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Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

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第264回 プロにもある!? 調子がいい日、悪い日

2016/07/27

調子がいいときは「捕れないボールがない」という感じです

 ご自分でテニスをなさる方は「今日は当たりが悪いな」とか「こわいくらい絶好調!」と感じながらプレーしていることが、きっとありますよね? でも、トッププロには“調子がいい日、悪い日”なんてないのでは、と思っていませんか? 実は、トッププロといえど、毎日絶好調、なんてことは全然ありません。

 常にプレーが安定しているジョコビッチやマレーのような選手でも、グランドスラムの2週間を戦う中では、「あれ?」というようなミスが何本も出たり、不調で5セットに持ち込まれる試合が時々あります。ジョコビッチにも、しっくりこない日は絶対あるはずです。ウィンブルドンでの3回戦敗退も、もしかしたらそういう日だったのかもしれません。

 そういった試合では、あまり気持ちよくプレーできていないな、ショットが心地よくないだろうな、というのが見てとれます。

 それでも彼らは、それを乗り越えることでリズムをつかみ、勝ち進んでいきます。それが超トップ選手の戦い方なのでしょう。最終日をにらんでの調整の仕方=気持ちとテニスの調子の上げ方なのだと思います。

 調子が悪いというのは、おもに感覚的なところで、特にラケットにボールが当たった瞬間の感覚ですね。選手には、自分がどういう所に、どういうボールを打ちたいかというイメージが常にあります。そのイメージ通りに狙ったところにボールが行くかどうか。調子がいいときはイメージ通りに体が動き、ボールも打ちたいところに行きますが、そういったフィーリングがまったくない日もあるのです。

 プロツアーに出ている選手は、フィーリングがないまま放置することはしないはずです。そのうちに戻るだろう、と楽観的に受け止めていたら、トップでは活躍できません。

 では、どうやってフィーリングを戻すのか。そこでものを言うのは普段の練習です。選手は、直し方やチェック項目をいくつか会得していて、それを一つずつ見直していきます。例えば、動きの確認。「足が動いているか」というような基本に戻ることで調子が戻る場合も多いのです。技術的なところを丁寧にチェックする選手もいれば、感覚重視で、何度も反復練習をしてフィーリングを戻そうとする人もいます。

 興味深いのは、試合で勝っている=調子がいい、負けている=調子が悪いとは限らないということです。

 調子がいいときは、ミスが出ていても「もうちょっとやっていると入ってくる」という感覚がある場合があります。すると、例えば相手にブレークを許して1-4になっても、「まだワンブレークされただけ。いつか返せる。大丈夫」と思えるのです。スコアにとらわれず、自分に自信があるというわけです。

 究極的には、相手にマッチポイントを握られても「負ける気がしない」「返せる」という気持ちでプレーしているケースも少なくありません。実際、私もそんな経験があります。

 一方で、本当に調子が悪くてフィーリングも心地よくないと、逆のことが起こります。スコアではリードしているにもかかわらず、胸がざわざわするというか、リードしている気がしなくて「大丈夫かしら?」と不安が断ち切れない状態です。大逆転負けをくらうのはそういうときですね。

 すごく調子がいいなと感じたときの状態を言葉にするなら「捕れないボールがない」という感じです。ボールがよく見えていて、相手が打ってくるところも普段より予測しやすく、体にも余計な力が入らず動きやすい、さらに精神的にも楽しめている、エネルギーに満ちあふれていて、1本1本に集中できている--そんな状態ですね。漢字で表すなら「快」でしょうか。

 逆に調子が悪いときは気持ちが焦って、冷静でいられなくなります。フィーリングがないから、いつもなら当たり前にできることができなくなっているわけですからね。動きが悪いから、ボールの所(打点)にしっかり行けず、体のコントロールがうまくできないのでなかなかフィーリングが出てこない、と悪循環に陥ります。

 調子のいい選手はテレビで見ていてもわかると思います。まず、その選手の勝ちパターン、得意パターンでポイントが取れていることが多いはずです。また、ピンチの時、例えば15-40でも冷静に対処し、しっかり挽回してキープしてしまいます。調子が悪いとポロッと落としてしまうのですが、精神的な安定感、余裕があるから、あっさりとは落とさないのです。

 それに、調子のいい選手は、なんと言っても元気があって、必然的に放出されるエネルギー量も高いので、見ていてすぐにわかります。



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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

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