- 大会第15日
- 男子シングルス決勝
- 9/10
- (火)
午前5:45
〜午後1:00
- アーサー・アッシュ・スタジアム 第1試合
ノバク・ジョコビッチ
(セルビア)
ラファエル・ナダル
(スペイン)
解説:坂本 真一 実況:鍋島 昭茂
雨の影響ではなく計画的に月曜に男子シングルス決勝をもってきた今年の全米オープン。異例の試みには反対意見も多かったが、この決勝カードの実現によって早くも感動的なクライマックスの香りがする。
一昨年の覇者ジョコビッチとその前年の覇者ナダルの上位2シード対決。対戦成績はナダルの21勝15敗で、2011年から翌年の全豪オープンまでジョコビッチが7連勝と圧倒したが、それ以降6度の対戦ではナダルが5勝1敗と勝ち越している。ただしハードコートではジョコビッチが11勝6敗。また、グランドスラムではナダルの7勝3敗だが、決勝に限ればジョコビッチの3勝2敗……さまざまな角度から見れば見るほど、どちらが有利とも言いがたい。
今季の勢いを見ればナダルが上だろう。過去1年ベースの世界ランキングとは別の、今季のチャンピオンズレースではナダルがトップを走る。何しろ出場した12大会のうちウィンブルドン以外は全て決勝に進出し、9大会で優勝。当然ながら7〜8月の〈全米シリーズ〉も制し、ここで優勝すれば260万ドルの賞金に100万ドルのボーナスがつく。日本円にしてその額合計約3億6000万円。なお、全米シリーズ5位のジョコビッチは、勝ってもボーナスはない。
ここまでの6試合の統計を見ると、サービスエースの数は17本のナダルに対してジョコビッチが2倍以上の42本を記録しているが、ナダルのサービスキープ率99%、ブレークポイントのセーブ率92%というサービスゲームの安定感が際立つ。しかしジョコビッチの接戦における精神力、緻密な攻撃、鉄壁のディフェンス力は驚異的だ。2人の王者は、2万人で埋められるセンターコートで、気が遠くなるようなポイントのやり取りを繰り広げることだろう。