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Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

第144回 全豪オープン前半戦を振り返って

2014/01/21

 第148回 デビスカップ日本対カナダ戦から

写真:ロイター/アフロ

 全豪オープンも折り返し点を過ぎました。前半戦の最大のニュースはセレナの敗退でしょう。

 セレナは前哨戦のブリスベンで優勝、3回戦までは危なげなく、ここというところでスーパープレーを出しながら勝ち上がってきました。大会が進むにつれてさらにギアを上げなくては、というコメントもあって、そのプラン通りに勝ち進んでいるように見えました。イバノビッチとの4回戦も第1セットはこれまで通りのプレー。必要なところでレベルを上げられるようにコントロールしながらのゲーム運びと感じました。

 一方のイバノビッチは3回戦のストーサー戦でもいい勝ち方をして、世界ランキング1位にいる時と同じかそれ以上のクオリティのテニスをしていると見ていました。セレナに対してはこれまでセットさえ取ったことがなかったので、どれだけ苦手意識を忘れ、うまくいっている今のテニスを徹底してできるかというのが試合前の注目ポイントでした。

 女子ツアーでナンバーワンのサーブ、コントロール、スピードを兼ね備えたセレナのサーブに対し、イバノビッチがあそこまでポジションを前にとって積極的にいくとは私自身、想定外でした。勇気があるなというのが第一印象でした。イバノビッチは、落としてしまった第1セットを分析し、第2セットは頭を整理して入った様子で、ネットでの攻撃など、より積極的にプレーしていました。私も驚いたのですが、それがうまくいって、セレナのサービスゲームのブレークにつながりました。

 ここでイバノビッチは、自分のプレーはこれでいい、これでいかないとチャンスをもぎとれないんだという感覚を得たのだと思います。それが徹底してできなかったら勝ちを得ることはできないと確信したのではないかと想像します。
 彼女はこれまで、ナーバスになるとトスが不安定になることがありました。メンタルがグラグラッと揺れ動くのが外側から見てとれたのです。でも、この試合では今までに見たことのないようなメンタルの強さを見せ、試合の最後を締めました。これが自分のプレー、今のプレーができればセレナにも勝てる、という確信を見つけ、最後までそれをやりきったのです。

 セレナは腰が万全ではなかったようです。それでもサーブは時速190キロを超え、ウイナーもたくさん見られました。100%では臨めなかったと思うのですが、それは今までにもあったことで、彼女はそれを乗り越えて勝ってきたのです。セレナ自身、「腰の故障より、アナが素晴らしかった」と相手を称えるコメントをしていました。私もその見方を尊重したいと思います。

 日本勢では、奈良くるみ選手が目を見張る成長ぶりを見せました。2013年は大躍進の年となりましたが、その勢いがまだ続いているように思います。今回はグランドスラム本戦の初ストレートインでしたが、彼女は落ち着いていて、グランドスラムの常連のようにさえ見えます。

 1回戦から長年トップ50にいる実力者、中国のペン・シューアイと当たるタフなドロー。ランキングでも格上、精神的にもねばり強いタフな相手です。私自身、少し苦手にしていた選手で、この相手に打ち勝つ難しさはよく知っています。その相手に、あの猛暑、酷暑の中、体力と元気とエネルギー量、そしてガッツで最終的に上回りました。
 終盤は相手が足のけいれんに見舞われましたが、こういう時に自分のプレーに集中するのが難しいもの。なかなか普段通りにプレーできないのですが、奈良選手はそれをやりきる心の強さを見せました。

 2回戦のリバリコワ戦は、シード選手を実力で上回ったと言ってもいいくらい、スマートな戦いでした。得意のフットワークを生かして、中に入るところは入り、じっくり戦うところは下がって--課題として取り組んできて、昨年の全米オープンで確立された彼女のテニスですが、それがより積極的、攻撃的なものになったと感じます。

 3回戦のヤンコビッチ戦は昨年の全米のリベンジマッチとして迎えました。スコアも試合の流れも全米と同じようなものでしたが、奈良選手自身の手応えは違ったと思います。初対戦時は「どれくらいできるんだろう」「いい試合がしたい」という期待感で臨んだと思うのですが、今回は「勝ちにいくぞ。取りにいくぞ」という気持ちで入った試合だったと思います。

 両者とも、この相手には何をしなくてはいけないかというのが見えている中での戦い。ヤンコビッチも十分に警戒していたはずですが、これだけ善戦できたという事実が「差が縮まった」という本人の言葉を裏付けています。
 セカンドセット5-2以降は、全米と同じように、1ポイントを取る、1ゲームを取る難しさを味わう結果となりました。ただ、これは誰もが経験すること。奈良選手も、何をしたら取りきれるかというのをコーチと話し、それを形作っていくことでしょう。何より、全米に続いてグランドスラムで連続して3回戦進出というのは素晴らしいことだと思います。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム62大会連続出場のギネス記録を持つ。

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