

日本時間:2008年1月28日掲載
ノバク・ジョコビッチ(セルビア・第3シード)
vs ジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)
3-1(4-6 6-4 6-3 7-6(2))
Q:四大大会のチャンピオン、どんな気持ち?
とても言葉では言えないよ。もちろん、ずっと夢見てたことだ。テニス選手なら誰でも四大大会での優勝を夢見てるだろう。
すごく特別なことだ。2週間も、世界のベストプレーヤーたちが集まってプレーする。そして最後にチャンピオンになる。優勝するのはたった一人。なんだかまだこの2週間で自分が成し遂げたことの実感がわかないよ。
もちろん、すごく誇りに思ってる。それにもちろん、家族や他のみんながこの2週間ずっと僕をサポートしてくれたこともすごく重要だった。去年の四大大会では全部準決勝以上に進んだし、全米ではもうちょっとのところまで行ったから、今はほっとしてる。
最初は少しナーバスだった。だって四大大会の決勝で僕の方が本命なんて、今までになかったことだからね。だから危なかった。でもそのプレッシャーに打ち勝って、勝つことができた。
Q:世代交代の時かもって言ってたね。あなたとジョーが次のスター?
彼がどんどん打ってくるのはわかってた。彼の初めての四大大会決勝なんだから。彼は大会中ずっと素晴らしいプレーをしてた。実力で決勝進出したんだ。
今日は接戦だった、どちらが勝ってもおかしくなかった。ほんのいくつかのショット、いくつかのポイントが明暗を分けたんだ。
でも僕の初めての四大大会優勝、とてもハッピーだよ。ちょっとのんびりする、すぐには次のもっと高い目標なんて考えない。急いでないよ。
成功を味わって、家族や友人とお祝いしたい。後のことはそれから。
Q:ロジャーの独壇場は終わった?
そうは思わない。たった一つの大会で歴史を変えることはできない。もちろん僕はここで素晴らしいテニスをした。実力で勝ったんだ、準決勝のフェデラーにも。彼も言い訳なんかしなかった。だけどもちろん彼は元通り戻ってくるよ。まだずっと世界No.1でいるだろうし、みんな彼の強さを知ってる。今年も彼はたくさん勝つと思うよ。
Q:勝利と敗北は紙一重。あなたは四大大会の決勝でその両側を味わったわけだけど、今日あなたが勝利の側になれた、その違いはなんだったの?
相手がロジャーじゃなかった(笑)。
さっきも言ったように、変な感じだった、自分が本命だっていうのは。そういう時の相手は危険なんだ、何も失うものはないから。
彼は本当にアグレッシブだった、最初からショットを決めに来てた。僕は落ち着いて、集中することが必要だった。全米オープンで一度、四大大会の決勝でプレーしたことがあった経験が、今日役に立ったと思う。
大事な場面で、多分僕の方がガマン強く、集中してた。それが違いだったと思う。
Q:第3セットの終わり、何度もセットポイントがあったけど、ずっと集中していられた。
うん。相手はビッグ・サーバーだから、僕はチャンスを待たなくちゃいけないのはわかってた。彼は最初の方すごく良かった。第1セットを見ればわかる。第1セットは彼の方がいいプレーをしてた。
それからは、ただ集中して、コンスタントにレベルの高いテニスをして、チャンスを待って、チャンスがあれば必ず活かさなきゃいけない、だからそうした。
第4セットはちょっとおかしかった、僕ら2人とも良かったり悪かったりしたから。相手のサーブではお互いほとんどチャンスがなかった。2人ともだいたいサービスキープしてた。だけどお互い疲れて動きが良くなかった。治療が必要だったのは、何度もスライドしたから太ももに筋肉痛が起こってた。それは普通のことだと思う。
精神的な、準備。精神的な強さが、この試合では特に物を言ったと思う。
これは四大大会の決勝戦で、それがわかって試合に臨む。だけどやっぱりナーバスになる。大事な場面で、思うようなプレーができない時もある。だけど重要なことだ。最終的な違いは、どこまで集中できるかだ。
Q:試合の最初はナーバスで、サービスブレークされた。その後どうやって気持ちを切り替えたの?試合の前からナーバスだった?
試合前はテニスのことは考えないように、他のことを考えようとしてた。冗談を言ったり、音楽を聴いたり、笑えるビデオを見たりして、リラックスしようとした。それはできたと思う。
でもコートに出たら2秒で変わってしまった(笑)。満員のお客さんを見たらすごく誇らしい気持ちになった、ここまで来たことに。でも、勝ちたい。せっかく決勝まで来たんだから、あと一つ勝って優勝したいと思うだろう。
それでプレッシャーを感じてナーバスになった、わかるだろう。でもそのプレッシャーに打ち勝つことができてハッピーだよ。
Q:人生最大のプレッシャーだった?
