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杉山愛 オリジナルコラム 愛’s EYE

第322回 今シーズン末まで休養の錦織圭選手へ

  • 2017/09/21

今の彼には、この時間をどう過ごすかが重要です

 練習中、右手首に破裂音がしたという報道を目にして、ゾッとしました。男子ツアーは今、トップの選手にケガが相次いでいます。体にかかる負担の大きさは計り知れないと感じていたところでした。実際、今季は公式戦に出場できないと聞き、他人事とは思えないというか、彼の気持ちを思うと心中穏やかではありません。
 ひとまず手術はしない方向と聞きましたが、錦織選手自身、復帰にどのくらい時間がかかるのだろうという不安を抱えていることでしょう。

 実は、このことを聞いてすぐに彼にメッセージしたのですが、返信はありませんでした。メッセージが返ってこないのは初めてです。どんなに忙しくても、必ず返してくれたので、気持が落ち込んでいないかと心配です。
 ケガをすると、選手はどん底に突き落とされたような気持ちになります。でも、プロテニスプレーヤーには、それをどうとらえるか、そこからどう進んでいくかが一番重要です。

 まずはケガを完治させることですが、その時間の中で、普段、ツアーで戦っている時には気づかないことに気づかされる瞬間が必ずあると思います。
 ですから、今の彼に重要なのは、この時間の過ごし方だと思います。
 メンタル面で苦しんだ今シーズンの彼には、この時間を、心を磨く時期ととらえてほしいと思います。そうすれば、ケガの功名ではありませんが、休養にもプラスの要素が出てくると思います。

彼は09年に右ひじの手術を経験しています。その時に復帰までの長い時間を一度乗り越えられたことは、プラスに働くでしょう。
彼はこのケガをきっかけに打ち方や体の使い方を研究し、その後、マイケル・チャンコーチについて飛躍的に力をつけました。今はマイケルとともに、体幹を使ったいい打ち方ができているのですが、ケガをした時は、簡単に言うと手打ちというか、体幹が使えていなかったのです。

今回のケガの原因については細かく知りませんが、これだけ大きなケガをしたのですから、手首に大きな負担がかかっていたのだと思います。ケガを治すことはもちろんですが、打ち方や体の使い方の検証も必要でしょう。
実際、見ていて、手首が気になるなという打ち方も見られました。関節には特に負担がかかるので、今回のケガを一つのサインとして、打ち方を見直すことも必要ではないでしょうか。メカニズム的に正しい動きは当然、負担のかからない打ち方でもあります。彼が負担のかかる打ち方をしていて、それで手首を痛めたのだとすれば、正しい動き、イコール負担のかからない動きを身につけなくてはなりません。

近年、故障が増えたとは言え、ロジャー・フェデラーにケガが少なかったのは、動きが理にかなっているからです。その点の検証は必要だと思います。

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