれません。
 ゲームモデルとプレー原則の習得に繋がる、タスク化された練習をつくること。それを目的とした戦術的ピリオダイゼーションとは、チーム内の無意識での意思統一(=シンクロ)を目指すもの。と、言葉にまとめると簡単ですが、「ゲームモデル」、「プレー原則」、「無意識の意思統一」といったワードひとつひとつの解像度を上げ、具体的に何を指すのかを明文化&図解までした点は今までの類書にない脇の締め方。伝達を真摯に考えるなら、言葉の共有は不可欠ですが、それをきちんと向き合っているサッカー関連書は意外と多くありません。
 さらにこの本が魅力的なのは、こんなにまとまった本書なのに著者自身が「教典化」を否定するところ。結局、結論は皆が個々で考えるべきだと明るい議論を焚きつける風通しのよい1冊でした。

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来月も素敵な本に出会えますように

10月分は10/1(木)頃に
更新の予定です。

これまで紹介した本。

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「全米オープンテニス」 大坂なおみ、S・ウイリアムズ、ジョコビッチ、メドベージェフ Getty Images、スタジアム 写真:AP/アフロ 「スペインサッカー ラ・リーガ」(左上から時計回り)メッシ、ジョアン・フェリックス、アザール、乾貴士、久保建英 Getty Images、岡崎慎司 写真:アフロ

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オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの

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