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プレーオフ2013

2012-2013 NBA FINAL

2013NBAファイナル現地レポート
WOWOW NBA ONLINEナビゲーター
佐々木クリスが熱狂と興奮の現地からレポート!!
2013.6.21 ファイナルの模様を現地からお届け!
佐々木クリスのUSAレポート2013 #17

 2013NBAファイナルが終わった…Game7が終わり深夜0時が回ってもマイアミの街はジワリ汗ばむ生ぬるい空気と優勝の喜びを分かち合うファンの熱気に包まれている。通称“パーティー・シティ”眠らない街から佐々木クリスの2013年最後のファイナルレポート!お楽しみください!

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 ひとつのチームが勝利の美酒を味わい、もうひとつのチームは…バスケットボールにおける勝敗は紙一重なのだ。例えどんなに完璧に近いレベルでゲームプランを遂行しようとシュートを決められたらそれで終わり…

 スパーズは素晴らしかった。仕事人ニールやディーオウのようなサポートキャストに、ゲームのペースをコントロールするトニー。NBAファイナル記録を打ち立てたダニーとマヌの感性。クワイはゲームの全ての面でチームにプラスαをもたらした。目立たないがディフェンスを最優先するシステムの中では、クワイはチームの屋台骨になる。21歳、信じられない逸材だ。これからスパーズを背負って立つだろう、いつかはダンカンの様に…

 ダンカンは打ちのめされていた。試合後の記者会見は悲しくて見ていられないくらい。このチームの基礎はいつだってダンカンだった。シリーズが進むうちに日替りでヒーローが出てきたが、ダンカンの見えない力は凄まじく強い。歴代NO.1のパワーフォワードとして記憶されるだろう。

 試合終了のブザーが鳴り、ダンカンの元に真っ先に駆け寄ったのはウェイドだった。この目で見た。後に会見でウェイドは「ダンカンとこのシリーズで対峙出来た事は光栄だった。それを伝えたかった。」とコメント。

 名将ポポビッチHCに率いられたスパーズは間違いなく、チャンピオンに値するチームだ。ただGame7では能力の全てを出し切れなかった…ベストゲームではなかった。このメンバーで勝負したことに納得は行くだろう。けれど後悔は残る。少なくとも今は…

 連覇を成し遂げたチャンピオンは去年のマイク・ミラーに続き、今年はシェーン・バティエーが大事な試合で爆発。Game6のレイ・アレンの活躍と併せて、チームに運気を呼び込んだ。強心臓のチャルマーズ、ウェイド、ボッシュ、レブロン…

 チャンピオンシップトロフィーと共にファイナルMVPを手にアリーナの観衆からMVPコールを浴びたレブロン。時折観客の声援で聞き取り辛いところもあったが、「ひとが何と言おうが関係ない。(自分の恵まれなかった幼少期を引き合いに)自分がここにいること自体が奇跡。批判を受けているのは分かっているが、ロッカールームに入ればジェイムスと背中に書かれたジャージがかかっている。俺は幸運だ。批判など関係ない、心配などひとつもない!」と強いメッセージを言い放った。

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 レブロン・ジェイムス、彼は特殊な選手だ。規格外の身体に身体能力、やろうと思えばコート上の全ての事を自分で出来るかもしれない。しかし、彼はゲームを非常に高いレベルで理解しておりバスケットボールのプレイとして最良の判断をしたいという気持ちが強い。時にそれが積極性にかけるとの批判を浴びるのだ。Game7のように仲間が決めてくれれば素晴らしい判断とされる。しかし、決めなければなんで自分で決めに行かないのかと…

 実はシリーズの途中、試合の中日にレブロンを14歳ぐらいから知っているブライアン・ウインドホーストさんという記者に話を聞くことが出来た。何が彼を特別にさせているかと聞くと「レブロンは父のいない母子家庭で育ち、中学校のチームメイトは皆家族同然、コーチの家でも寝泊まりしていた。だからチームメイトを信頼することは自然に身についたのさ。それと比べ、他の中高生ならチームで1番上手ければ多少のわがままも押し通す。普通の選手はそれで嫌われたり責められたりもする。レブロンはそんな状況に自分を置きたくはなかったのだと思う。」と、面白い返事が返ってきた。

 自己主張の強いアメリカのバスケットボールカルチャーでは稀なケースだという事だ。

 そして、スポールストラHCもレブロンが世界一で、レブロンたる理由は「普通の選手だと能力に甘んじてしまう。レブロンは世界一の身体能力を持ちながら、それと同じかそれ以上の努力をしている。」と表現。いかにレブロンがジャンプシュートを磨き己を完成させてきたか「彼はシーズン中、チーム1番のシュート成功率だったんだぞ。」と付け加えた。

 そしてGame7。レブロンは外からのシュートを沈め、仲間に的確なパスを供給した。レブロンは完全体となりチームは完成された。今日のヒートは止められない。

 レブロンはマジック・ジョンソンのようにあるべきか?マイケル・ジョーダンのようにあるべきか?レブロンのコメントを聞けば、おのずと分かる。レブロンはレブロンであれば良い。

 試合後の現地特番で、解説のマジックに迎えられたレブロン。マジックは「真剣に言うけれど、僕は全ての選手がプレーするのを見てきた。しかし、バスケットボール史上最も偉大な選手になれるのは君しか居ないと思う。」と言葉をかけ、「リーグの顔としても君以上はいない。」と祝福した。

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 2連覇を達成し、多くの逆境を跳ね除けてきた。間違いなくスペシャルで異質な存在感を放ち続けるレブロン。世界中がマジックのように素直な気持ちで祝福出来るのか?それは今までの事を考えるとまだ分からない。しかし、同時に認めざるを得ない。キングの目はスリーピートに狙いを定めている。葉巻にこの笑顔、不敵としか言いようがない。

 未だに全てが終わったということが現実として飲み込めないが、最後に素晴らしいシリーズを見せてくれたヒート、スパーズの両チームに感謝したい。まさかこれほどの消耗する戦いとドラマになるとは思ってもいなかった。間違いなく生涯で1番のNBAファイナル、WOWOWの一員として日本の皆さんにこの感動を伝える証人となれた事に感謝。毎回放送をチェックして下さり、このコラムも読んで頂いて本当にありがとうございました!Hope everybody enjoyed, just like I did! 僕が楽しんだのと同じぐらい、みなさんにも楽しんで頂けたでしょうか!?そう願います!

 それでは、また近いうちにみなさんにお届け出来ることを願ってマイアミからGood Bye!

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