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ラグビーフランスリーグTOP14

ラグビー世界最高峰のプロリーグ「TOP14」。
五郎丸歩が所属するRCトゥーロンの試合を中心に毎節2試合放送!

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2017.03.02:NEWS

大西将太郎のトゥーロン記
「五郎丸選手がRCトゥーロンでプレーすることで、世界のトップ選手が日本を意識してくれるようになった」

大西将太郎のトゥーロン記

WOWOWで3月4日(土)夜11:30~「貫道 五郎丸歩 ~フランスTOP14挑戦の理由、そして日本ラグビーの未来へ~」が放送される。
元日本代表でWOWOWラグビーの解説でおなじみの大西将太郎がラグビーフランスリーグTOP14、RCトゥーロンに所属する五郎丸歩選手と対談を行うため、フランス・トゥーロンへ。実際にみたトゥーロンの街、五郎丸選手との対談の印象などを語った。

フランスへ行ったのは2007年のワールドカップ以来だ。それまで僕が行ったことのあるフランスは、エリサルド時代の日本代表の合宿でも、ワールドカップでも、南仏ばかり。パリに行ったのは初めて。到着した日はエッフェル塔から凱旋門、ルーブル美術館と有名な建物を見て歩いたりして…昔から憧れていたパリを初めて味わうことができた。試合の緊張感から開放されての海外滞在は新鮮だ。フランスって、何でもないものがオイシイ。ホテルの朝食で普通に出てくるクロワッサンがめちゃめちゃオイシイ。

そんなことを考えながら、2日目はトゥーロンへ向かった。飛行機の窓から、地中海を眺めていると、宮崎や沖縄みたいな感じがしてくる。パリでの生活をリタイアしてこの辺りに住む人が多いというのが分かる気がした。

空港からホテルに直行して、すぐにスタッド・マヨルに向かった。この日、RCトゥーロンの試合開始は夜の8時45分。キックオフ時間が遅い分、スタジアムの周りのレストランやバーで、先に飲んで食べて盛り上がっている。そして、RCトゥーロンのチームバスが到着すると、みんなで花道を作って「アレ!アレ!」(頑張れ!)と叫びながら迎え入れる。本当に、自分たちの街の代表チームを応援するんだ!という熱が伝わってきた。

大西将太郎のトゥーロン記

そこにいて、僕も2007年ワールドカップのとき、白バイが先導してホテルからスタジアムへ向かったことを思い出した。実際、五郎丸も「トゥーロンでは毎週ワールドカップのようだ」と言っていた。パリのような大都市ではない、地方の街ならではの良さがすごくあるのだなと思った。この日も、1万6000人ほど入るスタジアムがほぼ満員だった。夜遅いキックオフにもかかわらず、子どもがたくさんいるのが印象的だった。その子どもたちも、連れられてきたというよりも、自分から応援しに来たという雰囲気を発していた。

僕が見た試合はRCトゥーロンとリヨンの一戦だった。残念ながらゴローはメンバーから外れていたが、僕は生で観戦するフランスリーグTOP14の試合に魅了された。スタジアムで試合を見る良さは、会場の雰囲気がダイレクトで分かること、テレビカメラが写さない場所で選手が何をしているか、チームにどうコミットしているかが分かることだ。僕が感心したのはSO(スタンドオフ)のマット・ギタウ。試合前のウォームアップや試合後の振る舞い、試合中の身ぶり手ぶりも含め、彼の存在、コミュニケーション能力がチームに落ち着きを与えていることがよく分かったし、観客も彼を信頼しているのがよく分かった。

そしてWTB(ウイング)のブライアン・ハバナ。テレビではボールを持つ場面、トライを決める場面が印象的だが、実はボールを持っていないときの仕事量がすごいのだ。カバーディフェンスに走って、キックをチェイスして、FB(フルバック)をカバーするポジショニングをとって相手のオプションを減らす。実際にコンタクトする「仕事」は少なくても、試合時間を通じて地味で献身的なプレーを重ねている。だからこそ、チームメートは彼を信頼して、良いボールを回す。そんな積み重ねがあって初めて、大畑大介さんのテストマッチ通算記録にあと「2」と迫るところまでトライを重ねることができたのだろう。

大西将太郎のトゥーロン記

試合は31-17でRCトゥーロンが勝った。試合後はミックスゾーンでヘッドコーチや選手の話を聞き、旧知の選手たちと挨拶、握手、ハグをかわした。日本代表のスクラムコーチだったマルク・ダルマゾ、去年レッズ(スーパーラグビー)に勉強に行ったときに面識のあったリアム・ギル、近鉄時代にチームメートだったリコ・ギアの弟のホゼア・ギア、NTTコムでプレーしていたトゥイランギ…いろんな選手が、向こうから僕を見つけてくれたことには感激した。ギタウも向こうから「コンニチワ!」と話し掛けてくれた。これまで面識のなかったハバナやゴルゴゼまでもだ。五郎丸がRCトゥーロンでプレーしていることで、これだけの世界のトップ選手が日本を意識してくれるようになった。日本ラグビーの存在感が上がったのだ。そのことに、改めて五郎丸の挑戦の価値を思い知った(ただ、マア・ノヌーだけは違う出口から先に出てしまったらしく話せなかった。トップリーグで対戦したとき髪の毛を引っ張ったことを今も怒ってるのかな?(笑)

