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2006年9月8日掲載(2006年9月7日現在)
大会第11日目(9月7日)終了時点で、準々決勝に突入した男子シングルストーナメント。すでに準決勝進出を決めたアンディ・ロディック(アメリカ・第9シード)、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)を下したミカエル・ユーズニー(ロシア)と、第8日に準々決勝を戦うロジャー・フェデラーを含む4人の選手しかドロー上には残っていない。自身9度目の四大大会優勝と全米3連覇を狙う帝王フェデラー。2004年2月から世界ランク1位に君臨し続ける帝王の牙城を切り崩し、高らかに優勝トロフィーを掲げる選手が、果たしてニューヨークに出現するのだろうか!?
最終日まで3試合を残す帝王に対する最初の刺客となるのはジェイムズ・ブレイク(アメリカ・第5シード)。4回戦では、20歳にしてアテネ五輪金メダリストのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ・第12シード)にストレートで、わずか1時間37分で圧勝してきた27歳。これまでの対戦成績は、フェデラーの4勝負けなしと完全に圧倒されているものの、その言葉や観客を巻き込むプレイスタイルなど、引退してしまったアンドレ・アガシの後継と目される一人だ。昨全米準々決勝でのアガシとの死闘の記憶も新しいブレイクには、アメリカテニス界のリーダーとして、ぜひ帝王越えを実現してもらいたいものだが、これまでの対戦でまだ1セットも奪われずにいることを考えると、帝王にとっては与しやすいのではないだろうか。
そのブレイクが帝王の軍門に下った場合には、反対側からアンディ・マレー(イギリス・第17シード)、ニコライ・ダビデンコ(ロシア・第7シード)、トミー・ハース(ドイツ・第14シード)の3人の中から1人が次なる刺客として名乗りを上げてくる。昨年プロに転向したばかりの19歳のマレーは、8月直前のシンシナティ大会で7-5、6-4とフェデラーに競り勝った相手だ。今季5つ目の黒星をお見舞いされた記憶を吹き飛ばすべく、グランドスラムの舞台で圧倒的な勝利で下さんと帝王の威信を懸けた戦いとなるだろう。 そのマレーと4回戦で激突するダビデンコは、全米直前のニューヘブン大会で優勝し好調を維持しているのだが、なぜか同い年の帝王には分が悪い。これまで7回の対戦で勝利はゼロ。強すぎる横綱・千代の富士に立ち向かう名大関・霧島といった関係か!?
こちら側のドローに残る選手の中で、唯一フェデラーに勝利している(2勝)ドイツ人ハース。帝王が1位の座に上り詰めて以来の対戦では、勝ち星をあげることはできていないが、かつてはランキング2位に位置し、若き日のフェデラーの上にいたこともある。また今全豪で唯一、フェデラーをフルセットまで追い詰めた張本人だ。準々決勝を勝ち抜き、今年5回目となる帝王への挑戦権を獲得することができるか。
帝王の今シーズンは5つの黒星を記録しているが、マレー戦のほかの4つの負けはナダルに食らわされたものだ。近年は、信玄に対する謙信、武蔵に対する小次郎のごとくフェデラーとのライバル関係を築き上げてきたそのナダルは、準々決勝で姿を消してしまった。今年5回の決勝戦を争って4つのタイトルを奪い去っただけでなく、過去の対戦成績でも6-2と帝王に対してリードを保つナダルは当然のようにドロー表の反対側で確実に勝ち上がってきたが、ここで勝利を奪ったのはノーシードから出場したユーズニーだった。ユーズニーは、帝王より1歳下、1982年生まれのロシア人。今大会のサプライズの一人だろう。フェデラーとの対戦成績は、7戦全敗。帝王戦にたどり着くには、自身初のグランドスラム決勝に進出しなくてはならない。準決勝の相手は、アンディ・ロディック(アメリカ・第9シード)だ。
そのロディックは、2003年当時、フェデラーと並んで新人急成長トリオとして期待され、過去2年、全英・全米の最終盤で常に激闘を繰り広げてきたヒューイットと準々決勝で対決。ストレートで下し、2003年以来の準決勝進出を果たしている。過去の対戦成績はやはりフェデラーの圧勝モード(10勝1敗)とはいえ、それでもグランドスラム大会を制し、かつては世界1位に登り詰めた実力者。往年の名勝負ジミー・コナーズに師事を仰いでから本来の調子を取り戻し、3年ぶりの全米制覇、世界ランク1位かえり咲きを狙うロディックを甘くみてはいけないようだ。
絶対王者として、長く君臨する帝王フェデラー。あまりにも完璧なプレー振りが、かえって一部のファンの反発を呼んでいることは否めないが、一方で打倒帝王を目指して挑んでくるライバルたちをあっさりと蹴散らしていく姿は賞賛に値するところではないだろうか。果たして、帝王に一矢報いる選手は現れるのか。残り3日間の男子シングルスの戦いを注視していきたい。
Photo:AFLO Photo:PanoramiC/AFLO Photo:Getty Images/AFLO

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