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NBAは現地27日、プレーオフ1回戦(7回戦制)の試合が4試合行われる。以下はそのプレビュー。
【イースタン・カンファレンス】
■シカゴ・ブルズ(第4シード)対ワシントン・ウィザーズ(第5シード)
すでに荒れた展開となっている同シリーズでは、出場停止処分の選手を出す事態となった。リーグは現地25日、ウィザーズのフォワード、ネネの1試合出場停止処分を発表。ウィザーズは2勝1敗のリードで迎える第4戦を、インサイドの主力不在で挑むこととなった。
ネネは、第3戦の第4Q残り8分半、ブルズのジミー・バトラーへ額が付くほど顔を近づけながら両手を相手の後頭部と首に回し、退場処分を受けていた。NBAバスケットボール部門代表のロッド・ソーン氏は同日、“バトラーに対する頭突きと、両手を首に掛け投げ倒そうとした”ことに対し、ネネに1試合無報酬の出場停止処分を科したと発表した。
ウィザーズのランディ・ウィットマンHCは、第3戦に敗れた後のインタビューで、「基本的に3試合全てで小競り合いが起こっている。我々は冷静さを失わないよう気をつけないといけない。どの選手であれ、退場処分で戦力を失っている余裕はないのだ」とコメント。「感情的でタフな試合なんだ。いろいろとコントロールしないといけない」と、選手たちに冷静なプレーを求めた。
一方のブルズは、第4戦でシリーズタイを狙う。ネネとゴール下で熾烈な戦いを繰り広げるノアは、処分が発表される前のインタビューで、たとえネネ不在でも試合に臨む姿勢はいつもと変わらないと述べた。
「チームにとって、第4戦はとても大事な試合だ。ここまでの3試合全て、最後の最後で勝負がついている。細かいことに注意を払うことが極めて重要。自分たちがコントロールできることに集中し続けるだけさ」と語った。
■トロント・ラプターズ(第3シード)対ブルックリン・ネッツ(第6シード)
ネッツは、ホームでの第3戦を102対98で勝利し、対戦成績を2勝1敗としたものの、第4Q残り5分半の15点リードを失いかけるなど、詰めの甘さが露呈。背水の陣で挑んでくるラプターズに付け入る隙を与えないためにも、第4戦ではより良いパフォーマンスが求められている。
ガードのデロン・ウィリアムスは「相手は前の試合でも最後の最後まで戦っていたし、次もガムシャラにくるだろう。ラスト5分で15点リードだったんだ。もっといいプレーをして、試合をきっちり締めくくらないといけない。だが彼らも反撃の準備をしてくるだろう。必ず勝たなくてはいけない試合だからね」と、気を引き締めた。
1勝を追うラプターズだが、今季7回のネッツとの直接対決のスコアは、ラプターズ678得点に対しネッツ677得点とほぼ互角。ダマー・デローザンは「彼らを倒せることは分かっている」とコメント。「15点ビハインドから追い上げた。そのようなプレーを全48分間する必要がある」と第4戦に向けた意気込みを語った。
【ウェスタン・カンファレンス】
■ヒューストン・ロケッツ(第4シード)対ポートランド・トレイルブレイザーズ(第5シード)
ホーム2連敗でスタートしたロケッツは、第3戦では延長戦の末に敵地で1勝を返し、7回戦制のプレーオフで過去に逆転した前例のない0勝3敗となることは回避。主砲のジェイムス・ハーデンは、プレッシャーはブレイザーズ側に移動したと語った。それに対し、ブレイザーズの大黒柱のラマーカス・オルドリッジは丁重に反論している。
シリーズ最初の2戦で40得点超えを記録するも、第3戦は23得点に抑えられたオルドリッジは「主導権を握っているのはうちのチームで、プレッシャーはまだ彼ら側にある」とコメント。「相手はホームで2敗したので、ここで2勝しなくてはならない。彼らは、ここでシーズンを終えたくないといわんばかりに、必死にプレーをしていた」と述べ、気持ちの面でも優位に立っているとした。
一方、第3戦でスランプから抜け出しプレーオフ自己ベストの37得点をマークしたハーデンも「プレッシャーは向こうにある」と譲らず。「27日の試合はすごい試合になるだろうから、しっかり準備をして、集中したいいプレーをしたい」と語った。
7回戦制のプレーオフで過去にホーム0勝2敗からシリーズを制したチームは、過去に3チームのみ。ロケッツは、2004-05シーズンのダラス・マーベリックス以来の逆転突破を目指し、第4戦に臨む。
■ロサンゼルス・クリッパーズ(第3シード)対ゴールデンステイト・ウォリアーズ(第6シード)
初戦を落としたクリッパーズは、2連勝を挙げ、対戦成績を2勝1敗とリード。第4戦はシリーズ王手をかけた重要な戦いとなるが、そこに水を差す出来事が舞い込んだ。オーナーのドナルド・スターリン氏が人種差別的な発言をしたとして、リーグで大きな問題となっている。
米ゴシップサイト『TMZ』に投稿されたレコーダーの音声によると、スターリン氏と特定される男性が、ガールフレンドに対し、黒人を試合に連れてくるなと発言。同オーナーは、以前から人種差別的な振る舞いがあるとされているが、クリッパーズ球団社長は26日、録音テープについて、本物か加工されたものか明らかになっていないとの声明を出した。
メディア対応に追われたドック・リバースHCは「フィルムセッションをするはずだったのに、会議で45分間を費やすことになってしまったとは、不愉快だ」とコメント。
また、オーナーの問題発言に対し、抗議をしたり試合をボイコットしないと選手たちが決断したのは、リーグ優勝を果たすためだと述べ、「私は選手たちのことに集中したい。選手たちはお互いのために勝利を望んでいて、そのためにここに来たのだ」と熱く語った。
現役時代の1992-94シーズンにクリッパーズでプレーしたウォリアーズのマーク・ジャクソンHCは、選手たちは、スターリン氏の発言に惑わされることなく、試合に集中し続けるだろうとコメント。選手たちも、それがどんなに侮辱的な発言であっても、一人の人間の考えに邪魔されるわけにはいかないと繰り返した。(STATS-AP)