かなりのプレッシャーだったね。そうかも。
Q:今夜の予定は?
言わない(笑)。秘密なんだ。特別なお祝いだからね。楽しくなるよ。家族や、みんなとね。友達いっぱいいるから。
Q:過去10回の全豪オープン優勝者のうち6人が第1セットを落としてる。これは何か意味がある?でも第2、第3セットではあなたは10のサービスゲームで10ポイントしか落としてない。それが鍵だった?
そうだね。第1セットのことは、優勝者も試合の初めはナーバスだってことだね、今日僕がそうだったように。それでも最後は勝てたからとてもハッピーだよ。サーブはこの2週間ずっと良くて、最大の武器になったし、やる気と自信を与えてくれた。
それに今シーズンと将来に向けて嬉しいことでもある、最近サーブにすごく力を入れて練習してたから。ファーストサーブの成功率を上げることと、入れる場所に。
こういうことは時間がかかる。だからこの2週間の自分のサーブに驚いた。サーブは僕のゲームにとても重要だと思う、今日の試合でも。
Q:本命としてこの試合をして、改めてフェデラーやナダルはすごいと思った、もう何年もそんな立場なんだから?
もちろん。四大大会の優勝者は誰でもリスペクトすべきだと思う。どんな気持ちのものかわかったよ。これからもそういう立場でいたいけど。
Q:社交的なんだね。観客に応援されてる相手とやるのはやりにくい?2試合続けてそうだった。
戦うしかないからね、試合のことだけ考えて。お客さんはだいたい向こうを応援してた、まあいいんだ、理由はわかる。
みんな応援したい選手を応援する権利がある。彼は魅力のある選手だ、若いし、シードは低いし。みんな彼をサポートしたがった。
でも僕にも十分サポートはあったよ。僕のボックスとその周り、20人か30人くらいだったけど、試合中ずっと信じられないような大声で応援してくれて、本当に力づけられたよ。
Q:ものすごく重そうなトロフィーだったけど。
感じなかったよ。重くても軽くてもいい。トロフィーを見て、そこに刻まれた歴代チャンピオンの名前を見て、「すげえ、ここに僕の名前も載るんだ」って思った。すごく誇らしかった。
Q:一年中クレーがなくてハードコートならいい?
多分ね。ATPの会長に言って全大会をハードコートにしてもらうよ(笑)。
うそだよ、プロテニス選手はみんな全てのサーフェスでコンスタントな結果を出したいと思ってる。ここ半年ほどそれができてると思うよ。
Q:ローランギャロスはタフ?
今はむしろちょっとホッとしてる、今シーズンはずっと四大大会優勝者として臨まなきゃいけないけど。でも今はいい気分だよ、プレッシャーもそんなに感じてない。どうなるかわからないけど、今までも大事な試合でベストのプレーをしてきたと思う。それは僕にとって有利なことだ。
Q:戦争の爪あとが残る小さな国で育って、子供の頃自分が将来は四大大会の優勝者になるなんて考えたことあった?
何度も夢に見たよ。伝説といわれるプレーヤーたちがあのトロフィーを持ち上げるのを何度もテレビで見た。いつかはあそこにいたいと思ってた。だからほんとうに夢が叶ったんだ。
Q:ただの夢として?本当にそうなると思ってた?
いつも信じてた、本当に。ネガティブに考えるのは嫌いだ。いつもサポートしてくれる人たちがいたし、特に両親、お父さん。お父さんは僕より僕のことを信じてくれた。
ジュニアでプレーして、プロでやっていって、四大大会でも優勝できるって自信もついたしやる気も出た。
そんなこと現実的じゃないって思う人もいるだろうけど、僕には現実だった。でもその頃セルビアにはあまりテニスの伝統はなかったから、自分の実力を判断するのは難しかった。僕が育った頃の、練習なんかのそういう不利な条件を考えれば、不可能なことだったのかもしれない。でも僕はいつも信じてた。
Q:戦争で家族に影響があった?
戦争のことは話したくない。
Q:セルビアで練習するのは大変だったようだけど、どうやってここまで来たの?
