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ケガを抱えた中での3勝を評価するべき 問題は夏への入り方

2016/07/13

負傷を抱えながらも4回戦まで勝ち上がった錦織圭。このあとのハードコートシーズンをどう戦い抜くかが気になるところ。(写真:Getty Images)

 痛々しい幕切れになった。

 マリン・チリッチ(クロアチア)との4回戦は、試合前のウォーミングアップから力が入らず、蓋を開けてみれば一方的な展開。2番ショーコートを埋めた観客は、どう反応していいか戸惑ったほどテニスにならなかった。第1セットの第1ゲームはチリッチの4連続ノータッチ・エースで始まったが、錦織はボールを追えない。当てるのが精いっぱいのショットでスコアは6-1。いつ止めるのか、そんな心配がコートを覆い、第2セットも1-5とリードされたところで、コーチのマイケル・チャンがスタンドから身を乗り出して棄権を指示した。

 これはある程度は想定された事態だった。大会前からまったく練習が出来ていなかったからだ。開幕前々日こそフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)との練習を組んだが、故障上がりのデルポトロの練習にすらならなかった。翌日は、ロジャー・フェデラー(スイス)との練習予定が、フェデラーがキャンセルして、そこからはずっとチャン、ダンテ・ボッティーニの2人のコーチと、ボールの感触を確認するだけの練習でお茶を濁してきた。痛いのか、怖れなのか――真実は外部からは窺い知れなかったが、1回戦ではサム・グロス(オーストラリア)、2回戦ではジュリアン・ベネトー(フランス)、3回戦でアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を相手に、3試合で1セットを落としただけで2年ぶり2度目の4回戦進出を果たしている。

 時折、時速190㎞台のサーブも出ていたため〈怖れ説〉が主流だった。3回戦終了後に自ら「この大会は痛みとの戦い」と語ったことで、ハッタリ説まで出たが、結局は、錦織がウソやハッタリを言わないことが証明されたわけだ。

「痛みがあったので、逆に先のことなどを考えず、目の前の試合に集中できたかもしれない。メンタル面で大変でしたが、その辺ではうまくプレーできたと思う」

 第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が2回戦で姿を消して淡い夢を抱かせたが、そもそも故障を抱えての参戦だったのだから、ここはむしろ、だましながら3勝できたことを評価するしかない。これまでウィンブルドンには来なかったマイケル・チャンが帯同したのも、どこでストップをかけるかのお目付役だったのだろう。

 問題はここからの建て直しだ。日本に戻り当分は安静にする必要があるが、夏には過密日程が待ち受けている。

 現時点の日程は、7月25日からトロントで行われるマスターズ1000、8月8日からのリオデジャネイロ・オリンピックを挟んで、8月15日からのシンシナティのマスターズ1000があり、8月29日から全米オープンへと続く。今年の最低目標がマスターズ優勝だった――故障の具合から考えるとトロントでの達成は厳しいだろう。日程を見ると、4年に一度のオリンピックに向けて消極的な発言が出たのも致し方ないところで、余りプレッシャーがかかると、得意とする夏のハードコートシーズンを棒に振りかねない。しかも、全米オープン後の日程も、9月12日からデ杯プレーオフ、10月3日からは楽天ジャパンオープンが控えている。

 敗戦後の会見で、錦織は「(筋肉が)切れるまでやろうと思っていた」と話していた。「後先のことを考えず、出し尽くして終ろうと思った」とも言っている。プロ根性とはそういうものだ。オリンピックにはあまり出たくないとは言っても、いざ出場すれば、ここでも「切れるまで」やるだろう。大局的な判断をできるのは、やはりマイケル・チャンしかいないかもしれない。

文:武田薫


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