試合が終わり、取材が終わるともう深夜0時を過ぎていた。トゥーロンは小さい街なので一杯飲むような店ももう開いていない。ホテルに戻って寝るだけだ。
だが、そんなトゥーロンの街が、実は選手にはとても魅力なんだろう…そう思ったのは翌日、市内をロケで歩いたときだ。トゥーロンは山が海に迫り、自然に囲まれていて、気候が良くて、街の規模も小さい。磐田に似たところもあって、ゴローが気に入る理由がわかった気がした。建物も、古いものと新しいものが共存していて、街全体に落ち着きがある。世界のトップ選手がこぞってトゥーロンに行くのは、すごく居心地の良い街のクラブというのも大きな理由だろう。

大西将太郎のトゥーロン記

その翌日は、港に面したホテルの部屋で、五郎丸のインタビューだった。はじめのうちは五郎丸もぎこちなかった。会ったのも久しぶりだったし、僕自身、カメラが回っている中でインタビューした経験は多くないので、緊張が伝わってしまったのかもしれない。だけど、ゴローはいつものように落ち着いて、ゆっくり話してくれたので、お互いの緊張感はすぐにほぐれて、気が付くと昔と変わらない感じで話し込んでいた。
インタビューの前は正直不安だった。ゴローは現状、試合にほとんど出られていない。その状態で、自分のことをどれだけ話してくれるだろうか。だけどゴローは驚くほど率直に、自分の心境を話してくれた。すべてを出し切ったワールドカップのあとの物語は共感できた。僕も同じキッカーだったし、どちらも大学生のときに初キャップを得たけれど、ワールドカップには縁が遠く、初めてワールドカップに出たのは僕が28歳、ゴローは29歳だった。どれだけの思いで大会に臨んだか、そのあとのメンタルも含めた疲労感がどれだけあったか。ワールドカップでの成績とフィーバーぶりを考えたら、ゴローのそれは僕の想像を越えていただろう。

インタビューで特に印象に残ったのは、僕が質問した「キッカーへのこだわり」の部分だった。これまでRCトゥーロンでは試合に出場してもキッカーを任されたことが一度もない。そこを質問したのだが、「蹴らないでいいのなら、蹴らない方が楽でいいですよ」とあっさり返してきたことだ。キッカーの重圧と責任の重さを誰よりも知っているからこその言葉かなとも思ったが、それに付け加えて「キックのプレッシャーがなければその他のプレーに集中して成長することができますから」と。そうだな、と納得した。五郎丸にとってこのチャレンジはキッカーとして成長するための海外移籍ではなく一人のラガーマンとして、一人の人間として成長するための挑戦なのだと思う。

大西将太郎のトゥーロン記

インタビューの予定時間はあっという間に過ぎた。最後に僕らは、カメラもマイクも回っていないベランダに出て、ざっくばらんに話をした。ここでは書けない話もたくさん聞いたし、僕からも話した。ゴローはとてもリラックスした表情をしていた。僕にとって幸せな時間だったのはもちろんだが、ひとりで異国で戦っている五郎丸にとっても、リフレッシュになったかもしれない。

インタビューを終えると、数時間後には空港に向かった。その日のうちにパリに入り、翌日ひとつ取材をして、夜の帰国便に乗った。慌ただしい日程だったが、僕にとっては充実した時間だった。

現役を引退してちょうど1年。コーチング、解説の仕事、普及の仕事など、目の前のことを一つ一つ頑張ってきた。それは全然間違っていないと思うけれど、世界でどんなことが起きていて、誰がどんなことをしているのか、視野を広く持つことをついつい忘れていた気がする。そんなとき、世界に出て、厳しい環境でチャレンジしているゴローの姿に触れることができたのは幸せだった。
最高の刺激を与えてくれたゴローに心から感謝している。

大西将太郎(おおにし しょうたろう)

1978年11月18日、大阪府生まれ。ポジションはSO/CTB。小3からラグビーを始め、啓光学園(現・常翔啓光学園)から同志社大学に進み、トップリーグではワールド、ヤマハ発動機、近鉄、豊田自動織機でプレー。2007年ワールドカップのカナダ戦で試合終了直前に劇的な同点ゴールを決めた。2016年1月現役を引退、現在はTVの解説や母校・同志社大のコーチを務める。日本代表キャップ33。身長180cm、体重85kg。

◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

★「貫道 五郎丸歩 ~フランスTOP14挑戦の理由、そして日本ラグビーの未来へ~」

3/4(土)夜11:30~ [WOWOWライブ]

★「ラグビー フランスリーグ TOP14」

ラグビー世界最高峰のプロリーグ「TOP14」。五郎丸歩選手が所属するRCトゥーロンの試合を中心に毎節2試合放送!

第19節:ブリーヴvsRCトゥーロン 3/5(日)午前7:00~ [WOWOWライブ]
第19節:トゥールーズvsラ・ロシェル 3/5(日)深夜2:20~ [WOWOWライブ]
※2試合共にWOWOWメンバーズオンデマンドで先行ライブ配信

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