乾貴士が描く今シーズンの成長曲線。日本代表として、そしてリーガ88年史初の対決を前に

  • 2017/12/08

■乾への膨らむ期待と変化する役割

日本を出たのが2011年。それから4シーズンをドイツで過ごし、2015年8月、リーガ・エスパニョーラのエイバルへ乾貴士はやってきた。街の人口は約2万7000人、その約4分の1が入る収容人数7083人のスタジアムで戦う乾は、今年でチーム3年目を迎える。

小さな街のクラブで2年以上も過ごせば、(少し大げさに言うと)もはやみんな知り合いも同然。乾もチームメイトと、「みんなで鍋パーティとか食事もするので、リラックスできています。仲のいい選手も多く、コミュニケーションも問題ないです」と語る。そんな環境で迎えた今シーズン。エイバル攻撃陣のレギュラーを確保した乾に対する期待は、当然大きくなった。しかし、リーガ序盤戦でチームは、結果を出せず低迷する。

リーガ11試合で僅か2勝。厳しい序盤を乾は「すごく難しかったですし、何をやってもあまりうまくいかなかった。守備もそうだし、攻撃もあまり点がとれない状況が続きました。先制点をとられる試合が多く、苦しい試合ばかりでした」と振り返る。

調子があがらなかった理由を、本人はこう分析する。「一番は、自分たちの特徴であるプレッシングがうまくハマらず失点していたのと、セットプレーからの失点も多かった。やっぱり簡単に失点してしまうと、きつくなってくる。チーム内でも、もちろん話していましたが、上手くいかない時は上手くいかない。みんな必死でやっていましたし、監督もフォーメーションなど変えるべきところは変えて、試行錯誤しながらやっていました。それでもうまくいかなかったので、本当に難しい時期が続きましたね」。

GKヨエルやDFラミス、MFフラン・リコ、ペドロ・レオンなどチームの中核が負傷し、エイバルらしいサッカーができない。乾にはレアル・マドリード戦やレアル・ソシエダ戦ではトップ下も務め、定位置の左とは別ポジションでのプレーが求められた。しかし、「これからも続くサッカー人生で、今スペインで色々なポジションを勉強できるのは、個人的にいい勉強にもなる」と、前向きにとらえたことが良い結果を生む。11月の日本代表戦を境に、その境遇も変わり始めた。

■ターニングポイントとなった代表戦後のベティス戦

11月、日本代表は世界的強豪、ブラジルとベルギーと対戦。この強化試合でも乾はメンバーに招集され、背番号10をつけた。普段から世界最高峰のリーガで戦う乾にとっても、ブラジル戦でマルセロらと対峙することは、“いつも通り”レベルの差を感じる結果となった。「特にいつもと違いはなく、やっぱり巧かったですしベルが一つ二つも上だなというくらい見せつけられました。繋ぎの部分、一つ一つのプレーの質、プレッシャーの早さ、色々なところで差を感じましたね」。

ベルギー戦はブラジル戦よりも、前からプレッシャーをかけて日本らしい戦いができたが、それでも「日本はミスが多く、ボールを奪った直後のパスでいい繋ぎができない。その辺りの技術が低いとまだ世界的な強豪国には勝てないと思います」と、今の日本代表が世界でどのレべルにいるのか、感じるきっかけとなった。

ワールドカップ出場に向けて、「左サイドは特にいい選手がたくさんいるので、選ばれるかどうかわからない。とにかく今は必死にチームでプレーすることしか考えていません」と語る乾。リーガでは目の前の試合に集中する姿勢が、上昇のきっかけとなる。11月の代表戦後、チームに再合流した直後のベティス戦、エイバルは5−0で快勝してリーガ3勝目を挙げたのだ。

「自分は代表から帰ってからの合流でしたけど、みんな本当に危機感を持ってやっていました。そういう雰囲気はすぐに感じましたし、すごくいい雰囲気で練習にも臨めていたと思います。ベティス戦はやっとエイバルらしさが出た試合でしたし、攻守において良いサッカーができたと思います」。

今シーズンでは最高の内容となったベティス戦、乾自身も3ゴールに絡む活躍を見せて勝利に大きく貢献。約2か月ぶりの勝利にチームの雰囲気も「やっぱりよかったですね。久しぶりに勝って、みんな気持ちよく試合後もワーワーしていました」と上向いていく。

■88年の歴史の中で初めての対戦、これからも続ける成長

エイバルは続くアラベス戦にも勝利して、シーズン初の連勝。一気に上昇気流に乗り、第14節エスパニョール戦にも3−1で快勝。3連勝でチーム状況は見違えるように変わった。乾自身も、第8節の招集外以外は全試合に出場し、個人でもさらなる成長を目指す。

「攻撃では、ベティス戦はみんな個々の能力をしっかり出せたし、ああいうサッカーができれば勝てると思うので、自分自身もあれ以上のものをこれからも出していければいい。やっぱり得点はしたいです。ただ昨シーズンと違うのは、今のチーム状況的にそういうわがままなプレーよりもしっかり味方の選手を使うというか、誰が獲っても一点は一点なので、まずはチームの得点・勝利を目指していきたいと思っています」。

そして、今週末に行われる第15節。エイバルは土曜日の夜にヘタフェとアウェイで対戦。MF柴崎岳との対戦が実現すれば、1929年に創設されたリーガ88年の歴史上、初となる日本人対決が実現する。第4節でバルサ相手に強烈なボレーを叩き込んだ柴崎は、その試合中に左足中足骨を骨折して手術。すでに練習には復帰しており、ギリギリではあるが試合に間にあう可能性はあると現地で報道されている。

乾も柴崎の実力を「岳(柴崎)は、ずば抜けてうまいし、センスもすごいものを持っている。」と評価している。

改めて乾に、リーガで戦う日常について聞いた。「毎日成長できていますし、この舞台でやれているのは本当に自分にとっていい経験。これからの人生で財産になると思うので、ムダにしないように一日一日、しっかり成長できるように頑張っていきたい」。

スペインに来て約2年半をかけて築き上げた仲間たちの信頼と、地に足をつけて手に入れた成長。これからも乾貴士は、リーガでも代表でも進化を続ける。

クラシコ



◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★リーガ史上初の日本人対決なるか!?『リーガ・エスパニョーラ 第15節 ヘタフェvsエイバル』
【放送日】12/9日(土)夜8:59~[WOWOWライブ]※生中継
ゲスト解説:家長昭博(川崎フロンターレ/元日本代表MF)

★『クラシコ直前!宮本恒靖×ハリルホジッチSP対談 ~レアルvsバルサ徹底分析~』
【放送日】12/22(金)夜10:00~[WOWOWプライム]※無料放送

★『現地より生中継!リーガ・エスパニョーラ17−18 第17節 伝統の一戦クラシコ レアル・マドリードvsバルセロナ』
【放送日】12/23(土・祝)夜8:30~[WOWOWライブ]※生中継
現地解説:宮本恒靖

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