うん、みんながテニスの伝統のないあんな小さな国から、こんなにたくさんのいい選手が出て驚いてる。説明のしようがない、僕らの国にはテニスのシステムはなく、サポートもなかったんだから。僕個人は両親からの強いサポートがあった。あとは成功に対するハングリーな気持ちと、辛い時代が僕らを強くしたんじゃないかな。
Q:四大大会で実際に優勝するのは、どんな気持ち?
プロになって、やってみればわかるよ(笑)。
どうやって説明すればいい?まだピンとこないんだ。こうやってトロフィーを横に座ってるけど、まだコートの中にいるみたい、試合のこととか、この2週間のこととか考えてる。
国に帰ればみんなが本当のことだって教えてくれるだろう。
Q:マッチポイントの時のこと、話してくれる。
わからない、思い出せないよ。倒れて、安心して、ほんとにハッピーだったことだけ憶えてる。試合中はコート上で感情を出すこともできなかった、だからどう感じてたか良くわからない。
Q:全仏の後、ベルグラードであなたと、イバノビッチとヤンコビッチのために行われたお祝いを憶えてる?今度はどんなかな。
セルビアの記者たちの笑顔を見れば想像がつくよ。
初めての四大大会のチャンピオン。それがどんなに大きなことか、考えられない。この勝利が本当に嬉しいし、セルビアの人々が喜んでくれて嬉しいよ、僕のことだけじゃなく、みんなのことを。この前のお祝いで、みんなはすごいリスペクトを見せてくれた。アナが決勝、エレナと僕が準決勝に出て。他の国にとってはそれほどのことじゃないかもしれない、でも僕らの国ではその時はすごいことだった。
Q:何人ぐらいいたの?
2万人ぐらいだと思う、わからないけど。子供の頃いつも、僕らの国の出身の偉大な運動選手を見てた、バスケットのチャンピオンとか、ヨーロピアン・ワールド・チャンピオンとか、オリンピックのメダリスト、ウォーターポロやバレーボールの選手とか。彼らが大きな大会で勝つと、あのバルコニーに立ってお祝いするのが僕らの伝統なんだ。通りいっぱいに人が出て、数なんてわからない。
僕もあれをやるのかな(笑)。
Q:国ではすでに有名人。今は四大大会のチャンピオン。どう対応する?
成功したらそういうことが起こるのはしょうがない。人気があるのは嬉しいよ。道で人々が近づいてきて、リスペクトして、ポジティブな言葉をかけてくれることは嬉しい。誇りに思うよ。
でも人生のバランスを保つことが重要だ。今それを学んでる。僕はまだ若いし、スタートしたばかりだ。
もちろん僕はテニスに集中しなきゃいけない。まだこれから10年も15年も続けたいから。何とか生き残りたいと思うよ。
ジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)
vs (優勝)ノバク・ジョコビッチ(セルビア・第3シード)
3-1(4-6 6-4 6-3 7-6(2))
Q:今何を考えてる?
いろんなこと。自分を誇りに思う。ノバクのために嬉しいと思うよ、きょうは信じられないようなプレーをしてたから。この決勝について悲しむべきが喜ぶべきかよくわからないけど、気分はいいよ。
Q:試合の最初、ナーバスだった?
いや、ナーバスじゃなかった。他の日と同じ。とてもリラックスしてた。何て言ったらいいのかわからない。ノバクは今日とてもいいプレーをした、タフだった。
試合には2人の選手がいる、どっちが勝つかわからない。でも最後には1人が勝者になる。今日はそれがノバクだった。
Q:決勝に出て、もう一度決勝に出たいと思ってる?
信じられなかった、観客が。すごい歓声。鳥肌が立った。クレイジーだった(笑)。
Q:ノバクはずいぶん時間を取る。あなたもそのことを審判に言ってたね。フェアだと思う?
うん、時々リターンのために構えると、相手がサーブまでにすごく時間をかける、それで待ってると、タイミングが合わなくなる。
難しかったよ。サーブをするまでに25秒ぐらい与えられてる。それが40秒だったら、審判は何か言うべきだ。
Q:トップ20に入るのは、どんな気持ち?トップ10には入れる自信ができた?
いい気分だね。もちろん自信はある。誰もが僕が勝った選手たちに勝てるわけじゃない。リシャールや、ユーズニーや、ラファエルはすごくいい選手だ。彼らに勝つのはとても難しいけど僕は勝った。もちろん自信がついたよ。
Q:両親が見に来てくれた。
すごく重要なことだった。ここに来るのが父の夢だったから。嬉しいよ。
Q:ここであなたのプレーを見ることが?いつから?
うん、もう長いこと。いつからかわからない。僕がテニスをしだしてからかな。