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NBA16-17シーズン

NBAコラム

Vol.285 長澤壮太郎が語る「NBA inside 情報 from Sotaro!」
■ 長澤 壮太郎 (WOWOW NBAキャスター)
写真
Getty Images

待ちに待ったNBAファイナルがはじまりました。
頂上対決は西地区の王者ウォリアーズと東地区の王者キャバリアーズ。
両者共に危なげなくプレーオフを勝ち抜き、ウォリアーズは無傷の12連勝。一方のキャブスも11勝1敗。お互いほぼ完璧な勝ち上がり方でファイナルを迎えました。
NBA史上初となる3年連続の同チーム対決。過去2回の対決は1勝1敗と分けており、今回の3回目でどちらが優っているのかが決まるという状況に、世界中のメディアが『三部作映画の完結章』、あるいはボクシングに例えて『第3ラウンド』などと大きく取り上げています。
個人的にも日本でのレブロン・ジェームズ(キャバリアーズ)ファンとステフィン・カリー(ウォリアーズ)ファンはしっかり確立されている印象があるし、この対決に対する注目度は非常に高いと思っています。この2強対決はシーズン前から世界中のメディアとファンから最も望まれていたものではないでしょうか。

しかしいざ蓋を開けてみると、2戦を終えた時点でウォリアーズが2連勝。内容的にも1試合目で22点差、2試合目で19点差と大差がついています。
ファンやメディアの間でもウォリアーズが強いだろうとの予想はついていたものの、キャバリアーズにはNBAの“キング”レブロンがいる。だから一進一退の競合いになるだろう。というより、むしろそうなって欲しいと…。
世紀の対決ゆえ、きっと初戦からもつれにもつれ、最後の1秒まで手に汗にぎる展開に!と勝手に期待していた我々にとってはちょっと期待外れなシリーズ幕開けになりました。

メディアもファンもファイナルになると思い入れが強いのでしょうね。1試合ごとに『ウォリアーズが強すぎる!』『レブロンもキャブスも太刀打ちする術なし!』など、結構極端な報道を目にします。最近は新聞記事よりも断然速くtwitterやブログなどのネット記事で試合直後の感想をホカホカの状態で伝えるため、より感情的になるのでしょう。
この2試合で特に面白かったのがこういったメディアの反応。初戦を終えた後の報道は試合内容についてのtweetや報道が多く、先勝したウォリアーズにどうキャバリアーズが対抗するべきなのか? ディフェンスが崩壊した原因や改善策など、どこも真面目に報道していました。
しかし、2戦目を終えた時点で対応策を打って出たはずのキャバリアーズが万全を尽くしたにも関わらず力敗けしてしまった。この状況に記者や評論家達からの細かい戦術や技術的な評論が一気に少なくなり、その分「KDというモンスターがいた誤算」「単純にスターの数が違う」という見出しが増えたのです。
きっと記者や評論家達をもってしても、KDが加入して最高に噛み合っている現状のウォリアーズの強さに対しての明確な攻略法が見つからないのでしょうね。
記者達が一夜明けて上げている記事は、もはや試合の内容から脱線し始め、「第4Q、必死にコート上で食い下がるレブロンをよそに、カリーが床で昼寝した」や、「なんか様子がおかしいぞ、カイリー。膝の怪我か?」等。そこに食いついたファンが「試合中に昼寝するなど、なんたる侮辱。許せん!」「カイリーはシュートが入らなくなるとすぐ膝問題を持ち出す」など、違ったところですっかり盛り上がっています。

