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NBAコラム

Vol.277 長澤壮太郎が語る「NBA inside情報from Sotaro!」
■ 長澤 壮太郎(WOWOW NBAキャスター)
写真
Getty Images

皆さま、お久しぶりです。WOWOW NBAキャスター、そしてSo!スポ編集長の長澤壮太郎です。
2016-17シーズンもプレーオフに入り、激アツな戦いが日々行われております。

東地区は“キング”レブロン率いるキャバリアーズが、1回戦ではインディアナ・ペイサーズ、セミファイナルではラプターズを容赦なくスイープして決勝シリーズ進出を早々に決めましたね。
あまりにもレベルの高いパフォーマンスのレブロンですが、キャブスのことを話す時に『キャブスが…』ではなく『レブロンのチームが…』と言ってしまっている事実がありますね。
それくらいに彼は凄い存在で、彼がキャブスに舞い戻ってから「レブロンと仲間達(通称キャブズ)」は東のプレーオフトーナメントでなんと32勝4敗!

これだけ勝っていれば、通常ならば相手に侮辱と受け取られるような、試合中にビール瓶を手にして飲むジェスチャーをしても、相手の目の前でシュートを打つ前にボールをこれ見よがしに2回スピンしても、一回転したあとに左手でシュートしたとしても、もはや貫禄のプレーとしか言いようがないですね。
現に目の前でそんなプレーを連発され舐められまくったラプターズは、返す言葉も手段もなく、あっけなくスウィープされてしまいました。

実はレブロン達が相手を2シリーズ連続でスイープするということは、とっても重要な意味があるんです。それはプレーオフ中にちょっとした休暇期間を作るという裏の目標を達成するため。今年のキャブスはベテラン揃いのチームで平均年齢も高く、スピードも体力もズバ抜けてはいません。それに加え、“キング”レブ様自身の出場時間がびっくりするぐらい多いのです。キャリア14シーズン目で32歳の選手が1試合40分近く出場し続けているんです。そんな彼らが、ベストの状態でNBAファイナルを迎えるためには、相手をスイープで下し次の試合までなるべく休みを作らなければならないんです。

東1回戦でペイサーズを下してから、続く東準決勝のラプターズとのシリーズ初戦までなんと8日間も休みがありました。ゴールデンウィークで例えるならかなりの大型連休です。
この間に怪我人は治療も出来るし、首脳陣は次の対戦相手へのアジャストプランも十分に対応出来きます。
ちなみにレブ様は大型休暇中、セレブのようにヨガをして心と身体を癒したそうで。
セルティックスとウィザーズが熾烈なシリーズを展開しているだけに決勝ラウンドまでまた大型連休を獲得したレブ様御一行は、この連休で今度はどんな癒しを行うのでしょうか。

写真
Getty Images

キャブス同様にスイープで一回戦シリーズを勝ち抜き、いまだ負けなしのゴールデンステイト・ウォリアーズ。こちらも超盤石な戦いぶりで西準決勝シリーズも問題なくジャズを片付けてしまう勢いです。
ウォリアーズは畳み掛けるような攻撃力が有名ですが、今回のプレーオフで驚異的なパフォーマンスを発揮しているのがディフェンス。とにかくチームのディフェンスのローテションが完璧!(に近い。。。)
ドレイモンド・グリーンは予知能力があるのか?というくらいプレーを先読みし、24秒の守備の中で3箇所も火消しに回って相手を封じ込めている場面も多々あります。そんな予知能力者の彼が、特に自分よりサイズの小さい選手によくやる駆け引きがあります。それは、意図的に決まった方向に相手を抜かせて、背後からのブロックを量産する戦術です。相手は「おっ!上手く抜けたぜ!」と思ってゴールに向かいますが、これがドレイモンドの仕掛けた罠。まんまとハマった相手は背後から迫る彼に思いっきりブロックされてしまう。
とにかくドレイモンドを中心にチーム全体としてのIQが高いウォリアーズ。
ただ一つ深刻な心配ごとがチーム内にあります。

