


「こんなにも自分自身を信じたことはなかった。」才能だけなら天下一と言われていたサフィンが、この自信を味方につけて、2005年最初の四大大会、全豪オープンを見事に勝ちとった。2000年全米優勝以来、メルボルンで2度の決勝敗退を経て、ようやく自身2つ目のGSタイトルを手に入れた。
昨年8月末以来無敗を誇り、1セットも落とさず快勝してきたフェデラーとの準決勝は、世紀の熱戦の末に勝ち取った。1976年以来の地元優勝を目指し、そ れこそ最初から最後まで走り続けたヒューイットとの決勝は、決定力で打ち勝った。大会中に25歳の誕生日を迎えた男は、ようやく自らの体内に住む獣を飼い ならす術を覚えたのかもしれない。
全豪100周年大会を最も盛り上げたのは、地元ヒューイットの執念だった。初戦から決勝まで例外なく実力者との対決。特に4回戦ナダル&準々決勝ナルバン ディアンでは、18ヶ月に渡る肉体改造の成果を発揮してパワフルにフルセットを戦い抜いた。それにしても「炎の塊」のような18歳ナダルの、近い将 来…3ヵ月半後の全仏オープンが非常に楽しみだ。今大会調子の良かったナルバンディアンやコリアと共に、フレンチでは間違いなく主役の座に踊り出て来る。
フェデラー vs. 鈴木貴男の2回戦も、忘れることの出来ない思い出だ。太陽王をサフィンの次に苦しめたのは…自分のプレーを貫いた鈴木だった!今後もこれ以上の奮闘を、ぜひ期待したいものだ。
女子はセレナ・ウイリアムズが1年半の空白を破って、ついに完全復活を高らかに宣言した。膝の手術と家族内の悲劇を乗り越えての、GS7タイトル目獲得。 わずか23歳にして史上5位タイ記録だ。史上1位22タイトル(グラフ)への道のりはまだまだはるか遠いが、今優勝で世界ランクも7位から2位へと上昇 し、混沌の女子テニス界を再支配する準備は整った。
単複共にファイナリストとなり、28歳ベテラン健在を見せ付けたのがのダベンポート。噂される引退説は、今年の全米まで…引き伸ばしても良いだろうか。ま た17歳のシャラポワが準決勝進出を果たし、昨全英&最終戦の優勝が本物の実力であることを改めて証明した。灼熱の中、自らの力を最後の一滴まで出し尽く したタフな精神力にも正直脱帽だ。さらに「生まれ変わった」シュニーダー、ドゥシィ、そしてモリックの上位進出は嬉しい誤算。特にモリックは地元観客に楽 しい夢を見せてくれただけでなく、女子ダブルス優勝を勝ち取っている。
今後テニスツアーはハードシーズンを経て、4月からクレーの季節に突入。そして我々が待ち焦がれるのはパリの赤土。5月23日開幕の全仏オープン「ローランギャロス」である!