写真
Getty Images

そんな過熱する脱線報道の中でも、決定的に笑ったのが「KDとレブロン、2011年に密かにコラボしてレコーディングした秘密のラップが存在する!」と「第2戦後のキャブスのロッカールームで怪しげなアロマの香りが漂う」。もはやここまでくると“So!スポ”レベル!!試合に全然関係ない!(笑)
2011年にKDとレブロンがオフに合同で自主トレした際、気軽にラップの曲を録音したというウワサはどうやら事実らしく、結構仕上がりが良い(マネージャーの基準)みたいですが、音源も世に出ていませんし、結構どうでもいい話題。(笑)
さらにどうでもよかったのが、キャブスのロッカールームからの香り高いアロマ問題。アメリカは特に日本とハーブをめぐる法律が違いますし、ロッカールームに出入りしている人は外部のメディアも含めて数えきれないので、これもまた価値のない話題…。現地記者も話題が脱線しまくる程、何も伝えることがないのでしょう。

話をシリーズに戻します。
ひとつ声を大にして言いたいのが、我々は観戦した最後の印象に大きく囚われてしまう傾向があるということ。毎年思うことなのですが、勝ったチームが次に負けるまではそのチームが圧倒した印象しかイメージできず、バスケットボールに詳しくなればなるほど、そのイメージがリセットしづらいように感じています。

それを踏まえて毎年感心させられるのは、どんな状況に置かれてもしっかりと切り替えて次の試合で状況を打破してくるNBAのチーム力です。
この力が一番発揮されるのが、シリーズ戦でチームが負けた直後だと思います。
この敗戦直後こそ、チームに関わる全ての人のチームワークと、その底力が最も発揮される時ではないかと。負けた瞬間からコーチと首脳陣は新たな対策を練り始め、選手達は体調を管理しながら気持ちをリセットしてゼロベースで次の対戦に挑む。帰りのチャーター便の機内では首脳陣の会議が行われるケースが多く、そこでの決定事項をアシスタントコーチ陣やビデオコーディネーターが夜通し準備、翌朝には決定に従って編集された映像や資料が選手に届けられる。選手は膨大な資料を受け取り、短期間で完全に把握して試合に臨む。このチームワークの完成度が球団の強さのバロメーターでもあるのです。
しかしシリーズ戦は流れに大きく左右されるだけに、悪い流れを止めるだけでは不十分です。勝つためには自分達の方向に、強引にねじ曲げる必要がある。
チームとして戦うのはもちろんですが、そこで必要となるのは強靭な精神力と最高の技術を持ち合わせ、先頭を切って結果を出せる選手、真のスーパースターなのです。現地でもっとも高く評価されるのは、逆境時にチームを背負って結界が出せるかどうか。その一点にすべての注目が集まります。
そういった意味でも現在、状況を変えるキーマンとして注目されているのが“キング”レブロンとカイリー。彼らがどこまで超人レベルのパフォーマンスをするか、その一点に尽きると言えるでしょう。また地元の応援も大きな後押しになります。会場全体が地元ファンで埋め尽くされたホームでの試合では、敵チーム第3オプションの選手のシュートは外れ始めるものです。つまりウォリアーズのホームでの2戦でシュートが決まっていたグリーン、イグダーラ、イアン・クラークの3ptなどが外れ始める可能性があります。逆にホームとなるキャブスは、脇役やベンチメンバーのシュートが決まりだす。JR、ジェファーソン、デロン、フライなどの3ptが入り始めれば、流れは一気にキャブスに傾くでしょう。毎年感じていることですが、不思議なものでホーム&アウェイの影響は、脇役選手たちの活躍具合にもっとも色濃く出るものなのです。
そんな思いからも、上記予想が的中し、キャブスが1勝目をあげた時点からがこのシリーズの真の始まりになるだろうと個人的に期待しているところです。
そうすればまた現地の記者達もこぞって「やっぱり“キング”レブロンは凄い!」「キャブスはこうして無敵のウォリアーズを破った」など、ゲームと直接関連のある事実を取り上げるようになるでしょう。

個人的には、元ニックス&元ネッツ(JR,シャンパート、フライ、デロン、ジェファーソン)の元NY組が全く活躍出来ていないことが気がかりで仕方ありません…。
というかレブロン、すまん!!何年経っても彼らは勝ちに慣れてないんです!!

第3戦でのキャブスの巻き返し、大いに期待しましょう!


長澤 壮太郎のプロフィールはこちら>>

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