それは、ヘッドコーチ(HC)のスティーブ・カーが持病の腰痛を悪化させ、戦線を離脱してしまったこと。症状についてはこのあと述べますが、カーという人間の存在は今のウォリアーズの強さそのものを表していると言っても過言ではないほどの人物なんです。
現役時代、マイケル・ジョーダンとともにブルズの黄金期メンバーだった彼。
最強ブルズのメンバーの中でクラッチシューターとして活躍しました。引退後はフェニックス・サンズのGMとしてマイク・ダントー二HC(現ヒューストン・ロケッツHC)を招聘しスティーブ・ナッシュを中心にラン&ガンスタイルを確立、強いサンズを作りあげました。その後、解説者として活躍後ウォリアーズのHCに就任、プレーオフ準決勝止まりだったチームを常勝軍団に育てあげたのです。

彼の最大の魅力は、誰からも愛され、尊敬される人柄といえます。現役時代は自身もスター軍団の一員であったにも関わらず、全くスター気取りする様子もなく、名将フィル・ジャクソンやグレッグ・ポポビッチの元、帝王学を学び、誰よりも戦術に長けたIQを持っているが、それも全面に出すこともありません。
そんな彼が一番大切にしてきたのが、人対人の信頼関係作りです。選手達一人一人が伸び伸びとプレー出来る環境、その上でバスケIQを極限まで育てる。どんな意見も自由に飛び交う環境なのに、全員が彼をリーダーとして尊敬している。それが、カーが作り上げたウォリアーズというチームの空気です。
そのため、コーチ陣も伸び伸び自身の特技を生かして指導をし、選手も自主的に考え自分を高める。僕も何度か現地でインタビューはしたことがあるのですが、どんなメディアの質問にも気さくに対応し、厳しい状況でも常にポジティブに笑顔を振りまいて周囲を和ませていたのが印象的です。

そんな彼が、四月中旬に自身の健康状態について報道陣に説明をしました。以前から腰痛と背中の痛みに苦しみ、2015年に手術をしていた経緯は周知の事実。そんな彼は自身の口から、その後の経過が思わしくなく、激しい目まいや嘔吐が起こっていること、それゆえしばらくチームからは離れることを発表しました。体調が悪いことを報告しているにも関わらず、時折笑顔を見せて説明をする姿に、この人は一体どこまで良い人なのだろうかと思わざるをえませんでした。
現場を離れた彼についてウォリアーズのオーナーが、自ら最新の情報をメディアに話しました。オーナー曰く、「非常に稀なことだが、2015年の手術の際に、脊髄付近の硬膜を損傷してしまった。そのため損傷した部分から髄液が漏れてしまっていた。その修復処置を今回ノースカロライナにあるデューク大メディカルセンターにておこなった」と近況をアップデートしてくれました。
チームがユタに飛んでいる時にカーは東海岸まで飛んで自身の闘いに挑んでいたのです。

今回ウォリアーズがディフェンスを中心に勝ち星を重ねて行く姿をみても、なにか淡々と全員で願い事を叶えるために一丸となって裏のミッションを遂行しているようにも感じます。
彼らは、カーが不在の間は絶対にだらしないプレーをしません。
そう決めているように見えます。ドレイモンドはカーと唯一言い合いをするほど常に100%で彼とぶつかって分かり合えている選手。そんな彼がチームの精神的柱となって真っ先に大声でチームを鼓舞し、ステフィン・カリーは踊るようなドリブルから得点を華麗に決める。クレイ・トンプソンはクールにシュートを決め続け、ケビン・デュラントは飛び抜けた才能で相手にトドメを刺す。

もしかしたら、カーはもう現場に復帰できない可能性もあります。
そんなことは世界中誰も望んでいない。でもその可能性はあるんです。

しかし、彼らは信じ続け、闘い続けるのです。望みは尊敬するHCと共にコートに立つこと。その時が再び訪れるまで、彼らが止まることはないでしょう。
そんな今後の彼らに注目したいと思います。


長澤 壮太郎のプロフィールはこちら>>

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